推しは推せる時に推せ
今日この世界は、推しがいない世界になった。推しがいない世界とは、世界なのだろうか。
自分の過ごす時間は勝手に進んでいく。もっと早くから存在を知り、もっと長い時間過ごすべきだった。
いや、あの時偶然出会わずに、推しを知らないままこの世界をやり過ごせば良かったのかもしれない。
推しがいない世界。それは、世界ではない。今自分がいる場所は、本当に日本国の東京都なのだろうか。
君がいない世界なんか世界ではない。空っぽだよ、ただの球体とか、箱だよ。つまらないよ。楽しくないよ。君に会えるのが楽しくて生きていたのに、これから何を楽しみにして生きればいいんだよ。
「推しは推せる時に推せ」なんて酷な言葉だ。
推せる時に推したって、推しきれないじゃないか。君に対してはちっとも飽きが来なかった。いつ会ったって君のおしゃべりや歌は楽しいんだ。
君に会わなければ良かった。そうすれば、こんな気持ちにならなかったと思う。
でも、君に会えて本当に良かったと思う。毎日が楽しかった。君に会える日や時間は少なかったけど、ワクワクしていた。君に会えるのが毎日楽しみだった。
時間は勝手に過ぎていく。悔しいと思う。
君のことをだんだん忘れていくのが悔しいと思う。
みんな忘れてしまうのだと思う。僕も忘れてしまうのだと思う。
そのうち、君の事を思い出すのが恥ずかしく、ばからしく思うようになる気がする。
それが悔しいと思う。みんな君を知っていたのに。みんな君が好きだったのに。でも忘れてしまう。悔しいと思う。
君に会いたい。心の底から思う。君は今何処で、何をしているのだろう。考えても仕方がないのに。君にはもう、一生会えないのに。
これが世界だったとして、これからどう生きていけと言うのか。