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9話◆老いる前編◆

虐待シーンがありあす。苦手な方、注意が必要です。

「アンナあの人変じゃない?」


アンナと佳奈は学校帰り不思議な光景を目にする、ヘビメタ喫茶前にはひとりのおじいさんが立っている。年は80をゆうに越えているだろう……おじいさんは上半身裸で落ち着きがない、辺りをキョロキョロ見渡している…時々しゃがみ込んで何かを探している様子だ……

「何か探しているのかな?」

おじいさんがこちらに気ずいた、アンナをジッと見ている……


「おじいさんどうかされました?」


アンナと佳奈はおじいさんの元に歩み寄った。すると…………


「アキ子ォォォォォォォォォォ!!!!!!!」


「キャアアアアアア!」


いきなりおじいさんはアンナの手を握り涙を流している、アンナは恐怖で震えている……


「アキ子会いたかったよ…アキ子…」


「ひ、人違いじゃないですか…わ、私はアンナ」


!!!


「キャアアアアアア!」


おじいさんはアンナを抱きしめた。アンナは涙を流してガタガタ震える。佳奈はオロオロと、どうしたらいいかわからない様子だ…

そこへ騒ぎを聞きつけたアンナのママがヘビメタ喫茶から出てきた。勿論全身白塗りだ。


「あんた何してんのォォォォォォォォォォ??」


ママに気ずいたおじいさんは今度はママの元に近ずいた、ママの手をとる


「ア、ア、ア、アキ子?どうしてこんな醜い姿になって…」


「はぁ?」


「お父さんは悲しいぞ、さぁ、家に戻ろう………お父さんは先に戻ってるぞ」


「はぁ?」


おじいさんはそういうとヘビメタ喫茶の中へ歩を進める。アンナと佳奈は2人で抱き合って恐怖で動けない……

ママは渋い顔で立っている……

するとヘビメタ喫茶から人の声とは思えないような断末魔の悲鳴が聞こえた。客は我先にと逃げるように帰っているのが目に入る…

ママはヘビメタ喫茶に急いで戻った。


「!!!!!!!!!」



そこで見た光景は信じられない物だった……

何とおじいさんはズボンを下げテーブルの上でうずくまっている、顔はどこか殺気立って眉間にしわを寄せる……時々、悲鳴に似た吐息を漏らす…


う・●・こ・だ!!!


「おじいさん!そこはトイレじゃないィィィ!!キシャアアァアアー!」


おじいさんは目を丸くしてママの顔を見た。


「ん?そうかぁ…」


ママはおじいさんをトイレまで誘導した。アンナ達は化け物を見るような目でおじいさんを見ている。


「ママァァァ!!あの人怖いよォ!!」


「………」


「アンナ、あの人は恐らく認知症よ。それも見当識障害も見られる重度の認知症ね…」

(認知症…なんらかの原因によって脳が萎縮する病気、見当識障害…今、ここがどこなのか判断出来なくなる障害、ママは介護福祉士の資格持ってるから詳しいんです♪)


5分程たち、おじいさんがトイレから戻ってきた…全裸である。パンツさえ履いてはいない。その光景を見てアンナはさらに悲鳴を上げた。顔を手で覆っている。


「エッチィィィ!!!」


アンナにとって男の陰茎は初めて見る代物である、時々、好奇心からか手の隙間から男の陰茎を凝視している。


「警察に保護してもらうしかないようね…」

…ママがそっと呟いた



10分後


「あのねぇおじいさん!お巡りさんも忙しいんだよ!昨日といい今日といいまったく……」


おじいさんの名前は『田代健二』と言うらしい。ここ最近しょっちゅう警察に保護されていることがわかった。警察の人も困り果てているようだ。


「すいません…」


「すいませんですんだら警察はいらないよ!」


アンナは警官のおまえが言うなと心の中で突っ込みを入れた…

その時、扉が開いた


ガチャ!


「すいません田代の娘です!」

「あ〜アキ子さん、もう勘弁して下さいよ!警察も忙しいんですよ!」


「本当にすいません……さっおじいちゃん帰るわよ…」


その時ママにはおじいさんの顔がどこか恐怖にひきつったように見えた。明らかに顔が曇っている………

「ア、ア、アキ子を呼んでくれ……」

おじいさんは怯えた声で呟いている、あきらかに声が震えている…


「何いってるの?私がアキ子よ、あなたの娘、田代アキ子よ…」


「あ…あ…あう…」


アキ子はなかば強引におじいさんをつれて帰った、警官も舌打ちをして帰る…………

ママは少し納得できない顔で見ていた。


「おかしいわね…」



その夜、田代家

……………………………異様な光景である……………………………………おじいさんは恐怖で顔が歪み、目には涙を浮かべている。四肢はロープで結ばれベッドに固定されている。これでは身動きはとれそうにない…

さらに全裸にされ口には汚れた布が何重にも巻かれている、これでは悲鳴さえも出せないだろう………………

前には1人の中年女性が立っている、右手には鞭が見える……

この異様な光景をどこか楽しそうな笑顔で見ている。まるで悪魔のようである。そうこの女性はアキ子である。おじいさんの実の娘アキ子である。

「さぁ、おじいちゃんよくも恥を欠かせてくれたわね、お仕置きの時間よ……」

アキ子はどこか嬉しそうに鞭を構えている、おじいさんは怯え顔を横に振る………鞭が宙を舞った


ビシィ!


「フゴ……ウグ…」


おじいさんは体をくねらせる。打たれた場所は無惨に皮が剥がれ赤く腫れ上がる………


ビシィ!ビシィ!バシィ!ビシビシビシビシビシビシーーーーー!!!!


アキ子の顔に鮮血が飛び散った、おじいさんは悲鳴を上げることも許されず、体をくねらせる。腹、太ももは皮が剥がれ中の肉が顔を見せる。


ビシビシビシィ!


「…あら?」


おじいさんは口から真っ赤の泡を吹き、体をピクピクさせている。激痛に耐えられず失神したのだ………………


「まだお仕置きは始まったばかりよ?すぐに起こしてあげるわ…」


アキ子はそう言うと裁縫道具の中から針を持ち出した。アキ子がおじいさんに近ずき足の指………爪と肉の間に針をズブズブ入れている…


「フギャ!……アウアウウ…」


おじいさんは痛みで覚醒し顔を激しく振る、目には真っ赤な涙が流れ落ち必死に激痛に耐えている。

アキ子は全く気にせず針を押し込んでいる…


10指、全て針が入れられた…………


アキ子は笑みを浮かべおじいさんを見下ろしている…

おじいさんは脂汗をながし、体中の皮膚はめくれ血だらけだ…

体が恐怖で震えている。


「おじいちゃん、これにこりたら私に恥を欠かせない事ね…」


アキ子はおじいさんを残し奥の部屋に消えていった。



翌日


いつものようにアンナは佳奈と一緒に家に帰る。

アンナと佳奈の足が止まる…


ヘビメタ喫茶の前では昨日と同じ光景が目に映っている…


「おじいちゃん…」


アンナが呟いた…


後編に続く

虐待シーンを読んで気分を悪くされた方…申し訳ありません。

正直、虐待シーンは迷いました…曖昧に書こうとも思いました…

でもこれは実際に起こった事例を元に書いているのでこうしました。


団塊の世代が定年退職し今後、認知症の人数も増えるでしょう高齢者虐待は今以上に深刻な問題になります。


今現在、高齢者虐待が起こると『虐待』にばかり問題がいきます。

でも根本的な事を忘れていませんか?


『介護』とは何なのか?『介護』の辛さをもっとわかってほしい。


評価、感想いただけたら光栄です。

介護の意見もありましたらお寄せください。

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