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ナリア王国物語  作者: ぷろふぃあ
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エピソード第二幕5 ~アクアリンクの秘密兵器!? 戦慄のアクア・ブルー編

   エピソード第二幕5

    ~アクアリンクの秘密兵器!? 戦慄のアクア・ブルー編



「コーヒー入れてきたわよ」

 アクアリンクの社屋内、テーブルの椅子に着き、くつろいでいたジンとヴァル、それにリオ。右手に2つ、左手に1つ、湯気を立てる木製のマグカップを持ち、台所から戻ってきたリオが、そう言ってそれぞれの前のテーブルにそれを置く。

「すまないな、リオ」

「ありがと~リオさん♪」

 お礼を言い、マグカップを手に取り、コーヒーをすするジンとヴァル。席に着いたリオも同じくコーヒーをすする。

 なんだか平和で何もない昼下がりのひと時…そんなマッタリした時間を楽しんでいた3人。

「ねえジンジン? あのさ…前々から聞こうと思ってたんだけど…なんか聞きづらくってさ…」

「ん? どうした? リオ」

「うん…このギルドってさ、私とジンジンとヴァルちゃん、それとプロフィアって子だっけ? それしかギルメンいないわけ? 私、ここに来て一ヶ月近く経つけど誰も会ったことないんだけど…」

「うむ…痛いとこをついてきたな…実は…その通りだっ!」

「ちょ…そんな自信満々に言われても…」

「見ての通り、マッタリしたギルドだからな。一度もギルメン募集などしたこともない。ふらっと現れて加入しては、ふらっと去っていくという感じで、一時期は30人ほどいたこともあったが、今では時々顔を出す者もいるが、主要メンバーはご覧の通りだ」

「あれ? ジンさん、一人忘れてるよ?」

「おおっ! 最近、全然顔を出さないから、すっかり忘れていたな」

「え? ナニナニ? それって凄い人?」

 興味津々、そう尋ねるリオ。

「ああ、そうだな…。ウチのギルドの仕事で、もっとも難解な仕事を一人でこなしてもらっているもんで、なかなか顔を出せないんだが、裏の世界では戦慄のアクア・ブルーなんて通り名で呼ばれていて、あいつが通った道は、草一本残らず全てが凍りつくという氷系最強の魔術師だ。まあ、最強ってのは自称なんだが…」

「へぇ~…そんな凄い人がいるんだねぇ~…ジンジンといい、ヴァルちゃんといい、プロフィアって子といい、なんか、このギルドって何気に凄いんじゃない? で、その人ってどんな人? やっぱり怖い奴なわけ?」

「うむむ…ヤツは俺の、まあ…親友なのかな。どんなヤツかと言われると…色男のオシャレさんだ」

「はぁ? 何それ? 戦慄の…なんて言うから、てっきり怖い人なのかと…」

 その時、突然入り口のドアが開き、一人の男が現れる。

「ようっ! 久しぶりだな!!」

 ドア枠にキザったらしく寄り掛かりそう言ったスラッとした細身でワイシャツに黒いベストとネクタイ、それにズボンに革靴。腕や首、手を飾る金色の貴金属。ハンター…というよりBARにでもいそうな、そんな男。

「おう。久しぶりだなロイド。ヴァルのお株を奪うような登場じゃないか」

「ロイドさん、おひさ♪」

「よう、ヴァル。元気してたか?」

 ヴァルへ親指を立てて見せる男。

「リオ。こいつが、今話してたヤツで、ロイドだ」

 なんだかドン引きのリオ…。

「ジン! 毎度やっかいな仕事押し付けやがって! 今回も大変だったぜ。いくら報酬がいいからってよ、あのお嬢さん、なんとか結婚は諦めてくれたが、俺に惚れちまって別れてくるのが大変で………なっ!? ちょ、ジン!! お前、ちょっとコッチこいっ!!」

 ジンの腕を引き、部屋の隅のほうへ連れていくロイド。

「おいジン! あの美しい女性は誰だ?」

「ん? ああ、新しくウチのギルドに入ったリオだが? あの子も元アイゼンシュルツェで相当な使い手だぞ」

「ほほう。おいおい、あの方といい、ヴァルといい、プロといい、このギルドは、いつからハーレムになったんだ? で、もう手を出しちまったんじゃないだろうな?」

「おい! 人聞きの悪いことを言うな!!」

「なんだよ、数は俺のほうが多いが、勝率はお前のほうが上だろう?」

「ちょ、待て! 俺のイメージが悪くなるだろう!」

「じゃあ、まだ手は出してないんだな? 俺…惚れた…」

「お前は…女を見ると見境なしだな。ヴァルのこと狙ってたんじゃなかったのか?」

「あんなガキは、どうでもいいんだよ! あの美しい女性の前では霞んで見えるぜ」

「もうっ! 誰がガキだって?」

「あの…全部聞こえてるんだけど?」

 立ち上がってテーブルにバンっと両手を叩きつけ真っ赤な顔でそう言ったヴァルと、なんだか呆れ顔で同じく立ち上がってそう言ったリオ。

「ジンジンって、そういう人だったんだ。意外だなぁ~…」

「ちょ、ま、まて! こいつの言ったことなど鵜呑みにするな!!」

「ヴァルちゃん、こんなケモノが二人いるとこにいたら危険だから、二人でお買い物でも行こっか?」

「そうだね~リオさん。いこいこ♪」

「待て! リオ! 誤解だ!!」

「ジン、今更言い訳なんて見苦しいぜ?」

「元はと言えば、お前がだなっ!! ちょ! 待て!!」

「はいはい、じゃあ夕方には帰ってくるね~」

「じゃあね~ジンさん。それと馬鹿ロイド! 死んじゃえ♪」




 社屋を出て、歩き出したリオとヴァル。

「ねえヴァルちゃん? あのロイドって人…ホントのとこ、どうなの?」

「え? う~ん…ホントに強いんだよ? ジンさんとは昔から本気でやり合ってるらしくて、勝敗でいうとロイドさんが上みたい」

「ホント? ジンジンより強いわけ? あれで?」

「ホントのとこは、よく分かんないかな。聞いた話だしね。でも、ロイドさんが戦ってる時はホントにクールでカッコいいんだよ。戦慄のアクア・ブルーって通り名だしね。実は私の初恋ってロイドさんなんだ。でも…普段があれだから、冷めちゃうんだよね~」

「ふぅ~ん…そうなんだぁ~…」

『せっかく新戦力って感じだったんだけど…あんなので大丈夫かしら…Gマックスを敵に回すってことは、アイゼンシュルツェ全体を敵に回すってこと…。たった5人で200人からのエリート集団を相手にしなきゃいけないってことだし、今のとこジンジン以外が幹部に対抗できるとは思えないし…』

「ん? どしたの? リオさん…」

 不安そうな表情で考え込んでいたリオにそう尋ねたヴァル。

「え? ううん。何でもないのよ。ふふふっ」

 そう返し、愛想笑いを見せるリオだったが、不安は拭えず…。



つづく…


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