表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

分析

■■■■



ステータス


能力値

HP 40/40

MP 10/10

力 E

生命力 D+

器用さ D-

素早さ E-

魔力 E

抵抗 ■



スキル

なし



ユニークスキル

全状態異常無効化

全言語翻訳

なんか凄い力Lv1






なんか凄い力を願ったら"なんか凄い力"を得た事件から少しして、俺はステータスの表記についてあれこれ分析していた。


まず最初に名前を表示するべきであろう場所が黒塗りになっているがこれは仕方ない。どうにも自分の名前が思い出せないのだ。なんちゃら太郎とかそんな感じだった気がする。桃から産まれた可能性が微粒子レベルで存在している。


能力値については元々の俺のスペックから変化していない感じがする。試しに飛んだり跳ねたり近場の石に拳を打ち付けて悶絶したりしてみるが、THE.自分といった具合で、やはり異常性を感じることはない。つまりこのステータス君は俺に対して「お前しぶといし器用だけど足遅いよなwww」と仰っているらしい。全体的に値が低いような気もするが、異世界というと戦ってる奴らは大体人智を超えたパワーを持ってるイメージがある。むしろ一つ上のランクを与えられた俺の生命力と器用さは一般人的観点からすると結構やばいのかもしれない。HPも、MPと比較して考えるならばそこそこ高い方なのだろう。


魔力と抵抗については何も分からん。特に抵抗君はなんで黒塗りになってるのか教えてほしい。そもそも何に何で抵抗するの?拳?


スキル欄についてはもっと分からない。驚くべきことに"なし"だ。ステータス君は俺には何のスキルも無いと思っている事が分かった。失礼な、これでも俺は呼吸という極めて高度な化学変化を自在に操っているのだが。


しかし、やはり何よりも気になるのは空白多めのステータス欄に輝く"なんか凄い力"だろう。どんな能力なのか分からない癖に、自分には将来性があるのだとこれ以上ないほど明確に主張している。あまりにも定義がふんわりし過ぎていて、何をどう試せば良いのか全く分からない。とりあえず"なんか凄い力〜"と唱えながらジャンプしてみるが、何も起こらない。身体が大地から離れるというごく普通の現象が、ごく普通の高度で、ごく普通に発生しただけだ。


イメージの問題だろうか?確かに、なんか凄い力でなんか凄いジャンプを決めるというのはなんか違う気がする。どちらかというと、もう少し破壊的な印象だ。そこで俺は近くの木に狙いを定めて手を翳し、それが破壊されるイメージと共に力の発動を念じる。変化は激的だった。


「うおぁっ!?」


可視化された衝撃波のようなものが俺の手から放たれる。それは狙いを定めていた木を貫き、圧し折ってしまった。


「....マジか」


破壊力が高過ぎる。Lv1の性能か?これが。


折れてしまった木を調べてみるが異常な痕跡は見られない。シンプルに高過ぎる威力が木の一部を粉々にしていた。正法念処経に語られる小地獄ほどもない俺の語彙力ではなんか凄い力がなんか凄いことをした、としか言いようがない。語彙力が地獄、という誹りさえ俺にとって褒め言葉だ。


「グギャアッ!」


そうして破壊された木の前であれこれ考えを巡らせていると、轟音を聞き付けてか緑の肌をした人型の怪物が現れる。俺の持つ知識に照らし合わせるなら、ゴブリンという奴だろう。なんだか、俺が唐突にそう叫ぶ事がギリギリ有り得そうなくらいの叫び声だ。


「ガギギッ!ニンゲン!ニンゲンコロス!」


どうやらこの世界のゴブリンは人間に対する殺意の煮凝りのような生物らしい。背丈は小さいが、その手には棍棒が握られている。困った事に、人間は鈍器で殴られると死ぬ。


「待て、話せば分かる」


「ゴハンガシャベッタ!シネ!」


話す気がないらしい。歴史をそのまま再現してしまったが、流石に同じ轍を踏むつもりはない。ゴブリンに向けて手を翳し、再度の攻撃を念じる。


「ギャ──」


刹那、衝撃波が放たれ、断末魔と共にゴブリンの首が飛ぶ。流石にちょっとグロい。検索してはいけない言葉を全クリしていなければ精神にダメージを負っていたかもしれない。


さてしかし、此処はどうやら危険地帯のようだ。確かに人の気配はまるでしないし、周囲に広がるのは深い森のみ。土地のすべてが生命力の赴くままに"未開でござい"と主張している。こんな所に住んでいるのは野生動物か、ゴブリンのような化物か、爬虫類くらいのものだろう。


「旅、しないとなぁ....」


まずは人間の居住地を探さなければならないが、あんな巨大なドラゴンが文明圏の近くに住んでいては大騒ぎになってしまうに違いない。ほんの一瞬しか話せなかったが、あいつもそこら辺は結構気にしてるイメージがある。


どうやら、長い旅路になりそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ