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いつも通り。
いつもと同じく。
気分は進まないが、魔術封じに向かう。
迎え撃つのは、いつもと違った。
松明が焚かれ、辺りは煌々とする中、黒い騎士達が大連を組み整然としている。
(凄い壮観!メチャ怖い!)
黒い集団を目の前に逃げたい気分のところに一人の騎士が近づいてきた。
警戒しながら様子を伺っていると距離を置いて騎士は止まった。
「汝に問いたい。何故魔術封じをする!?」
低くも通る、低音な澄んだ声は怒気も敵意も感じられない。
双眸は鋭いが佇む姿は威風堂々だ。
長い藍色の髪が風で揺れ、整った顔立ちがよく分かる。
装飾を施された黒い鎧は他とは違い、外套も縁飾りが付いている。
お偉いさんかと身構え、答えるか逡巡する。
話して理解されるか?
神の声を聴く神官が伏せている以上、話したところで無駄だと思う。上が神託を聞く気が無い以上、変わらない。
逆に声で女だとバレるリスクの方が高い気がする。身バレは絶対避けたい。
わたしは覚悟を決めた。
この黒い騎士は今までの騎士達とは違う。
いきなり攻撃して来なかった。
礼に対し礼に答えるのが騎士道か?なんて思って姿勢を正し、深くお辞儀をする。
そして水魔術を発動させた。
「…………交渉決裂か」
黒い騎士は手を上げ部下に指示を出すと火炎弾が撃ちこまれた。結界と突風で防ぎ、水弾を放つも、風圧に耐え水弾を切り落としながら黒い騎士は向かってくる。背後では他の騎士達が隊列を組みわたしの周りを囲もうとしていた。
わたしは近づかれる前に土魔術で周りの足場を崩した。
騎士達の隊列が崩れたと同時に、自分の周りに高い土壁を築き、即座に魔術封じを発動させた。
魔術封じの術中は結界が張れない。
それを気が付かれないように土壁で誤魔化した。
もちろん、終われば速攻帰ります!!




