第4章 いじめ
数日後
昼休み。桜は千春と薫と、なんとなく話していた。
すると突然、近くにいた男子たちが、こう言い出した。
男子A「あ、白くてガリガリのキモイ藤本だ!!」
男子たちは、大笑いしている。
男子B「キモス、キモス〜♪」
するとすかさず、千春がこう言った。
千春「き、気にしなくてもいいよ!!」
薫「そうそう。あんなヤツ、無視無視!!」
そう言って、2人は桜を、できるだけ男子たちから遠いところへ連れて行った。
正直、信じられなかった。このクラスとは、仲良くやっていけると思っていたのに――。なのに、みんなからこんな風に思われていたなんて――
桜は、男子たちを睨みつけた。
男子たちの悪口は、何日か続いた。男子たちの笑い声がこだまする・・・。
そのたびに、私はとても悲しい気持ちになる。どうして私は、男子たちに言い返すことさえできないのだろう・・・。そう思うと、もっと悲しくなる。
だけど、涙だけは見せちゃダメだ。自分の弱いところは、絶対に見せるものか――
数日後
千春「桜!!一緒に帰ろうw」
桜「うん。薫は?」
千春「薫は、委員会だって。」
桜「ふーん・・・。」
そう言って、桜は運動靴を取り出した。
桜「わッ!!何これ!?」
桜の靴の中には、砂がいっぱい入っていた。
桜は反射的に、例の男子たちを見た。
男子たちが笑いをこらえているところが見えた。
いよいよ、嫌がらせまで広がってしまった。
どうして?私、何もしてないのに・・・。なのに、なんで私だけ・・・?
桜は涙をこらえながら、靴の中の砂を運動場に捨てた。