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未来が分かる人  作者: 安倍隆志
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出会い

鮮やかなピンク色の花びらが舞う中、新品の制服を来て、夢と希望に満ち溢れていた。

 中学生の頃はどちらかといえば目立たない学生だった。

運動も勉強も平均値、友達もそれなりにいてそれなりに楽しい日々を送っていた。

 しかし、弟はずば抜けた運動神経の持ち主で小学生の頃には野球部に入り、エースで4番として活躍し全国大会に出るなど順風満帆すぎる日々を送っていた。運動以外にも勉強もでき、常にクラスでトップの成績を収めていた。

 こんな状態なので嫉妬しない訳がなかった。きっと自分にも何か才能があるはずだと、色々な部活に入っては辞めを繰り返した。結局、何一つ成し遂げられないまま卒業を迎えるのだった。

 後でわかったことだが、弟は人一倍物事に対して努力を重ねていた。寝る間も惜しんで、練習や勉強に明け暮れていた。よく考えると弟が漫画を読んだり、テレビを見たりして楽しんでいる姿を見たことがなかった。俺は自分の遊びに夢中で人のことなんて全く見ていなかった。


 俺はこの時、何者かになりたくてあがいていた。そして、高校生活に何か活路を見出そうと考えていた。今日はその大事な初日であった。


 前日から丹念なイメージトレーニングを重ね、通学経路や教室に入ってからの行動を妄想していた。

 順調に通学路を進んでいると、突然前方に人が現れ転んでしまった。おまけに転んだ拍子にスラックスのお尻部分に小さな穴が空いている。運悪く転んだ場所に石が転がっていたのだ。

「いってぇなー何処見て歩いているんだ」

と言いながら前方を見ると目の前にはショートカットで黒髪でスタイルが抜群な女の人が立っていた。さらに同じ高校の制服を着ている。

 ズボンに穴は開くは、女の人に暴言を吐いてしまうわで頭を抱え立ち上がれずにいた。

「え?どういうこと??」と目の前の女の人から声が聞こえた。

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