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最後の魔術師  作者: たちばな樹
1章
21/29

19



最初に見えたのは白い世界。


白い天蓋をぼんやりと見つめていた。




ーー夢を見ていたような気がする。




ゆっくり瞬きしていると白い光が何かに遮られ光が翳った。




「お目覚めになりましたか」




声の方に視線を動かすと、見馴れたくなかった顔が三っつ並んでいた。




「精霊王から真実を知りました。神により貴女を生き返らせてもらったのです。………今までの無礼をお詫びいたします」



白騎士が胸に手を当て慇懃に礼をすると赤騎士と黒騎士もそれに習い頭を下げていた。



呆けた頭で考えるも回らず、ぼんやりと眺めていた。




「………ここは……どう、なっ、たの?」



かすれ声で問うわたしに白騎士が近づき跪いた。



「神殿です。まずはゆっくりおやすみください」




……神殿?

わたし、あの時、剣で………。


ぼんやりとする視界が再び暗転した。







わたしが起き上がれるようになったころ、三騎士から話を聞いた。




ーーわたしが死んだあとのことを。




まるで他人事のようでぼんやりと聞いていた。



精霊王に騙されたことが胸に痛かった。

帰れると、戻れると思ってたから。

魔術封じに三年間という期間がかかった。早く帰りたかったから頑張ったのに。



あの時精霊王は、全ての魔術師が消えたらと言った。


それは、わたしが消えたらだ、という意味に到達するまで時間はかからなかった。



ーー怒りと絶望と哀しみと。



暴走する感情を抑えられなかった。

闇雲に精霊王を攻撃して、騎士達に止められた。

あの時、あのままだったら騎士達もただでは済まなかった。

途中で意味を思い出し、思考が止まって、攻撃の手も止まり、剣で突かれた……。



あの衝撃を思い出し胸の傷に手を当て瞑目した。



「……大丈夫ですか?」


白騎士に気遣わせてしまった。

大丈夫だと言っても甲斐甲斐しくされてしまい、二人の騎士にも心配気にされてしまう。

三人から見つめられ居た堪れない気分になって、居心地が悪い。

戦いの中で見慣れた三人の顔を間近で見るのは何だか違和感を感じる。

それを感じたのか白騎士がくすりと笑うと、わたしに目線を合わせるように屈んだ。




「…貴女のお名前を教えて頂けますか?私は白騎士近衛騎士団長ユークレイ・フロストと申します」


「俺は赤騎士国王騎士団長ガル・ブリックだ」


「自分は黒騎士近衛師団長シュロン・デリュージュです」



魔術封じの魔術師、仮面の魔術師と呼ばれ、名前を呼び合う仲ではなかったことを思い出した。





「わたしは……紺野沙絢、あ……、サアヤ・コンノです」







やっと主要人物同士の自己紹介。遅。

あら、青がいないわーーf^_^;

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