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4話◆萌と鎖◆

この光景をどう解釈したらいいのか……

ここは都内某所メイド喫茶『萌えるんだ』。最近できたばかりの人気店だ。お店の前には男が食い入るように凝視している…ピンクの外観、周りにお花、看板はハートの形をしている。男は入りたいけど勇気が持てない様子で体をクネクネさせている。この程度ならよくある話しだ、問題なのは男の服装である…

男は全身白塗り、顔中にピアス、トゲトゲスーツで身を隠す……そうヘビメタ喫茶のマスターである。周りは獣臭さえだだよっている…


話を30分前に戻そう


時刻は9時を回ったヘビメタ喫茶のカウンターにはひとりの男性が座っている

「キングお久しぶりですね……」

「おう、マスター!テレビみたぜ!アヤ子パンかっわいいなぁ!」

キングと呼ばれる男性はこの店の常連だ。すでにヘビメタ許可証を持ちカウンターで食事できる身分である。2人は前のテレビ取材の話で盛り上がった。食事を終えた後キングは呟いた。

「店前にメイド喫茶できたなぁ…この前いったんだが良かったぜぇ!今度マスターも行ってみたら?」そう言うとマスターはキングが言うなら……と言い走り去った!店はアンナとママに任せてある…


……と言うわけで今メイド喫茶『萌えるんだ』の前にいるわけだ。

マスターは勇気をだして扉を開いた。店内には3人の客がいる。案の定オタクだ。1人のメイドが化け物に気ずいた。


固まっている……


そりゃそうだ。扉の向こうには全身白塗りの化け物がメイドを凝視してるのだから……すると化け物はメイドの前まで歩いてきた。蛇に睨まれた蛙状態である…

「キシアェウ!!!!!客がきたら『お帰りなさいませご主人』って言うんじゃねーんか?」

化け物の唾液がメイドの顔に降り注ぐ。たぶんこのメイドは女子高生だろう名札には『萌子』…と書いてある

「お、お、お帰りなさいませご主人様…え〜と…こちらへどうぞ」

化け物がドンっと椅子に座る、客は恐怖で逃げ出した、お金も払わず…

他のメイドたちも恐怖で裏で震えている。

「萌え萌えハンバーグ」化け物は破棄捨てるようにいった。萌子は注文を確認し逃げるように戻ってきた。


「何あの人!!怖〜い!頭おかしいんじゃないの?警察警察〜」他のメイド達が騒いでいる。萌子は不安そうな顔をしている…

「萌子!あの化け物の接客はあんたに任せたよ!あんたトロいんだから、こういう時しか役に立たないからね!文句ある?萌子はありません…と答えた。萌子はいじめられている…嫌な仕事はすぐに任せられる…1人をはばにする…女性社会の厳しい掟だ。


「萌え萌えハンバーグだ萌え〜」萌子は化け物の前にハート形のハンバーグを置いた。化け物は萌子を舐めいる様に凝視している、萌子は恐怖で動けない…

「キシャアアアア!!!!!」化け物は突然、奇声を上げハンバーグを切り刻む!萌子は化け物の殺意を感じ取ったのか一心不乱に逃げようとした……


ガッ!


ビターン!


萌子は化け物の服から垂れ下がった鎖につまずき転倒した。化け物は急に立ち上がり萌子に近ずいてくる……

「いやぁ……こないで………いやぁ…」

萌子は涙を浮かべ訴える……化け物は萌子の前でしゃがみこんだ。


「ヒィ!」


萌子は悲鳴を上げる…ところが化け物は思いも寄らないことを口にした…

「良かったケガがなくて…本当に良かった…」


「え!」

萌子の顔が見る見る赤くなっていく心臓の鼓動が聞こえそうだ。萌子は軽くおじぎをし戻っていった。


「萌子あんた!本当にトロいねぇ!………ってちょっと聞いてんの〜?」萌子は他のメイドの声など聞こえていない。頭がボーとする。

「意外と優しい所あるんだぁ〜…」うれしそうに萌子が呟いた。その時店内に奇声が響き渡った…………


「キシャアアアア!!!キシャアアアア!!!」メイド達は恐怖におののいている、涙を流す者もいれば、悲鳴をあげるもの者もいる。1人だけ嬉しそうにしている者がいる…萌子である。

「あっ彼が呼んでるわ♪行きゃなきゃ〜」

萌子はスキップで化け物の元へとやって来た。

「どうなされましたぁ♪」

「……この『萌え萌えジャンケン』をやりたいんだが…」

白塗りの化け物は少し恥ずかしそうに言った。萌子は満面の笑みを浮かべる。

「じゃあいきますよぉ♪………



萌え萌えじゃーんけん、じゃーんけん」

「キシャアアアア!!!!!」

化け物の突然の奇声で萌子は軽くキャッと言い、からだをクネクネさせている。

「お客さんそこは『萌えぇぇ』って言うんだよ。『キシャアアアア!』じゃないよぉ」化け物はゴメンと言い体をクネクネさせている…

「お客さんが『チョキ』で私が『パー』お客さんの勝ち〜!勝ったごほうびは私とプリクラで〜す♪♪♪」

萌子は化け物の手を引っ張りプリクラの中へと入る。萌子はVサインをしているが横を見ると化け物が指で悪魔の角を作っていた。萌子もそれに習って指で悪魔の角を作った。最後に仲良く奇声を発した。



………


時刻は午前2時、仕事を終えたメイド達は仕事のグチを言い合っている。萌子は後片付けをしている……いやさせられている。1人、1人とメイド達は帰っていった。


午前3時、ようやく後片付けを終えた頃には萌子ひとりになっていた。

化け物が帰るとき萌子は手を握り

「また来てくださいネ」っと言った。

外は満開の星空が萌子を照らしている、その時西の空から星が流れた。


「また彼に会えますように!!!」

萌子はそう呟くとスキップして家に帰っていった


これは後日談だが、萌子は彼のことが忘れられずヘビメタ喫茶のウェイトレスになるのだが……………それは別のお話。


『完』

この作品はドジですこしバカだけど一生懸命仕事する女の子キャラが欲しかったので作りました。マスターとの恋は作品を作っていて思いつきました。

この作品は自分自身楽しめて書くことが出来ました。どうだったでしょうか?

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