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第20話 種目決め

「とりあえず、みんなからもらったアンケートの結果をRIMEの方に流すね」


 体育祭実行委員の塚原が種目ごとの出場者をまとめてくれたようで、クラス全員に共有してくれた。


 種目ごとに人数も決まっていて、もしそれ以上の人数がいた場合は話し合いになる。


 僕がアンケートで出したのは障害物競走で男女合わせて6人までだ。定員オーバーになっていないことを祈りながら表の方を確認してみると、立候補は5人であった。


「定員オーバーになったところは1つもないから、みんな自分が出たいと思った種目に出てもらうね」


 どうやらいい感じにばらけたようで、話し合いにならずに済んだ。僕自身他の種目は極力避けたかったし、何より指令のこともあったので、障害物競走にならないと困るところであったので、助かった。


 障害物競走になれなかったらその時点でゲームオーバーだからな。そうならなくて良かった。


「見てもらったら分かる通り、100m走以外の種目の人数が足りていない」


 表を見てみれば、選抜リレーは男女とも2人足りないし、障害物は1人、大繩に関しては8人も足りない。


 こうも人数が足りないのは、期末テスト時点でクラスには32人しかいなく、さらに今回のテストで新たに3人退学したからだ。


 体育祭における出場人数は1クラス40人で計算されているため、すでにクラスの人数が29人しかいないE組は11人分の代わりを用意しな良ければならない。


 それは個人種目だけでなく全員リレーや綱引きに関してもそうだ。全員リレーで2回走る人は11人必要であるし、綱引きも男女10人ずつで2回戦、引き分けなら3回戦と行われるため、何人か多く出場する必要がある。


「というわけで、これから参加人数の足りない種目、そして全員リレーで2回走る人を決めたいと思う。ああ、それと大繩も人数は足りていないがそれは当日でも何とでもなるからその場のノリでやる」


 個人種目は1人2種目と決まっている。それは運動能力の高い人が何種目も出て得点を稼ぐのを防ぐためだ。だが、それを全員種目まで適用させてしまうと、人数の少ないクラスでは負担も大きいため、全員リレーと大繩どちらとも1人2回までなら参加できる。


「本当は立候補を取りたいところだが、優勝もかかっているので、選抜リレーは男子からは楠本、鬼沢、女子からは野本と鶴井にお願いしたいと思っている」


 期末テストの順位発表が行われた日の練習で、全員100mのタイムを計測していた。この4人を選んだのは純粋に足の速さからだろう。


 ちなみに僕はというと、思うように身体が動かせず、14秒56と、当時よりもだいぶ遅くなっていた。クラスの男子は15人いるが、順位は10番目だった。


 僕がブランクで苦しんでいるのに対し、久志はというと12秒前半であり、当時と変わらない記録を出していた。大学生になっても運動していただけあってさすがだ。


「4人とも問題はない?」


 誰一人として拒否することはなかった。それはつまり賛成ということだろうと、みんなが思った。名前の挙がってる久志は寝ているだけだが。


「ありがとう。それじゃあ残りの方も決めていくぞ」


 成績は何もテストだけで決まるわけではないので、絶対授業では寝るなと言っていた。眠さをこらえながら午前の授業を終えた久志は、このHRが始まってすぐに眠りについた。


 後ろ姿では眠っているように見えないので、一番前の席である久志が寝ているとは気づいていない生徒がほとんど。気づいているのは、塚原ぐらいだろう。塚原も寝ているのが分かった上で進めているので悪い奴だな。


 絶対勝つためには久志の力が必要だと分かっているからこそ、あの場で否定しなかったという事実を作り上げた。それで後から久志が訴えても無駄だというわけだ。


「全員リレーは男子が5人、女子が6人足りないからこれも足の速い順で頼む。あとは大繩と障害物だが、これは男女枠はないから出たい奴は後でオレに伝えてくれ」


 特に話し合うといったこともなく出場メンバーは決まっていった。


 自分の負担をできるだけ減らしたい僕としてはありがたい限りだ。おかげで個人種目に2回出る必要もなくなったし、全員リレーも1回走るだけで済む。


「無事全部決まったことだし、放課後早速だが全員リレーの練習をするから、着替えて集まってくれ」


 ちょうどタイミングよくチャイムが鳴りHRが終わった。練習が始まる前までに最終的なリレーの順番を書いた紙はRIMEの方で送ってくれるようで、放課後はそれを見てバトンパス練習になりそうだ。


 その後眠りから覚めた久志は、選抜リレーに出されたこと、全員リレーで2回走るだけでなく、1番とアンカーを務めさせられたことを知り、嫌そうな顔をしていた。

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