日常
初投稿になります!
どうか温かい目で見守って下さい
カーテンの隙間から眩しい陽が差し込み、つい先日15になったばかりの青年が目を覚ます。
下の階から女性の声が聞こえてくる。
「おーい涼はよ起きろ〜朝だぞ〜」
「今行くから待ってて〜」
僕はベッドから起き上がり、寝巻きから椅子に置いていた着替えに着替えた。
ワイシャツに、黒い鍵型のループタイを着け細いグレーのズボンを履き、その足で下に降りて行った。
「涼、まーた夜更かしか?」
「いや違うよ姉さん」
僕は濡れタオルで、寝癖を直しながら答えた。
「嘘だ〜私が帰ってきた時にはまだ部屋の明かり付いてたぞ」
「マジかよ……バレてたのか」
姉さんも既にスーツ姿に涼と同じループタイをしている姿だ。
髪は背中まで伸ばしているが、兄妹揃いも揃って寝癖は酷い、所々髪を遊ばしている、まだ直していないようだ。
そんな姉だが今は、トーストに目玉焼き乗っけている最中だ。
「てか姉さん、こんな頻度で帰ってきて良いのか?僕の鍛錬は先生がいるし……」
「大丈夫だ、ちゃんと稼いでるから安心しろ、そういえば涼の刀を新調したい、とか言ってたな」
「言ったね」
「今週末行くか?ちょうど長期任務は無いしここしかチャンス無いぞ?」
「マジで?じゃ行こう」
「分かった、私に任せなさい!!」
「あ、そうだ涼。行く学校は決めたのか?」
「いやまだだよ」
「そろそろ期限だからなノース、イースト、サウスト、ウエスト、どれも良い学校だ、ノースに行ったら私が直々に面倒を見てやれるぞ〜あそこは私の部隊が管理してる軍官学校だし。ただ他の3つとは違って1番血の気が多いからな。
姉としては、あんな危険な場所行ってほしくない。
学長としては、是非S級には来て欲しい、試験も甘くしてやるから。
(ちょっと姉さん?堂々と不正宣言してるじゃん………)
元帥としても煌剣使いはそんなに居ないから管理下に置きたいっていうのもある。
まぁよく考えてくれ、来週末が期限だからそこまでに決めておいて〜」
「分かったよ」
そんな、雑談をしながら朝ごはんを食べてると……
プルルルルル
「ちょっとすまんな涼」
姉さんは、腕に着けていた腕時計型のデバイスで電話を取った。
スピーカーモードにしたようだ。
「朝早くからすみません卯月元帥」
「大丈夫だよ〜狄斗君………で本部はこんな奴にさえ招集をするって事は何かあったのかい?」
「察しが速くて助かります……つい昨日金鶏……いや元金鶏と言った所でしょう国防軍から離反を表明し、反乱しました。
金鶏ぐらいなら、卯月元帥が出る幕など無いと踏み、本部は昨日の時点では応援を要請しませんでしたが…今日に至って対処に当たっていた、不死鳥も根こそぎ寝返った事が判明し、昨日時点での報告は欺瞞工作でした、そのため被害は予想より甚大だと予測できます。
既に不死鳥の拠点と金鶏の拠点が近い、大阪、京都支部は音信不通の為陥落したものと考えられます。西日本管轄支部の広島、九州支部の小倉も交戦状態に入ったと1時間前に報告を受けています。
東京本部も戦力不足の為一時本部を放棄をし千葉で防衛戦を行い、反転攻勢を行う予定です。卯月元帥率いる、古今東西に出動要請を行いました。
なのでこうして私が連絡申し上げた次第です」
「ちなみに聞くが民間人の被害は出てるのかい?」
「そこはご安心下さい、双方腐っても軍人です決して国民に刀を向けるような輩は双方居ません、ましてや元特殊部隊ですよ、奴らは民間人にバレないうちに反乱を成功させたいし、我々もこの不祥事を公にする訳いかないですから、双方暗黙の了解で民間人に被害は出てないと思われます」
「それさえ確認出来ればよろしい、それではご飯食ったらすぐ向かう合流座標を送っといてくれ」
「了解しました、他の隊員は10分以内に集結できる見込みですのでお早めお願いします」
「あぁもちろんだ」
「それでは」
狄斗と呼ばれた男は電話を切った。
「涼、聞いた通りだ今日は家に帰れそうに無いだから、ご飯作って食べて寝ててくれ明け方には帰ってくるさ」
「分かった……けどあの人嘘ついてない?」
「流石だなやっぱりその能力は役に立つなぁ」
僕は、S級の能力を持っていて、姉から重宝されている。
全人類は何ならの能力を持って生まれる。
それには階級があり全世界共通でC-級からSS級まである極稀に複数の能力者がいるが、数億人の1人の割合でそれも相性が良いものとは限らない、あくまで一例だが・・・・
ある人が【速記】といった、非戦闘能力と【絶対切断】と言った戦闘能力をを持って生まれたとしたならば基本的には片方は死能力となる。
このように数億人分の1を突破して無限に近いある能力で両方の弱点を補える、または片方の威力を底上げれるような能力を得られるのは、天文学的な確率になるだろう。
SS級のそれを突破した本当に運の良い者達の総称であって最高ランクはS級である。
世界人口100億人中9人ほどしかいないSS級能力者のうち1人がが日本にいて涼の姉である、卯月 美咲である。
彼女の能力は【大元帥】と【空間拡張】といった一見無駄になりそうな能力だが。
案外そうでも無い
【大元帥】S級
【大元帥】は軍や配下等を指揮する際、配下の能力を50%上げるという軍人からしてみれば喉から手が出るほど欲しい能力であってが能力者の半径50m程しかない。
【空間拡張】A級
【空間拡張】というのは本来の使用用途は、ビジネスかばん等を50tトラック並の荷物が入るようにするようなるという少し頭がおかしい能力だった。
戦闘能力は一切無く、どうやって戦闘に活用したかと言うとかなり強引に行った、【大元帥】を発動中にその空間を引き延ばす、という簡単な原理だが発動者自身もそれに囚われる為1cm移動するのに50m程移動するのと同義な為、動けなくなるというデバフを持っている。
もちろんSS級が絶対的な力を持っている訳では無く、過去にはSS級の能力をもった犯罪者がいた時代に、S級の能力者が10人がかりで完璧な連携を行い、殺害に成功したという前例が残っている。
ついでに涼の能力も説明しよう。
【偽装者】S級
能力者のあらゆる生体情報を偽装する事ができる。また相手や対象物の嘘や欺瞞工作を見破り真実を見る事ができる。
一見メリットしか無い能力だが……無駄に高性能すぎて、善意の嘘も見抜いて真実を知ってしまうという悲しい事にもなっているため、善意の嘘に隠された真実を知ってしまう事も幾度とある。
「で……どんぐらい狄斗は嘘吐いてた?」
姉さんは、ダイニングシンクにお皿を入れ、白を基調にした軍礼服に着替えながら聞いてきた。
「ほとんど全部かな〜」
「じゃ逆に聞こう、真実は何だ?」
赤い鞘から取り出した姉の愛刀である、獅子刀を手入れしながらまた聞いてきた。
「反乱と民間人の被害だったね」
「じゃ我が弟は、この事態をどう感じる?」
さっきまでとは打って変わって雰囲気変わり、軍人といったオーラを出しながら姉さんが聞いてきた。
「僕の意見としては、既に特殊部隊のほとんどは反乱に回ったと思うな〜政府軍側も多分東京かどこかで籠城してるんじゃ無い?でもこのタイミングで報告したって事は、すぐ陥落できるってことでしょ」
姉はさっきまでつけていた、ループタイを渡してきた。
「となると・・・友軍は到着する時には、いない可能性が高いと」
「そうだね、だからここは集合地点に行かずに、一人一人各個撃破すべきだと思うな」
「戦術的な回答では満点だ弟よ、だがそれは不採用だ、反乱軍の目的を知りたいし全軍が裏切ったとは考えにくい、とりあえず罠にかかってみる……安心しろ金鶏と不死鳥クラスの奴らなら、傷一つ付かん
同僚の攻撃ぐらいだ、警戒に値するのは」
「必ず帰ってきて」
「あぁ安心せい五年前のアレは繰り返さん。
あ、念の為そのループタイは預けておく、帰ってくるまでちゃんと保管しとくんだぞ、じゃ仕事してくる」
そう言って姉さんは家を出て行った。
それが最後に聞いた姉の元気な声だった。
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