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最後の魔術師  作者: たちばな樹
1章
17/29

15

なんちゃって三人称。苦手だわ(^^;



魔術師最後の日より大陸の魔術師はほぼ消えた。


仮面の魔術師を阻むものは無くなり、魔術封じの阻止は難しくなった。

転移して逃げる仮面の魔術師の素性は要として知れず、追尾もかけれない現状に各国歯噛みをしていた。


魔術を失った魔術師達の絶望は計り知れなかった。





そして、各国手に合わないまま、三年という月日が流れた。







ーーそして最後の地。



残り、西の端一箇所だけとなった。



海を望む大平原。



そこに並ぶ騎士達。



赤騎士国王騎士団長ガル・ブリック。

白騎士近衛騎士団長ユークレイ・フロスト。

黒騎士近衛師団長シュロン・デリュージュ。



三年と言う時間の中で一度も仮面の魔術師を止められなかった騎士達の最後の足掻き。



「不利を承知でよく集まったもんだなぁ」

「それは貴方もでしょう?」


ガルは二人を見て呆れたような口調だが、それは自分もだろうと、ユークレイも呆れて返している。



「もう意味もないから各国は諦めたが、騎士の矜持にかけて一矢報いたいからな」


ユークレイはまだ来ぬ敵を睨むかのように双眸を鋭く細めた。

抵抗虚しく魔術師は魔術封じの前に苦しくも敗れ全滅となった。その無念を晴らすが如く向かう三人に勝機は薄い。だが分かったうえで向かうのだ。

大平原に佇む騎士三人。

遠景に霞む眼下に広がる海原。海風が大平原を撫で三人の外套をはためかせた。



「仮面の魔術師は何を考えているのだろうな」

シュロンは思索ふけるように瞑目していた。ガルは、そんなことより闘うのが一番とばかりに長剣クレイモアを手持ち無沙汰に振っていた。



積年の想い、万感の思いを胸に秘め各々仮面の魔術師を待った。







仮面の魔術師は日が傾く頃に姿を現した。



皆が無言で剣を抜き身構えた。





(諦めたかと思ったら、最後の悪足掻きかー。最終地だからやっぱりいたか………)


わたしは立ちはだかる三人を見つめ溜め息が出た。

簡単に終わらせてサッサと精霊王に元の時間、元の場所に帰らせてもらう。三年間は長かった。


成人式過ぎたし!大学せっかく受かったのにまだ半年しか行ってないし!バイト代貯めて友達と旅行行く予定だしねー!元に戻って謳歌してやるーー!!


さて、メンドくさいですが、いきますか!!!

毎度お馴染みの旋風ーー!!!



「「「 !!! 」」」




片手を上げ突風で騎士達を薙ぎ払った。



「ぐっ……!」

「イッテーー!」

「…………っ!」


飛ばされもんどりを打ち身を転がしながらも態勢を戻す騎士達。



「無詠唱はズリいなぁ」

「魔剣発動させないと難しいですね」

「魔力の出し惜しみは無しだ」



吹き飛ばされても楽しげなガルの隣でユークレイは剣についている魔石を撫で発動させた。

シュロンも魔石に魔力を流し剣を構え臨戦態勢をとる。



皆、元魔剣士。精霊を封じられ力の差は歴然だが剣の魔石と魔力を繰り出し果敢に挑む。



(諦めてはくれないかーー。騎士の意地もメンドくさいわー)



攻め込む三人の間合いに土柱を出現させ流れを乱し足場を崩しスピードを落とさせる。



(怪我はさせたく無いからねぇ。突風くらいしか出せないわね)


術を繰り出し再び騎士達を吹き飛ばした。

騎士達が身体をしたたかに打ちつけ動きを止めていた隙に、最後の魔術封じを発動させた。




ーー大陸は仮面の魔術師の魔術封じに制覇された。





それでも騎士達三人の闘志は尽きることはなく、立ちはだかる。



「………お前の目的はなんだ」


シュロンは再度仮面の魔術師に問う。

騎士達は再度剣を向け闘志を燃やした。




ーーふわり。


騎士達と仮面の魔術師が対峙し、身動きも取れない緊迫感の中で光が走り風が揺らめいた。



皆が目を向けると空中に光る魔術陣が浮かび、その上で半透明の人物が漂っていた。




「………精霊王」



低く唸るような、くぐもり声が聞こえた。


仮面の魔術師の声を初めて聞いた。




三騎士が驚き、仮面の魔術師に視線を向けたが、ユークレイは精霊王と言われた存在に慌てて膝をついた。他の騎士達もそれに習い膝をついて敬意を表した。



仮面の魔術師は不遜にも精霊王に近づいた。




「約束を」




精霊王を仮面の魔術師は見上げ、精霊王は優雅に佇んでいた。





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