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Devil’s patchwork ~其の妖狐が神を討ち滅ぼすまで~  作者: 國色匹
第一章 出会いと優しさと
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其の二二 俺、あやまる。

<>(^・.・^)<十分の六ですね、確か

 俺は今、『ファースト探偵事務所』の中で世話されていた。

 事務所の前で倒れてしまった俺は、そのまま事務所の中に運び込まれたのだ。

 所長である一之助さんが「今すぐ安全な場所に運び込もう」とおっしゃってくれたらしい。

 そしてトイが「.........消化に、いい、もの、が、いいか、な」と、おかゆを作った。

 シンミは、「一応濡れタオルでも額に当てとこう」と、頻繁にタオルを取り換えてくれた。

 それがおよそ二時間続いたとのこと。

 それについては本当に有難いし、何も文句はないのだが.........

 一個だけ言うことがあるとすると.........「目が覚めていない人に対してお粥を作っても意味ないんじゃ?」ということだ。

 いや、心遣いは有難いんだけども。


 ということで、今俺はお粥を頂いていた。

 食べるのは好きだし、美味しいものも好きだ。

 たとえそれがいくら素朴なものであっても。

 そう.........()()()()()()

 ぶっちゃけて言えば、これ、くそまずい。

 口に入れれば入れるほど、別の何かが出ていくような錯覚に襲われる。

 食べることそのもの、その概念が地獄と成り果てるような、そんな味。


「.........美味、し、い?」



 と聞いてくる誰かがいるから、絶対に口には出せないけれど。


「ああ、美味しい、な。ああ。でも、もう大丈夫だ」

「.........本当?」

「ああ。本当だ」


 と言ったものの、やっぱり多少罪悪感は残った。

 不味い。

 誰か来てくれ!


「あれ~、トロ、律義に食べてんね~。そんな()()()()()()()~」


 来てくれとは言ったが爆弾を投下してくれとは言ってないぞ!


「..................え、っと、くそまずい、の?」

「うっ」


 やめろ!

 こっちを見ながら不安そうな顔をするな!


「え~、うん」


 そしてお前も言うな!


「..................やっぱり、かぁ」


 不味いぞ。

 いつもより沈黙が長くなっている!


「..................ごめん、ね。弟子君。気に、して、ない、か、ら」

「そうなのか?」

「ま~、だろうね~。住み込みで働く人は~、食事は当番制にしてるんだよね~」

「そうなのか」


 まあ、俺は奏の家から通うことになりそうだがな。


「でも~、あまりに料理があんまりなもので~、トイだけは当番から外れてるんだよね~」

「えぇ」

「だから~、とっくに思い知らされてるはずだから~。言っちゃって大丈夫だよ~」


 そうなのか。

 シンミの言葉に、トイは複雑そうな顔をする。


「..................秘書くん、と、作っ、た、のに」

「そうなのか?」

「..................う、ん」

「へぇ.........」


 チラリと、キッチンの方を見やる。

 すると確かに、黄色い人影のようなものが見えた。

 きっとあの人が秘書くん、なのだろう。


「いやいや~、トイ、アナタ、彼の言うこと聞いてなかったじゃんか~」

「そうなのか?」

「..................そん、なこ、と、ない」

「どっちだ」

「いや~、だって『塩をひとつまみ入れて』って言われた時、トイ、砂糖をドバドバ入れてたじゃんか~」


 そりゃあ、あんな味になるはずだ。

 何故そんな無謀な事をしたのかは分からんが。

 トイは、少し恨めしげにシンミを見つめながら、呟いた。


「..................シンミ、こそ、弟子くん、が、倒れ、た、時、一番、あたふた、し、てた」

「んにゃ~!?!?!?」


 ふとした呟きに、シンミが奇声を上げる。

 一体なんなんだ。

 お前のせいで何言ってんのか聞こえなかったじゃないか。

 赤くなりながらシンミはふにゃふにゃと口を動かす。


「にゃ、そんなことない、にゃい」

「..................あ、る! だっ、て、弟子君、のタオ、ル、五分、に一回、は、変え、すぎ」

「にゃああああああ!?!?!?」

「一体どうしたのですか。お客人の前でそのような行いは良くありませんよ」


 割って入ってきたのは、ナイスジェントルな西園寺一之助さんだ。

 止めてくれるかと思ったけど。


「それでは、君たちは向こうの部屋へ行ってもらいましょうか。ああ、勿論トロン君はここに居てください」

「..................分かっ、た」

「お、おぉぉぉ~けぇぇぇ~......」


 ズゴゴゴゴ、という感じの効果音が鳴りそうな剣幕で、二人は奥の扉を開けた。

 そしてそのまま、部屋の中へと消えていった。


「あの、あの部屋は?」

「奥の部屋は、『トレーニングルーム』となっています。先程も説明致しましたが、完全防音かつ衝撃吸収となっていますので、トロン君も使ってくれて結構ですよ」

「ああ、あそこが」


 やたら扉が重そうだと思ったが、それなら納得だ。


「ところで、ですが」

「? なんですか?」

「ご家族の方は、大丈夫ですかな? きっと心配なさっていると思うのですが」

「あ、ああ。そうですね。それではお暇します」

「はい、ではまた。仕事のことはおいおい連絡します。.........二人にはしっかりと言っておきますので」

「御手柔らかにしてやって下さい」


 本気で殴りかねない感じの迫力のある笑顔だった。

 俺も振る舞いには気を付けよう。




 それから数分後。

 俺は薄暗い市街地のど真ん中で、とある人に捕まっていた。


「.........今までなにしてたの?」


 これまたかなりの迫力があった。

<>(^・.・^)<ご感想お待ちしております!

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