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個人的要望の通らない日々  作者: 北松文庫
2.予算残高のように命、減る日々
15/31

15.何度も落ちる

同じことの繰り返しになってしまいました。注意されたのに。

   × × ×


 人は飛びたいと、大空を羽ばたきたいと。そうして飛行機を作り、パラシュートを作り、夢へとダイビングする。


 でもダイビングが楽しいのは、安全が考慮されているからだ。海へも、この高さは大丈夫だと思うから。バンジーも、命綱があるから。空へも、パラシュートがあるから。


 六階の自室からのダイビングが、楽しいわけない。


 俺は空中でゆらゆらと揺れることなく、自由落下で不自由に落ちる。



 事の始まりは数秒前。


 突如襲ってきたアホの子から逃げるため、唯一の逃げ場。窓から飛び出した。


 しかし思いの他高かった。既に空中、なにができようか。人類よ、そんなに飛びたいなら、飛行能力を身に付けてくれ。重力からは逃げれない。


 はたして木をクッションにした程度で助かるのか。目の前に木が迫る。そもそもなんであいつが急に俺を殺す気になったんだ。

 

 リムジンの中では大人しかったのに。間谷さんがいたからかな。



 再び数秒前に戻る。


 俺は走りながら説得に入った。後ろではドアが振り回され続け、壁がどんどん削れていく。


 あんなの投げつけられたらひとたまりもない。逃走の為に近くの椅子を掴んだ。


 「まて、話をしよう!」


 「無理、殺す、死ね」


 「なるほど分かった」


 俺は椅子を窓に投げつけて割り、飛び出す。


 まさかこの数秒後に後悔することのなるとは。


 今も若干後悔している。


   × × ×


 お父さんの(かたき)をと言ってもいい、扇状さんは、私のドアめがけた初撃をかわす。


 武器としてドアを引きちぎり、振り回した。何度も何度も振り回すが、当たらない。


 「まて、話をしよう」


 そう言いながら、彼は椅子を手に取った。


 こうしょうけつれつしたら、私とそれで戦うつもりなのかな。無理、勝てないよ。


 それに私は、扇状さんを助けるつもりは、水に流してきた。使い方合ってる?(合ってません。別のものを流してたらこんなことにはなりません)。


 私ははっきりこう言った。


 「無理、殺す、死ね」


 「なるほど分かった」


 私の答えに、そう返してきたので。来るか、身構えた。


 しかし彼の取った行動は、以外なものだった。


 あ、別に以外じゃないもん。想、定、内だ。


 椅子を窓に放り投げ、割った。


 そのままなんの迷いもなく、飛び出す。


 「あ、まじかぁぁぁぁぁぁぁ」


 楽しい。


   × × ×


 隣の部屋が先程から騒がしい。


 寝れないだの、ドアをぶち抜く音がしたりするだの、迷惑だ。こっちの身にもなってみろってんだ。新型が現れたと聞いて調査したり、報告書出して、ミスがあって、他の仕事押し付けられて、やっと二日ぶりに寝れるってのに。


 あ、窓が割れる音がした。全く窓もただじゃないってのに。


 「あ、まじかぁぁぁぁぁぁぁ」


 「うるさいぞ!!」


 ったく。


 これだから新人は。


   × × ×

 

 隣の部屋の人には申し訳ないと思う。


 「うるさいぞ!!」


 落下しながらそんな声が聞こえてきたので、謝らないと。


 今は受け身で忙しいので、今度にしよう。


 次々と太い枝に上手いぶつかり方をして(気分)、地面に落ちる。


 「ぐえっ」


 数秒、きを失った。


 「ん・・・。はあっ! 学校! じゃなくて。これお決まりな」


 体に異常はないか? 骨、切り傷、打ち身。


 よし、大丈夫。

 

 今は、問題ない。帰って病院行こう。


 この本部から早く離れないと。


 現在地はどこだ? 体感では一時間くらい移動してた気が。外はまだ薄暗いし。六時くらいか?


 ゆっくり体をおこして歩き出す。


 

二章幕開け最悪。色んな意味で

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