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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
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告白 1

 ラブホテルに行った後、私は結愛に対して好意を抱いていたけれど、告白はしないようにしようと考えていた。

 アセクシャルの彼女に告白したところで、彼女は受け入れはしないだろうという悲観的な見解のせいというよりも、付き合うこと自体に対して重要な価値や意味を見出せないと言っていた事実のせいで、告白する勇気がなかった。

 家族でも何でもない赤の他人と、なぜ一生を共にする必要があるのだろうか? 

 誰一人として全く同じ人物は存在せず、全ての人が各々の環境や経験を得て生きてきたのだから、赤の他人と生活を共にするということは、何かしら自分の一部を譲歩という形で犠牲にして、相手と役割を擦り合わせなければいけないということだ。

 一人で独立して一生を過ごすことができるようになった今、なぜそんな非効率的なことを、好きでもないのに、必要に迫られてもいないのに、しなければならないのだろうか?

 あまりにも恋愛の本質を射抜いたそれらの冷静な意見に、私はどう考えても彼女が私の告白を受け入れるとは思えなかった。その上、私はまた別の問題を抱えていた。

 今まで恋愛対象として彼女に興味がなかったのに、急に彼女に恋をし、それもきっかけが二人でラブホテルに行ったから、というあからさまなもので、それはあまりにも性欲に忠実すぎるという感じがして、自分の気持ちを受け入れ難かった。

 傍からも見ても、彼女が性欲処理を手伝ってくれたから好き、と好意が芽生えたようにしか見えない。それが許されるようなことには思えない。

 なのに、私は一体何を思ったのか、数日同じことをぐるぐると考え悩んだ挙句、「なるかみの すこしとよみて さしくもり あめもふらんか きみをとどめん」という意味の分からないラインを急に送り付けた。

 正直自分でも気持ち悪いが、この時は兎に角恋の熱に舞い上がって、思考回路も理性も火花を散らせて焼き切れていた。

 私は自分の心臓が、大量の血液を全身に力強く送っているのがわかり、送信ボタンを押す指とスマホを握る手は激しく震えていた。


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