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(ヤバい!ヤバい!ヤバい!!死ぬーーーー!!)
いつも通りに術ポイントに転移し、場所の確認をしていると、突然矢が雨の様に降り注ぎ、足元は捕縛術式が多数展開している。術で逃げれば今度は騎士に追いかけられ剣を振り回された。命懸けでなんとか防壁と結界で逃げ切った。
(なんで攻撃されるのよーー!?)
再び、術ポイントを目指し、着く前に騎士や兵達を突風で吹き飛ばし電撃で動きを封じ、魔術封じの術をかけた。
終了後速攻離脱し、宿屋に転移すると動悸と緊張とで倒れるように寝台に突っ伏した。
いつも通りに術をかけるため精霊王から貰ったアイテムを出した。
印のある地図。
魔術封じをすると印が次のところを示す。
地面に線が書いてあるわけでも無しに、広大な大地に術を網羅するのは難しい。
コレで隙間なく術式をかけろ、との精霊王からの指示なわけだ。
シーガ国を皮切りに始め、やっと約半年過ぎた。
東の縁から塗り潰すように北から南へ、行ったり来たりしている。
端から塗り潰すわけだが色塗りのように簡単じゃない。
(大陸全土に術式かけるって、どんだけ時間かかるのよー!こんなに広大だとは思わなかったわよ!!)
枕に顔を埋め精霊王にゴチる。
今回、騎士や兵から攻撃を受けた。
今回は転移術で逃げ切れたが対策を練らないとマズイ。顔バレはさらにマズイ。
仮面をしていたからバレはしないだろうが、外れてもマズイ。布を巻いて覆面してから仮面を被った方がいいかもしれない。
うん。二重にガードすることにしよう。
それからというもの、術ポイントごとに騎士や兵達に待ち伏せ、一悶着してから魔術封じの術を終わらせるのが日課となった。
精霊王の加護の元、魔力切れも無くチートで逃げ切り、用事を済ませて離脱する。
転移術など普通の魔術師には簡単には出来ない。
精霊王から貰った能力で上位魔術などは軽々扱える。しかも無詠唱だから素早く逃げれるが怖いことには変わりがない。
兵や騎士に囲まれ追われるのは精神的に疲れる。
街の中で兵や騎士を見るのもドキリとして心臓に悪い。身バレはして無いと思うけど、半年くらいで街を移動することにした。
宿も街の宿屋では無く、貸家を半年で借りることにして極力人との接触を避けた。
薬草を取り薬を作り街で売ったら食料などを買って帰る。
見つからないように気がつかれないように日々を暮らす。
(あーーー!なんで若い身空でコソコソしなきゃいけないのよーーーー!)