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僕の事を嫌いなら嫌いでもいいから、ここからはじめてみませんか?

作者: 七瀬







“僕の事を嫌いなら嫌いでもいいから、ここからはじめてみませんか?”




私は心底嫌いな男にそう言われた。

私は職場で一番嫌われている男にどうも好かれたらしい。

何故なのか? 特別この男を気にかけたつもりもないし、良くした記憶も

ないのに何故なのか、、、?

好かれる事を何一つしていないのに、私を好きなこの男。





私が今の職場に入った当初から、この男は何故なのか?

職場の人達に嫌われていた。

“嫌われる原因は? 物事をはっきり言う事!”

黙っていたらいい事も、この男は何でもかんでも言ってしまう。

だから相手に嫌われるのだろ!

“人には言われたくない事もあるのだから。”

それを歯に衣着せぬ言い方で、相手に言うから嫌われる。

それが分かっていても、この男はやめられない!

既に私もこの男の事が嫌いだけど、まだウチの職場に来て1週間しか

経っていない若い事務の女の子もこの男の事が嫌いらしい。

まともに会話もしないままに嫌われるこの男。

可哀そうなのか? 哀れなのか?

私はこの男の事を、まったく気にもかけていなかった。




・・・でも? ある時、この男が私の事を好きみたいだという噂話を聞いて

私はそのまま鵜吞みにしてしまった。

まったく気にもしていなかったこの男の事が、少し私は気になりはじめる。

不思議なモノだ! それまで意識しなかったのに、この男が私の事を好き

かもしれないと知ると? やたらと気になるようになる。

どうでもいい話だと思っていたのに、そうもいかなくなってきた。




・・・その後、この男から私に話しかけてきたのだ。



『あの、山田さん! 少し話したい事があるんだけど、今いい?』

『・・・あぁ、ううん、』

『あのね?』

『・・・あぁ、はい、』

『“僕の事を嫌いなら嫌いでもいいから、ここからはじめてみませんか?”』

『えぇ!?』

『・・・ど、どうかな?』

『どうかなと言われても、』

『少し、考えてみてくれないかな?』

『・・・あぁ、はい、』





まさか? このタイミングで【告られる?】

やっぱりこの男は、私の事が本当に好きだったみたいだ!

こんなカタチで、私はこの男に告白されるとはね。

なんだか嬉しいようで、恥ずかしいような、煮え切らない気持ち。

きっと私がこの男と付き合い出したら? 職場の人達は私まで避けるかも

しれない!

彼は職場の人達に誰よりも嫌われている!

そんな男と私は本気で付き合っていいものなのか?

“他にも男は星の数ほどいる。”

それでも、あの男と付き合う気で私はいるのか?




・・・でも、もう既に私はあの男の事が気になり始めている。

断ったら絶対に“後悔”するだろう。

あの男が他の女性ひとと付き合うのも許せない!

私は一体? どうしたらいいのだろう?

もう少しだけ、私に時間をください!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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