19.捜索
バトルシーンが続いて続いて落ち着かないなあ。
× × ×
ホテルの戻ると、その手前のほうで、間谷さんが待っていた。
顔は笑ってはいるが、本当に笑っているのだろうか。
今日借りたばかりの部屋を今日壊したんだ。怒られても文句は言えない。一つ言わせて貰えるのなら、それは古乃華のせいであって、俺は被害を受けた側の人間であるということだ。
こいつにきちんと謝ることが出来るのか。信じてはいない。
しかしやったことには責任を持たないとな。
クビかな。クビなのかな。クビになりたいなあ。
「やあ、扇状くんに遊んで貰ったのかな。古乃華」
あんなことが遊びなものか。遊びで殺されたら死んでも死にきれない。遊びでなくとも死にきれないのに。こんなことが日常だとしたら、ブラック企業にも程がある。
そんな喋り方だとこいつ調子乗らないか?
「うん。良くできてたよ」
「お前どの立場で喋ってんだよ」
「扇状さんには、後から体で払いますよ。ちらっ」
「臓器提供か?」
「はあああっ!! 怖すぎですよ!」
「間谷さん。俺まだ眠いので寝てきていいですかね」
「ああ、いいとも」
良かった、やっとのことで眠れる。
俺はあの部屋とは別の部屋に移動させられ、つくや否や、ベッドに倒れ込んだ。
ねる。
× × ×
あれ。私のパンツがない。
洗濯にだしてから一枚も帰ってきてない。おかしい。
私は自分の部屋に戻ってお風呂に入ったのだけど、着替えの下着が見当たらない。
まっさか。
泥棒!? この本部に乗り込んできた人物がいる!? もしくは内部犯。
「お、女の子の敵だ」
これは急いで犯人を探さないと。
スカートを履き、ブラを付け、シャツを着ると、部屋の鍵を閉めて作戦室に向かった。
作戦室には誰もいなかったので、放送室。続いて食堂。
そこにはいた。
ばらばらと人がたくさんいたが、その中でも食事中の親しい先輩を頼る。
国利さんと菘さん。
「聞いて聞いて! 国利さん私のパンツがないの!」
「え、それ駄目じゃない。大変。今すぐ包囲網と調査班を」
「待って国利。それ古乃華ちゃんの勘違いってオチが見えてるんだけど」
「菘ちゃんだって自分のパンツが盗られると嫌でしょ! 面倒そうにしない!」
「いや、だって・・・」
「先輩方! こうしている間にも、犯人は罪を重ねているかも知れないんですよ? 早く早く」
「うん」
このはなちょうさたい。こくりとすずながなかまになった。
× × ×
「まずは内部犯の犯行であった場合を想定します。私達は犯人っぽい人を片っ端から家宅捜索します」
「迷惑ね・・・。私達が摘発する側なのに、はたから見ればただただ迷惑な集団よね」
「大丈夫だよ、菘ちゃん。犯人さえ見つけたら解決だから」