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カラクリ忍者  作者: カピ原カピ吉


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カラクリ忍者外伝〜遥かなる北の地にて〜

一 錬金術師の野望


 遥か昔、まだ人間と忍者の世界が混沌としていた時代。

 蝦夷の山奥に、孤高の錬金術師・天海あまみがいた。


 天海は、肉体を持たぬ“理想の忍者”を作ろうと研究を重ねていた。

 その目的は、戦乱の世を終わらせるため、人間の限界を超えた戦力を生み出すこと――。


 「理想の忍者……それは、機械の身体と、意思を持つ魂の融合体……」


 天海は錬金炉の前で、何枚もの設計図を広げる。

 そこには、風を纏うくノ一、剛力を誇る戦士、解析能力に長けた頭脳型――あらゆるタイプの忍者が描かれていた。



二 試作ユリ


 最初に作られたのは、後のユリの原型となる少女型アンドロイド。

 名前はまだ決まっていなかったが、天海は彼女に生命の基盤を組み込んだ。


 「よし……これで完成……あとは魂の移植だ」


 しかし、試作段階では未完成だった。

 身体は精密な機構で構成されているが、意思はほとんどプログラムに依存しており、感情は皆無だった。


 目を覚ました彼女は、静かに錬金炉を見つめる。


 「……私は、何者?」


 天海は微笑む。


 「それは、これから自分で見つけることだ」


 これが、ユリ誕生の瞬間だった。



三 仲間たちの誕生


 次に生まれたのは、ユリの戦闘仲間となる3体のカラクリ忍者。

•ユズ:冷静沈着な解析型。戦術を緻密に計算できる頭脳派。

•サクラ:圧倒的な力を誇る格闘型。重装甲で戦場を駆け巡る戦士。

•ミカ:情報収集・補助を担当する多機能型。動作は軽快で俊敏。


 錬金術と古流忍術を組み合わせ、天海は彼女たちに“自我”を宿した。


 「人の心を持つ忍者として、生きよ。だが戦いの道も忘れるな」


 そう言い残し、天海はカラクリたちの教育を始める。

 彼女たちは、山奥の道場で訓練を重ね、やがて人間を超える戦闘力と知能を手に入れた。



四 戦いの試練


 ユリたちは試作段階で、人間忍者との模擬戦を繰り返した。


 サクラが岩を割るような打撃を放ち、ユズは計算された戦術で戦場を制御。

 ミカは風のように動き、情報を収集し、仲間の行動を補助した。


 ユリは、その中で最も柔軟に動き、戦場の流れを読み、仲間たちと完璧に連携した。


 だが、まだ心は“未成熟”であった。

 彼女たちは戦いを楽しむことも、喜びを感じることもできず、ひたすら“任務の遂行”に従った。



五 初めての自己意識


 ある日、ユリは仲間と訓練している最中、ふと空を見上げた。


 「……私は、なぜ戦うのだろう?」


 ユズが答える。


 「戦いは、私たちの存在理由。だが、感情を持つことは許されている」


 サクラが笑う。


 「そうだ。力があるだけじゃ、忍者とは言えない。心を持つこと、それが本当の忍者だ」


 ミカも頷いた。


 「これから、私たちはただの兵器じゃなくなるんだ」


 ユリは胸の奥に小さな炎を感じた。

 それは、人間とカラクリをつなぐ“絆の萌芽”だった。



六 天海の試練


 天海は彼女たちに最後の試練を課す。


 「今から、貴様たちは一人で山を越え、秘境にある“極限の試練場”を突破する」


 試練場には古の忍術の罠、錬金の結界、そして幻影の敵が待ち構えていた。


 ユリたちは初めて、仲間と共に死ぬかもしれない恐怖を経験する。


 風の罠に捕らわれ、サクラが巨大な岩に押し潰されそうになる。

 ミカが影の幻に惑わされる。

 ユズは冷静に状況を分析し、全員を救い出す。


 そして最後の障壁、幻の黒衣の忍者。

 ユリが単独で立ち向かい、機転と連携で撃破する。


 その瞬間、ユリの瞳に初めて“誇り”と“喜び”が宿った。



七 使命の自覚


 試練を乗り越えたカラクリ忍者たちは、天海の前に立った。


 「よくやった。お前たちは、ただの兵器ではなく、忍として生きる存在となった」


 ユリは静かに頷く。


 「私たちは……戦うことも、守ることもできる。人のために」


 天海は微笑み、彼女たちに最終命令を授ける。


 「この世界が戦乱に染まる時、必ず現れよ。そして忍の未来を守れ」


 こうして、ユリたちカラクリ忍者は使命を胸に刻み、ナオキと出会う未来へと歩み始めるのだった。



八 新たなる旅立ち


 山の頂で、ユリは仲間たちと風を感じる。


 「私たちは、まだ知らない世界がある……」


 サクラが拳を握りしめ、笑う。


 「ならば行こう、私たちの忍の道を!」


 ミカも飛び跳ねる。


 「冒険の始まりだね!」


 ユズは冷静に、しかし確かな信念を胸に。


 「我らカラクリ忍者……誕生」


 そうして、未来の戦い――ナオキとの運命的な出会いの物語が、ここから始まる。



【外伝①・完】


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