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お弁当とテスト前
「麗君、あ~ん。ねぇ、おいしい?」
「ずるいよ、香奈。私も、あ~ん。」
僕はあれからとっても幸せな日々を過ごしている。
って、たったの一週間だけど…
「麗君、明日のおかず何がいい?」「作ったあげるから」
ってな感じで毎日由岐と香奈がお弁当を作ってくれる。それがとにかくうまい。
ただ、周りの視線以外はとっても幸せだった。
「ねぇ、麗君。もうすぐテスト一週間前だね。」
「あ、忘れてた。どうしよう、ただでさえ由岐と香奈よりバカなのに。勉強してないよ。」
『同じ学校に行けなくなっちゃうの嫌だよ~』
でもそんなのは無理だ。学年TOP2のこの二人に僕みたいな学年20番台がかなうわけがない。
『私たちが家庭教師してあげる。』
「えっ??」
「それなら、ずっと一緒にいられるでしょ?」「私たちなら心配要らないからさぁ」
『もし成功したらご褒美ちょーだいね』
この二人に言われるとどうしても断れなくなる。
「いいよ。じゃあお前らが学年二位以内で、僕が十位以内に入れたら
一緒にどこかへ遊びにいこう。」
『やったー!!!』
こうして僕のテスト前の死闘が始まる…