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24.思わぬ再会

24.思わぬ再会


平日だというのに、ボウリング場は、けっこう混んでいた。

「先に来ておいて正解だったなあ。」

小田切薫は、皆川達よりひと足先にボウリング場に来ていた。受付カウンターで待ち時間を確認すると、30分待ちだと言われ、予約カードを受け取った。

レーン手前のベンチに腰掛けて、若い女の子達のグループがプレーするのを眺めていた。すると、不意に後から肩を叩かれた。てっきり、皆川達が到着したものだと思いこみ、振り向き座間に口を開いた。

「早かったじゃないか…」

ところが、そこに立っていたのは皆川ではなく、高倉伸一だった。

「久しぶりだなあ。誰かと待ち合わせでもしているのか?」

小田切と高倉は高校時代の同級生で、親友同士だ。

「何だ、伸一か…」

伸一の他にCIPのメンバーが勢揃いしている。

「お前達もボウリングをしに来たのか?」

「当たり前だろう。こんなところ、他に何の用事があって来るってんだ?お前みたいに女のケツでも眺めに来るヤツなんて他にはいないぞ。」

小田切はチラッとレーンの方に目をやって、顔を赤らめながら弁解した。

「バ、バカ!そんなんじゃないさ。」

そう言って、予約カードを伸一に見せてから続けた。

「皆川が、新入生の女の子を誘って、ボウリングやろうっていうから、先に予約しに来たんだ。」

伸一は、「ふ~ん」と言いながら辺りを見回した。

「まあ、そう言うことにしといてやるよ。」

そう言って、伸一はCIPのメンバーが待つ予約レーンの方へ歩いていった。間もなく、皆川達がやってきた。

「よっ!どうだ?すぐできそうか?」

「ああ、あと10分くらいだろう。」

「そうか。それより二人追加だ。」

皆川は、そう言って司と知美を指した。

「6人かぁ…ちょっと窮屈かな…まあ、何とかなるか!それより、向こうを見てみろよ。」

小田切は、伸一達の方を指して皆川に言った。皆川がそっちの方を振り向くと、伸一達がレーンのベンチに座って、靴を履き替えているところだった。

「へぇ~、お友達じゃないか。あちらも新入部員が入ったみたいだな…。あれっ?あの娘…」

そう言って、横山の連れの顔を見た。瓜二つだった。それから、知美の方に叫んだ。

「ねぇ、藤村さん、向こうを見てみなよ。」

そう言って、CIPの連中が居る方を指さした。知美は何気なくそっちの方に目をやった。

「広瀬君…」

司もほぼ同時に同じ方を見た。

「藤村…さん?」

ふたりは、顔を見合わせ口を閉じた。皆川は、知美にそっくりな女の子が居ることを教えようとしたのだが、知美は真っ先に広瀬孝太に目がいった。司は司で、知美にそっくりな女の子に目がいった。

「広瀬?って?」

司は、知美に聞いてみた。知美は、ちょっと気まずそうな顔をして答えた。

「高校の同級生なの。あそこにいるの…」

そう言って、皆川が指さしたのと同じ方を指さした。そして、その時初めて皆川が何を言いたかったのかに気が付いた。孝太の横にいる女の子が自分にそっくりなのである。知美はかなり動揺していた。司は、そんな知美の動揺を見逃さなかった。

その時、場内アナウンスが、皆川達の順番が来たことを告げて、一同はレーンへ移動した。レーンはCIPの連中の隣だった。

 伸一は、空いた隣のレーンにやってきた小田切達に気が付いて、高校時代の親友だと良介に紹介した。

「よろしくな。伸一のダチなら、僕たちのことは知っているね?」

良介は、軽い挨拶をしながら、ボウリングの勝負をしようなどと持ちかけているようだったが、孝太は、自分を呼ぶ声に気が付いて、ふと、目線を上げた。

「広瀬君?広瀬君だよね?」

そこにいたのは、広瀬涼子?そんなバカな…。涼子は確かにそこにいる。と言うことは…。

「藤村さん?」

孝太は驚いた。そして、卒業式の時に、そっと手渡されたメモのことを思い出した。そうこうしているうちに、温子が知美に気が付いた。

「キャー!涼子ぉ、見て、見て。涼子にそっくり。孝ちょんの知り合いなの?」

「孝ちゃん?」

知美は不思議そうな顔をして孝太を眺めた。孝太は気まずそうに目を伏せた。そんな孝太の様子を見て、温子は急に何か得体の知れない感情が心の奥底から湧き上がってくるのを感じた。








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