七年前の約束
1,七年前の約束
「一緒な遊ぶのも今日で最後だね」
桜の花びらが舞落ちる夕暮れを背に彼女は僕に微笑んだ。
明日、彼女は居なくなる。十年間過ごして来たこの島を出るのだ。
僕は彼女が大好きだ。母ちゃんや姉ちゃん兄ちゃん達、飼い猫のトンとろよりも彼女の事が大好きだ。
彼女とこの島でずっと一緒に過ごしたい。
中学に行き、たわいもない時間を彼女と過ごしたい。
一緒の高校に行き、たわいもない時間を彼女と笑って過ごしたい。
でも、それは出来ない。明日の昼で彼女は僕の前から居なくなる。
「何年後かわからないけど·····いつか·····いつか必ず帰って来るから·····約束だよ」
「うん·····約束·····」
僕はまだ彼女に『好き』と伝えていない。明日までにこの気持ちを伝えなくちゃならない。
「明日、伝えたいことがある!」
いきなり僕が叫んだ事にびっくりしていたが、彼女は頬を染めながら僕に微笑み返した。
「じゃあ明日、ここで伝えてね·····約束だよ」
「うん、約束!」
僕たちは指切りを交わし、その場を離れた。
しかし次の日僕は高熱を出してしまい、彼女の見送りにすら行けないまま別れてしまい、約束は果たされる事はなかった。
そして、七年後。僕は記憶に彼女の存在は消えていた。
初めまして。
初めての作品です。
ヘタクソなりに頑張ります。