002.03
一度プロットを組み直そうかな・・・そもそもプロット書いてたんだっけ?
***
翌日。最低でも損害分を稼ぐ必要が出てきた上に売る品物の材料が足りないので、武具の修理に入ったシエルを除くユーリアと洋一の二人は街の郊外にある森林地帯の入口付近に来ていた。洋一は数が増えてきているモンスターの討伐依頼、ユーリアはポーション等の材料となる薬草を採取するためであった。
「・・・せいっ!」
『ピギィッ!?』
勿論ここもモンスターが出現する危険地帯であるのだが、学園周りの森とは比べて『ホーンラビット(魔物化して角が付いた、やや大きめの兎。その突進攻撃は鉄を貫く)』等の弱い魔物が出るので比較的対処がしやすい。ただ、『ハンターべア(魔物化した熊。普通の熊よりはるかに強く、鋼鉄ぐらいなら普通に切り裂く)』等の強敵も居るので油断は出来ない。
「薬草採取終了! そのホーンラビットを解体し終えたら次のポイントに向かうよ!」
「わかった!」
なので、ユーリアが採取をして洋一が周囲を警戒するといった連携をしつつ、材料の採取をしていた。が、
「うー、やっぱり無くなってる。」
「まあここは難易度低いからな、仕方ない。」
いくら季節を問わず生える強靭な生命力を備える薬草でも、根ごと採られてしまえば生えては来れない為、冒険者としてのマナーの1つに『自生するタイプの採取物はある程度を残しておく』というものがあるはずなのだが、何故か薬草が根こそぎ採られてしまっているので思ったより採取出来ていなかった。
「で、どうするユーリア? 深く潜ってみるか?」
「・・・うん、これだと予定より量が少なくなっちゃうし、奥に行ったほうが良いかもしれない。でも武器が心許ないし・・・。」
「じゃあ一旦戻るか? もしかすると、もう修理が終わってるかもしれないしな。」
洋一の意見に頷いたユーリアは採取に使っていたナイフを拭き鞘に仕舞った。と、同時に二人に話しかけた6人PTが一組。ユーリア達より年下であろうそのPTのリーダーらしき少年は、彼女達に一つの相談と言うよりお願いをしてきた。
「あの・・・僕達は今、冒険者になろうと思ってF−ランク昇格試験に挑戦してて、あとは薬草だけなんですけれどどこを探しても薬草が見つからなくって・・・。 あの、お礼もするのでどこかにまだ薬草が残っている場所があったら教えて下さい!」
・・・どうやら、彼らは冒険者志望の一般人のようだ。
***
____冒険者になるには、この街の魔法学院の小等部を卒業するか、各街のギルドで講習を受け、その上で出される『昇格試験』に合格する必要がある。
試験はギルドによって違い、場所によっては採取ではなく弱い魔物の討伐依頼や先輩冒険者との模擬試合など様々である。そしてこの街で出される試験は2つ。
・『森周辺で取ることのできる各種アイテムの納品』
・『Cランク以上の冒険者との模擬試合』
そして前者の試験をクリアするには以下3つのアイテムが必要となる。
・『薬草(下位で一般的な回復薬の素材。ノーマルポーションの材料となる)』
・『活力草(滋養効果のある薬草の亜種。このままでは効果が低い)』
・『微毒草(薬草の亜種。微毒などの効果の低い状態異常に効果のあるポーションの材料だが、このまま食べると逆に毒を受ける)』
その内活力草と微毒草の2つは無事採取出来たらしいが、ユーリアが先ほど言ったように『何故か薬草が根こそぎ採られてしまっている』為、薬草が見つからないといった事態に陥っていた。
そんな時に出会ったのがユーリアと洋一の二人。もしかするとまだ薬草が残っている場所を教えてくれるかもしれないと思った彼らは正直に頼むことにした。ということである。
「(・・・どうしよう)」
対してユーリアと洋一は彼らの頼みに対して困惑していた。(シエルも含めて)彼らは困っている人には手を差し伸べる性質を持っているのだが、ついさっき取ってきた薬草のある地点は入口といえども森の中にあった。
魔物が湧かないというのならともかく、弱いといえども魔物は魔物。彼らのような冒険者でない人達にとっては脅威でしか無い為、一般人は森の中に入ることを街の規則で禁止されている。なので、基本的に一般人が森に行く場合は冒険者ギルドへの『依頼』として提出し、護衛してくれる冒険者を募集する必要があった。
勿論その報酬は、低難易度であろうと死と隣合わせになるダンジョンへ行くのである分高額になるので、少年達の服装(リーダーである少年の防具がボロボロのくたびれた革鎧であり、武器が歯こぼれした青銅の剣という組み合わせ)からしてそんな報酬が出せないのは容易に想像できる。そして、受けたとしても【ユーリア達にメリットが存在しない】。
ぶっちゃけると『逆に損する』類のものである為、一般冒険者はもとより、彼らより少々正義感の強いユーリア達からしても
_人人 人人人人_
> お断りします <
 ̄Y^Y^Y^YY^Y^Y ̄
ハ,,ハ
( ゜ω゜ )
/ \
((⊂ ) ノ\つ))
(_⌒ヽ
ヽ ヘ }
ε≡Ξ ノノ `J
と言わざるを得ないものであった。
魔物は一般人にとって脅威ですが、縄張りとなっているエリアから外へは一部例外を除き出てくることはありません。ですが森の外でも魔物は出ます。・・・まあ、一部を除き森のよりははるかに弱いのですが。