真実
真実を知ることが出来るのか?
「いやそれは知ってますけど、なんで貴方がここにいるのかって聞いてるんです!なんで僕と同じ部屋で寝てるんですか?死にたいんですか?」
僕は、そばに置いてあった刀に手を伸ばそうとした。
「私だって、今起きたばっかで状況分かってないんだわ。昨日だって君に手斬り落とされてかなりショックだったんだからね!」
互いに見るや否や互いを言い合った
「いがみ合いはそこら辺にしとけお前ら」
そこに、りんごが入ったバスケット片手に近藤重道が入ってきた
「あーー重道!!よくもやってくれたわね?」
「こ〜ん〜ど〜う〜さ〜ん?なんでこんな強い人と戦う羽目になるんですか!!」
今度は2人で近藤を責め立てた。
「まぁまぁ落ち着け2人とも、そこまで元気があるなら大丈夫だな」
「「全然大丈夫じゃないです!/わよ!」」
「架瑠お前は特に大丈夫だろ?手の一つや二つ生やせる『医者』居るだろ?」
「まぁその点に関しては大丈夫だけど…この学校には死人すら蘇生できる奴居るからね」
「死人すら!?」
驚愕の事実に声を上げてしまった。
「月乃が謎な所で食いついたな、普通は手を生やせる医者に驚くもんだが……」
近藤さんが驚いた目で僕を見た
「そんなもんどうでもいいです……本当に死人を生き返らせる方が出来るんですか?」
僕はベットから降り、近藤さんに近づいた。
「あぁ本当だ。でも最近は生き返った奴は居ないな、まぁ1人生き返らせるだけにも、相当な労力を使う事は想像する事は容易だ」
「それに死者にもよるね、意思の弱い……生きる気がない状態で死んだり、絶望の中とかとにかくネガティブな感情な時に死んでたら……残念だけど不可能だね」
谷藤がベッドに寝ながら口を挟んだ。
「……架瑠なぜそこまで知っている?」
「あーあんたには話してなかったね。一回私妹生き返らせようって思って、その医者に尋ねたんだよ。結果は……まぁ…うん」
「済まなかった……で月乃お前はなんでそんなに死者蘇生に喰らいつくんだ?」
「………僕にも姉が居たんです。僕が入学する1週間前に死にました………いや殺されました」
「「……」」
「まだ最後を看取れたので最悪の別れ方では無かったですが……もし生き返れる可能性があるなら、1%でももっと低くても試す価値はあると思うんです」
「なるほどお前の意思は分かった……がそう簡単には“奴”には会えないぞ」
「確かにね……じゃ月乃君?かい?私が手伝ってあげよう」
「あなた一様敵対組織のボスですよ……」
「あーー……重道?」
谷藤さんが近藤さんを見た瞬間、近藤さんは瞬時に目を伏せ、合わせようとしなかった。
「コイツ……ねぇ月乃君私が許可するから後でコイツ締め上げてくれない?」
谷藤さんは笑顔だが……目が全く笑っておらず、後ろには何かの居てもおかしくない影が出来ていた。
「頼むから……辞めてくれ………コイツには、まだ何も教えてないから本当に殺しにくるって」
ここで近藤さんがギブアップした
「じゃこの子には真実を話しなさいよ。あれが計画された爆発だったて事を………この子との戦闘は全く聞いてなかったけどねぇ?」
最後は近藤を睨み殺してた。
「はぁ今回ばかりは俺の落ち度だなぁ…月乃この事は他の奴に言うなよ?」
「ア、ハイ」
緊張感から、解放された反動で気の抜けた返事をしてしまった
「薄々察してると思うがコイツとは腐れ縁みたいなもんだ、元はコイツも同じ学長派だったが今じゃこの有様だ」
「コイツとはなんだコイツって!!」
「怪我人は大人しく寝てろ、ほらお前の好きなりんごだ」
そう言って、近藤さんはバスケットごとりんごを投げた。
「投げんなー」
そう言いつつも手がある左手で、空中に浮かぶりんごとバスケットを全て回収してキャッチしていた。
「また脱線したな…………まぁコイツとはこんな関係だ、この一瞬でりんごを剥いて食べてるような奴だが昨日戦ったように上位層に1人だ。で1番知りたいのは“計画された爆発”という言葉だろう、これはそのままで
昨日のワルキューレの使用はコイツと話し合って決めた事だ」
「え!?おかしくないですか?なぜ谷藤さんは自身の派閥のメンバーを見殺しするような事をしたんですか?」
「それはあいつらが、私の派閥に所属していても、過激派に近い存在だったから私からしても、邪魔な存在だったからだよ。あそこで消せれて無かったら、派閥主導の実権を奪われて。副学長派はブレーキのない暴走列車になる所だったよ」
既に2個目のりんごを食べながら言った
「俺も新たに派閥を引っ張る者として成果がなければ、また引き摺り下ろされるのが目に見えてるからな、互いにとってWin-Winだったって事だ。まぁ伊藤達には後で飯を奢って許してもらう」
「n/」
「月乃。言いたい事は分かるだがこれが政治だ。偉人の言葉を借りるなら政治は血を伴わない戦争だ」
「………分かりました」
「ありがとう分かってくれて助かる………架瑠、お前月乃聞きたい事があるんだろ?」
「あぁあるけど今かい?」
4個以上はあったりんごをペロリと食べまだ無いかバスケットを漁りながら言った。
「俺もその話は気になる」
「じゃ単刀直入に聞きましょう」
「そうしよう」
「「どうやってコイツ/私の手を切り落とした?」
「………言わないとダメですか?」
「大方予測はついてる、映像を見た限りコイツは、寸前で防御姿勢を取っていて並の刀と剣術じゃ傷は付けれても、斬り落とせるはずがないんだよ」
「だが月乃君は斬り落とした、刀に秘密があるのか剣術に秘密があるのか、はたまたどっちにも秘密があるのかそこまではわからなかった」
「刀を見せて貰っても良いかな?」
「刀ぐらいなら……ええいいですよ」
そう言って近藤さんは僕の刀“影”を見た
「これは……名刀だな……刀鍛冶の名前は……どこかで見た気がするが覚えてないな」
「私にも見せて……………近藤これ……不味いよここにあっていいものじゃない」
「どう言う事だ?」
「兄弟刀って聞いた事ある?」
「あぁ知識としてはあるが実際見た事はないな」
「これ兄弟刀だよ、しかも兄の方の刀は最上級名刀の10振り入る“炎”」
「“炎”って……最強の剣士と名高い愛山凪の刀じゃないか。愛山凪に弟子は1人しかいない、だが学長は死んでしまった」
「……………」
「月乃君……何か知っているね」
「もし話してくれないのなら……私達もそれなりの対処をしなくては行けない。名刀を持ち、あれだけの実力者である君だ何かしら裏があるのだろう」
「…………さっき僕の姉は殺されたって言いましたよね?」
「あぁ言ったな」
「僕の姉が殺された日は、入学式の1週間前つまり8日前です」
「………………偶然だよな………偶然じゃなければいけない」
「偶然じゃありません。僕の姉は卯月美咲です。そして僕の師匠に愛山凪さんが居たんです。だからその刀と高度な剣術を得ているんです」
「……………これは衝撃的なだな」
「それ私らに言ってよかったの?」
「いざとなったら殺します」
「……これマジで殺られるぞ」
「まぁそんな冗談は置いておいて。僕は姉の死の真相知ってここに居ますがその事まで話す事は出来ません。そして、もし情報が漏れてたらあなた達を殺します」
「「肝に銘じておくわ/おこう」」
まぁ誤魔化す事も涼なら出来たでしょう……でも“真実”なんでね話しておいた方が良いでしょう?
コメント、高評価、誤字脱字報告待ってます