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3話◆テレビに出る後編

プロデューサーがカンペを指さし、手を振っている。

『数字↑↑もう一品注文、過激なのいこう!』

あや子にとってはたまったものじゃない、また訳の分からない物を食べさせられるのか……心の中ではもう帰りたかったが彼女には女子アナ界の帝王というプライドがある、逃げ出すわけには行かなかった…


「おいしかったぁ♪あや子あまりの美味しさにもう一品食べたくなっちゃったぁ♪♪」

あや子は一通りメニューを見る。うん!これが過激そうね!……そう心の中で呟くとあや子は意を決した。

「マスタ〜♪この『ドッケンとロールキャベツの内蔵爆破』ください♪」そう言うと化け物は軽く頭を下げ厨房に消えていった。10分程たつと化け物は料理を持ってきたあや子の前に出す。どこからみても普通のロールキャベツである。


「開きます…」化け物はキャベツをナイフで切り開いた。

「ヒッ!」あや子が一瞬悲鳴をあげてしまった…そこには肉とこんにゃくで作られた内蔵まがいの物が顔を見せている、あまりのおぞましさに嘔吐するADまでいる。だがさすがは高島あや子だすぐに笑顔になる。


「すっっご〜い!よく作りましたね♪マスターは手が器用なんだぁ♪」

すると化け物は仕上げでございます…と言い内臓に爆竹をおしこんだ。あや子の顔が一瞬凍りついた。

次の瞬間……




ボンッ!!!


ビシャアアアア!!!

爆竹によって吹き飛んだ肉片があや子の顔に降り注ぐ服にまで肉片は張り付いている。

人気女子アナの顔は化け物の唾液、チキンライス、こんにゃく、肉片で汚れさらに飛び散ったケチャップで見るも無惨な姿を晒している。綺麗なロールキャベツが今は小動物の死骸にしか見えない……だがそこは高島あや子である。何事も無かったように食事をしている


「おいしい♪始めて形のないロールキャベツたべましたぁ!さっきの爆破はソースを絡めるためにもあるんですねぇ♪」化け物も満足そうな顔を浮かべている。


そろそろ番組も終盤に近ずいてきたあや子はスプーンを置きお店の紹介をしているプロデューサーは時計に目をやっている………お店の紹介をし終えるとあや子は時計に目をやった。番組もクライマックスである。


「今日も残念なことにお別れの時間がやってきました……。ヘビメタ喫茶皆さん一度来てねぇ♪バイバーイ♪」


「………」


「………」


「………ハーイOK!」遂に収録も終わった現場は一気に安堵の表情を浮かべる。顔を汚物で汚したあや子もほっとした様子だ。気を許した瞬間顔に痛みが走った。なんと先程の化け物が塩を投げているではないか!!


「キシャアアアア!!

キシャアアアア!!」

白目をむき一心不乱に投げつけている。あや子は黙って耐える。目には涙を浮かべて……

投げ終えると化け物は魔除けですと一言いった…………

あや子はポタポタと涙をこぼした。そして1人無言でロケバスに乗り込んだ。後ろからオロオロとプロデューサーが追いかける。


ロケバスの中で1人足を抱え泣いているあや子がいる。プロデューサーがそっと彼女に近ずく…


「あやちゃんごめん…僕もあそこまでイカれた喫茶店とは思わなかったから……何がヘビメタだよ

「………」

あや子は黙って聞いている。

「これで涙を拭いて。せっかくのお顔が台無しだよ。」

あや子は顔に付いた汚物をぬぐった。そしてプロデューサーを睨みつけた

「プロデューサー、何か勘違いしてませんかこの涙は私自身の涙です。今日の私は女子アナ失格でした。なぜならロールキャベツを爆破した時、軽い悲鳴を上げてしまった、正直平常心でいられなかった……

女子アナ足るものいつでも平常心でいなければいけない!だからこの涙は自分自身の情けなさからきたものです…」

そう言うとかるくため息をつき窓を眺めた。あや子はそっと呟いた


「私もまだまだね。」………と


『完』

女子アナの職業は一見華やかに見えますが。実際はつらくストレスもたまる職業だと思います。

この物語は極端ですが、これに似た仕事もあるでしょう。

高島アナは個人にお気に入りなのでまた再登場させたいと思います。

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