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現実はラノベのように自重は出来ない

最後まで見てくれるとうれしいなぁ


「はぁ、今年で24か」

吐いたため息は白くなりすぐに夜の闇に染まっていき、俺はクリスマス一色に染まった駅前を1人歩く。

「親が居たら実家帰る度に結婚まだなの?って聞くんだろうなぁ」

父の事は覚えていない。両親は物心着く前に離婚をしていて養育費として渡された金では到底生活出来なかった。助成金やパートで母は大学進学まで自分を支えてくれた。そのため母は日に日に仕事を増やすようになり高校生になった時には母の負担を減らそうとバイトを入れようと母に相談したが母には

「せっかく進学校に通ってるんだから勉強頑張りなさい」

とバイトは断られた。

その代わり勉強をしてそこそこの大学には入ることができた。

しかし入学して半年も経たないうちに母は過労による心筋梗塞により亡くなった。

そんな俺も今では大手自動車メーカーに入社し、順風満帆な人生が待っていると思っていたが、実際は仕事はほぼ雑用、サビ残、パワハラなどとブラックで彼女なしの社畜サラリーマンになっていた。

それでも唯一自分を癒してくれるものはラノベだった。母子家庭でゲームば買えず暇を潰したい時にはよく近所の書店で立ち読みして、今でも自分の趣味であり癒しをくれる存在だが会社のお陰か長い間書店にさえ足を踏み入れる事はなかった。

そんなこんなで想いにふけながら歩いているとマイホーム(アパートの一室)乗って前まで来てしまった。

ここで異変に気づいた。

自分の部屋の前には中学生くらいの身長の女の子が制服姿で立っていたのだ。

髪はベリーショートの白髪でハーフのような顔立ちで、何というか、可愛かった。

無視してもいいのだがいかんせんどいて貰わなければ家に入るに入れないので仕方なく声を掛けた。

「ごめんお嬢ちゃんここ俺ん家だから、多分訪ねる部屋間違ってるんじゃないかな?」

「佐藤 躬春さんですか?」

彼女はカゲロウのように儚い声で問い掛けた。

「そ、そうだけど何か用?」

「家、上がっていいですか?」

「あなたの家以外に行くあてが無いんです」

数秒の沈黙の後頭を振り絞って出した台詞は

「は?」

だった。

それ以外声にすることが出来なかった。

(こんなラノベ展開かよ)なんて自分にセルフツッコミをかます余裕もなく

「夜中だし、取り敢えず中、入る?」

「はい」


「私は稚菜唯鈴と言います」

「歳はいくつ?」

「17で高校2年です」

彼女の話を聞く限りでは彼女は稚菜唯鈴で歳は17歳。

なぜ俺の家まで来たか尋ねると母親同士が仕事で知り合い母子家庭同士だったため何かあれば助け合うと話していたらしい。

母親の遺書は読んだがそんなことは一つも書いていなかった。

「俺は母親からそんな話一言も聞いた事ないけど?」

「佐藤さんこれを読んでください」

すると彼女はおもむろにバックの中から封筒を取り出した。

「これは?」

「開けてみてください」

そのまま従い封筒を開くと中には一枚の写真と2枚の便箋が入っていた。

「これは母さんのだ写真じゃないか?もしかして横に写っているのは」

「私の母です」

写真は母親同士の2ショット写真で便箋は1枚ずつ違う筆跡で書かれていた。

一つは、彼女の母親の手紙ともう一つは助け合うことを誓った誓約書のような簡易的な紙だった。

「俺の家の住所まで書かれてる、、、」

幸い就職先も大学時代のアパートから通える距離だったので引っ越しはしなかった。

「なるほど、親戚は、まぁ居なかったのか、」

「わかった。自立出来るまで置いておいてやる」

「ありがとうございます!」

彼女は歳相応の笑顔で返事をするのだった。


自分で自立出来るまで置いてやるとは言ったもののこの部屋はそれこそ風呂はあるもののワンルームで年頃の女の子と暮らすには相当なメンタルが必要でラノベ主人公にならない限り難しいと理解したのは数分後のことだった。

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