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第2章 家族(前編)

帰り道

桜は、2人の生徒と帰っていた。一番最初に声を掛けてくれて、席も近く、すぐ桜と仲良くなった。

3人とも、とても楽しそうに話している。だが、桜だけは――

いや、ちゃんと笑っている。だが、その笑顔は―、作り笑いのような感じだ。まぁ、桜のように美人で勉強もデキるような人は、「大人っぽくてクールな人」で許されるだろう。


女の子A「あ、ねぇねぇ、この後さぁ、桜ン家に行って良い?」


女の子B「あぁ、あたしも行きたい!!」


桜「え?あぁ・・・うぅ〜んと・・・。」


桜は顔を少し下に向け、表情がだんだん険しくなっていった。


女の子A「・・・ダメ?」


桜はパッと顔を上げた。


桜「へ?あ、あぁ・・・いいよ。」


桜は笑顔で言った。ただし、作り笑いの――


女の子B「やったぁ!!じゃあ、4時に天空公園に集合ね!!」




桜の家


桜「ここが、私の家。上がって。」


女の子A・B「おじゃましま〜す!!」


桜たちがくつを脱いだりしていると、奥から女の人が出てきた。


女の人「あら、いらっしゃい。」


女の子A・B「こんにちは!!」


桜「あぁ、志保さん。こちらが・・・、牧瀬まきせ 千春ちはるさん。」


桜が、小柄で、ショートカットの女の子を指さして言った。


桜「そしてこちらが・・・、斉藤さいとう かおるさんです。」


桜が、二つ結びで、眼鏡をかけている女の子を指さして言った。


志保「あらそう。それじゃ桜、この子たちを自分の部屋へ連れて行きなさい。」


桜「はい。」


そして桜は、千春と薫の方を向いた。


桜「行こう。」


千春・薫「うん。」


2人は桜に続いて、階段を登っていった。

そして薫が、志保と名乗る人に声が聞こえないくらいまで来た時、口を開いた。


薫「ねぇ桜。この家では、敬語を使う事になってるの?」


千春「そうそう。お母さんのこと、「志保さん」なんて呼んじゃって・・・。もしかしてあの人、お母さんじゃなかったり?」


桜「う、うぅ〜ん・・・。」


桜がまた、険しい顔になった。


桜「あ、ねぇねぇ、昨日の『1リットルの涙』見た?」


桜は話を反らせた。


千春「うん。見た見た。」


薫「感動的だったよね――・・・。」


2人とも、夢中になって、昨日のテレビドラマの話をしていた。そんな2人を見て、桜はホッとした様子だ。

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