表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

推しは推せる時に推せ

作者: 横瀬 旭

 今日この世界は、推しがいない世界になった。推しがいない世界とは、世界なのだろうか。


自分の過ごす時間は勝手に進んでいく。もっと早くから存在を知り、もっと長い時間過ごすべきだった。


いや、あの時偶然出会わずに、推しを知らないままこの世界をやり過ごせば良かったのかもしれない。


 推しがいない世界。それは、世界ではない。今自分がいる場所は、本当に日本国の東京都なのだろうか。


君がいない世界なんか世界ではない。空っぽだよ、ただの球体とか、箱だよ。つまらないよ。楽しくないよ。君に会えるのが楽しくて生きていたのに、これから何を楽しみにして生きればいいんだよ。


「推しは推せる時に推せ」なんて酷な言葉だ。


推せる時に推したって、推しきれないじゃないか。君に対してはちっとも飽きが来なかった。いつ会ったって君のおしゃべりや歌は楽しいんだ。


君に会わなければ良かった。そうすれば、こんな気持ちにならなかったと思う。


でも、君に会えて本当に良かったと思う。毎日が楽しかった。君に会える日や時間は少なかったけど、ワクワクしていた。君に会えるのが毎日楽しみだった。


 時間は勝手に過ぎていく。悔しいと思う。


君のことをだんだん忘れていくのが悔しいと思う。


みんな忘れてしまうのだと思う。僕も忘れてしまうのだと思う。


そのうち、君の事を思い出すのが恥ずかしく、ばからしく思うようになる気がする。


それが悔しいと思う。みんな君を知っていたのに。みんな君が好きだったのに。でも忘れてしまう。悔しいと思う。


 君に会いたい。心の底から思う。君は今何処で、何をしているのだろう。考えても仕方がないのに。君にはもう、一生会えないのに。


これが世界だったとして、これからどう生きていけと言うのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ