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プロローグ・1
魔術の推移を集めた術式が空を駆け抜け曇天の空を紅に染める。
ーー爆音と爆炎。
大勢の死体と血溜まり、千切れた四肢に臓腑が撒き散らされ阿鼻叫喚、終焉地の様相となる。
広大な大地が血に濡れ、荒れた荒野となり不毛な大地となった。
魔術による大戦争は何年にも及び、どの国も引く事が出来ずただ兵の血を流すだけで戦果は無い。
拮抗した国々の戦さにより世界そのものが疲弊していった。
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戦地より離れた砂埃の中を歩く人影。
目深に黒いフードを被り、口元も黒いマスクで覆い表情は伺えない。
目的地に着き、おもむろに手を挙げると足元が光り出す。
光る丸い円状の中で複雑に絡み合う術印が組み込まれた術式をいとも簡単に発動させ、短い時間で術を終わらせ目的を達成させる。
再び人影は次の目的地を目指した。