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最後の魔術師  作者: たちばな樹
1章
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スウェート国の西はずれにあるこの街ルジッタは、戦火に遠く平穏な街だ。

街から街への移動は辻馬車か転移門になる。転移門は遠くても簡単に移動ができるが、少し料金が高いため気軽には利用出来ない。バスにのるかタクシーにするかの感覚か。



ここは海が近く魚介類が美味しいのがメチャ嬉しい。刺身は奇怪な視線を受けるので頼めないのが残念だが魚介美味いのは至福。山生まれ山育ちには海産物は魅力的だ。

午前午後と薬を売ったら夜魔術封じをして自分なりの生活リズムを整えた。




ここルジッタの街はずれに精霊王に落とされ、貰った知識やアイテムで薬屋として生計を立てることにした。



(知識チート万歳!稼げないと生きていけないし。チートに感謝!!アイテムボックス持って帰りたい!メチャ便利!!)



アイテムボックスに現地の服や色々な道具が入っていたのも助かった。


中世時代?な感じで、ブラウス、スカート、ショートジレを来て、アイテムボックスな鞄を下げて街をくぐった。


(流石に剣と弓は要らないんだけどねー。使えないから)

不要な物も入っていたが重いわけじゃないから気にしない。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



魔術封じを始めて半年過ぎた。




まだまだ大陸の1/7にも満たない進行状態に気分が凹む。長い道のりに憂鬱になりそうだ。


各国、戦争より魔術封じの方が一大事になったらしく、各国犯人捜しと対策に翻弄されているらしい。




「コンちゃん、明後日はお祭りなの知ってる?」

「へー、お祭りなんだ。なんのお祭り?」

「海の豊穣祈願よ」

「屋台いっぱい出ます?」

「コンちゃんは食い気ばっかりねえ。可愛いいんだから色恋ないの?」


宿の食堂で朝ごはんを食べていると、ふくよかな女将さんから、むふふ。という声が聞こえそうな表情で目を細めて見つめらる。


「お祭り一緒に行く、イイ人いないの?」

「…………いませんよー」


あらぁ?という顔してる女将さん。

イイ人見つかるといいわねー。と言い残してカウンターに戻ると他の接客の仕事に戻っていった。


女将さん、色恋は無理ですよ。

日本じゃ、普通の顔だ。

大き目のちょっとつり目に高くも低くもない鼻に普通の口元。

普通の普通。

この世界は西洋風な顔立ちばかりで比べようもない。身長は160cmだが周りが大きいから埋もれてる。お馴染みの東洋人の童顔の地味顔で子供扱いされているのに恋バナは無いです。



前髪を手櫛で整え、セミロングの髪を纏めるとフードを被り街に出た。

今日も薬売りの仕事しますか。






「コンちゃんウチにも寄ってな!」

「ドルドおじさんの鍋料理は絶品だからね!後で寄るねー!」


今日は街で祭りだから、いつもより賑やかだ。薬屋は休みにして祭り見学を楽しんだ。


「ウチの串焼き食べてってねー」

「いつものタレ焼きと魚貝の塩焼きちょうだいー!」

「コンちゃんいつもソレだね」

「好きなんだー」


屋台巡りに舌鼓をうち、ウインドショッピングで気分転換。

久しぶりの華やかな街の装いにテンションが上がる。



可愛い小物や服やアクセサリーを見たり通りを歩くとある露店に目が向いた。

小物やアクセサリーの他に仮面が目に付いた。祭りで使う仮面らしい。


なんと無く惹かれ買ってしまった。


白い無表情なその仮面。



食い倒れで祭りが終わり、部屋に戻れば戦利品の確認をする。


水晶のピアスとネックレス。

綺麗な硝子細工の小瓶と、白い仮面。


ピアスとネックレスをつけて、小瓶は窓辺に飾った。

白い仮面を眺め、ふと被ってみれば白く仮面だけが浮かび上がるようで気色悪い。


魔術封じの時に被ろうかと思ったが、白いと目立つことに気がつき、黒く塗ることにした。


後日、街で染料を買い仮面を黒く塗り、これ以降、それを被って術ポイントに行くことにした。





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