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あーかい部! 16話 掘る

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「今日の当番はあさぎだったな。」


「うん。」


「今日は何話そうかなぁ?」




久しぶりの3人同時入室。




「「「ふぅ。」」」




3人が思い思いの席に座ると、あさぎはカバンから少し小さいレンガ型の箱を取り出した。




「何それ〜?」


「今日のテーマはこれだよ。」


「箱?」


「いや、外装じゃなくて……、」




あさぎは箱から直方体の、固めた砂のようなものを3つ取り出した。




「これ。やったことない?」


「あ、博物館とか温泉で売ってるやつ!」


「発掘キットか、懐かしいな。」




あさぎが取り出した箱には大きく『発掘』と書かれていた。




「わざわざ人数分買ってきたのか?なんだか悪いな。」


「お隣さんからのお土産だよ。みんなにって。」


「わ〜い♪ありがとうお隣さん。」


「『みんな』って、ワタシ達も認知されてるんだな。」


「あ"……!?えっと、世間話!で、ね……?」


「……な〜んか怪しいけど、ありがたく頂くよ♪」


「じゃあ残り1個は白ちゃん用かぁ。」


「そんなとこ。」




各々が発掘キットの箱を開けながら、本題に移ることにした。




「今日のあさぎのテーマは『発掘』ということなのか?」


「それもいいけど……もうちょっと広げて、『掘る』ことについて話そうよ。」


「掘る?」


「『アーッ♂』ってことか……?」


「ひいろは掘られたいの?」


「いや、それは解釈違いだから結構だ。」


「何の解釈……。」


「それに、ネコはあさぎだろう。」


「wwwwww」


「違うしそこ笑うなっ!///」


「もっと『掘り』下げなくて良いのか?」


「あさぎちゃん、墓穴を『掘った』ねぇ……?」


「はいはい脱線しない!」


「しょうがないなあ……。」


「はぁい……『掘る』ってワクワクするよねー。」


「話の振り方が雑っ!?」


「スコップとかで穴掘ってるとウキウキしてくるのは何でだろうな?」


「まあいいや……何か埋まってるかもっていう期待感とか?今みたいな。」


「それだと、落とし穴を掘ってるときはワクワクしないことにならないか?」


「落とし穴なんて掘ったことあるの……?」


「ないけど、いざ掘ったら絶対ワクワクすると思うぞ!」


「思うねぇ。」


「それはわかるかも。」


「もうさぁ、人って本能とかのレベルで好きなんじゃないかなぁ?穴掘るの。」


「確かに、熊とかミーヤキャットは穴を掘るな。」


「リスとかも穴掘ってエサ隠すんだったっけ。」


「ほぉらやっぱり。」


「全部ヒトの話じゃないけどね……。」


「人だって墓穴を掘ったり穴があったら入りたかったりするな。」


「虎穴に入って虎子を得たりするよねぇ。」


「慣用句だし、人様の穴にお邪魔しちゃったよ……。」


「こうしてみると、穴めっちゃ身近だねぇ。」


「やっぱり本能レベルなのかぁ。」


「そりゃあ、三大欲求の1つでもあるからな!」


「結局そっちかぁ。」


「みんな穴から出てきて穴に還っていくんだねぇ。」


「最低過ぎる輪廻転生……。」




「……お、何かにぶち当たった。」


「速いな……って、ドリルしたのか。」




きはだの発掘キット、もとい直方体の砂の塊には丸い穴が中心付近まで一直線に掘られていた。




「うわぁ邪道……。」


「中身を知りたいなら、邪道でもこの方法が再高効率じゃない?」


「真ん中に埋まってなかったらまたドリルすることになるけどな。」


「中身見えた?」


「う〜ん、なんか黒……?」


「まあ掘ってみてのお楽しみだな。」




3人はまた各々の発掘作業に戻った。




「発掘といえばさぁ、地層ってあるよねぇ?」


「あの縞々?」


「山とかに行くとたまに見るよな。それがどうかしたのか?」


「あれ見ると、お腹空いちゃうんだよねぇ……。」


「きはだって土食べるの?」


「食べんわっ!」


「お腹は空かないが、ケーキの断面を連想するよな。」


「そうそう、それだよそれ〜。」


「う〜ん…………する?」


「あさぎちゃんは土食べてれば?」


「あさぎ、土の味を知って人は強くなるんだ……。」


「少年漫画の主人公じゃあるまいし。」


「無敗の人とか『土の味を知らない』って言うよねぇ。」


「土なんて味わうものじゃないんだよ。」


「じゃあ甲子園の子らは何のために土持って帰ってるの?」


「あれは普通に、記念だな……。」


「マジかぁ……。」


「食材じゃないんだから。」


「毎年変わる味を楽しんでるわけじゃないのかぁ。」


「いや、甲子園の土って、あまりにも持っていかれるから毎年補充しているらしいぞ?」


「味変してるのか……。」


「いや食べないからね?ミミズじゃないし。」


「そうやって考えると、ミミズって幸せな生き物だよな。」


「どうした急に。」


「いや、生活空間みんな食べ物に囲まれて生きている訳だろう?」


「確かに掘り進めば食べもの無限だけど。」


「あんなトゥルントゥルンな身体でどうやって掘ってるんだろうねぇ?」


「硬い身体の方が掘りやすそうだよな……。」


「発掘キットのノミ?も木製だしね。」


「こんどミミズ獲って解剖してみる?」


「……。」


「……頑張れ。」


「……ごめん今の無しで。」






あーかい部!(4)




あさぎ:投稿完了!


白ちゃん:お疲れ様


あさぎ:白ちゃん先生こんどお土産あげます


白ちゃん:お土産!?やった♪


ひいろ:アレか


きはだ:アレだね


白ちゃん:え、なに怖いんだけど


あさぎ:怖くない怖くない

あさぎ:ちょっと硬くて砂っぽいだけです


きはだ:言い方草ァ!


白ちゃん:……また例のお隣さんね?


ひいろ:おお


白ちゃん:気持ちはありがたいけど、昆虫ゼリーはもうごめんよ?


あさぎ:食べものじゃないから大丈夫です


白ちゃん:え……?


ひいろ:今日の投稿分読めばお土産が何かわかると思うぞ


白ちゃん:了解




きはだ:お隣さん旅行好きなの?


あさぎ:1人で温泉行くくらいには


ひいろ:好きだなあ


きはだ:肩までどっぷりだね


あさぎ:温泉だからね


きはだ:大の大人が発掘キット買い占めるとこ想像したら面白い


あさぎ:そう?


ひいろ:お隣さん、自分の分は買ったのか?


あさぎ:シュリンク付きで箱買いしたって


きはだ:はwwwこwwwがwwwい


ひいろ:コンプリートしたかったんだな


あさぎ:大人買いだね


きはだ:無駄遣いここに極まれり


ひいろ:けどちょっと憧れるよな


あさぎ:わかる




白ちゃん:お土産って発掘キットだったのね


ひいろ:おかえり


あさぎ:けっこう時間かかるヤツです


白ちゃん:みんなは何出たの?


きはだ:言っちゃっていいの?


白ちゃん:いいわよ


あさぎ:銅鐸でした


ひいろ:埴輪


きはだ:土偶


白ちゃん:そういう方向性なのね


ひいろ:歴史で最初に学ぶやつはみんな知ってるしな


あさぎ:安牌だよね


きはだ:さあ白ちゃんも本能のままに掘ろう


白ちゃん:発掘って本能なの?


あさぎ:そうみたいです


白ちゃん:じゃあ、あさぎちゃんのお隣さんも本能解放してたのね


あさぎ:してたというかしてるというか


ひいろ:ん?


あさぎ:今一緒に掘ってます


きはだ:草ァ!


白ちゃん:何種類入りのを何個買ったのよ…….


あさぎ:全8種8個入りを2箱


ひいろ:お土産差し引いて12個か


白ちゃん:1箱で良かったんじゃない?


あさぎ:お土産あげたらコンプできないっしょ


きはだ:?

ひいろ:なんだ、口調が


あさぎ:とのことです


白ちゃん:このラインナップですごい熱量ね

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