再会 その4
後日、ミッキーから電話がかかってきた。
「もしもし、私だけど」
「あぁ、ミッキーか、どうしたんだ?」
「今日、予定空いてるかしら。深夜営業のメンバーも集めれたら集めて欲しいの」
そう言って彼女は場所と時間を指定してきた。それは初めてライブを行った場所だった。
私は慌てて他のメンバーを集めた。皆二つ返事で来てくれたが、同時に困惑していた。
集合時間、かなり久しぶりに全員が揃った。
「ここに集まるの、久しぶりだな……」
「あたし、あれ以来来てなかったわ」
みんながそう呟く中、ミッキーが現れた。
「みんな、急に集まってもらってありがとう」
心なしか以前より元気がないように見えた。
「いいのよ、ミッキー。元気にしてた?」
「うん、なんとか、ね?」
とミッキーは微笑んだ。久しぶりの微笑だ。
「みんな、また久しぶりにバンドをやろうと思ってるのよね……?」
ミッキーがそういうと、みんなドキッとした。ミッキーを置いて自分たちは意欲的になっていることに、少し負い目を感じていたからだ。
「うん……でも、ミッキーには無理してほしくないわ」
「無理はしてないよ、ありがとう」
気まずい沈黙。それを打ち破るように、酔っ払った管理人が現れた。
「ようよう、久しぶりだなぁ。元気にしてたのか?」
空気が読めない管理人、しかし、それが嬉しかった。
「……私、やっぱり始めようと思うの。バンド」
みんな固まった。彼女がイエスと言ってくれるとは1ミリも思っていなかったからだ。
「みんな、やっぱり、私がいいよと言わなかったから、怒ってる……?」
少しばかりの沈黙があった後、口を開いたのは管理人だった。
「いやー、深夜営業再開、嬉しいねぇ!」
まだ決まっていない。
「ありがとうございます、管理人さん。これからもお世話になるかもしれませんが、よろしくお願いします。」
まだ決まっていないってば。
「いやー、こりゃ宴会だ、宴会」
お前が開くな。
いろいろツッコみたくなったが、今日は野暮だと感じた。
「おい、みんなの分の楽器、一応あるぞ。……マサごめん。レフティはないわ」
支配人がこっそり楽器を用意してくれてたらしいが、レフティの私は楽器がなかったため備え付けのピアノを弾く羽目になった。
こうして少しばかりのジャムセッションと管理人のアルコールによって、深夜営業の再結成が行われたのであった。




