幕間024 神の世界も世知辛い?
<新米上級神:アテネサイド>
「下級神:アテネよ。素晴らしい成長だ!そなたを上級神に昇格する。」
「ありがたき幸せ(うえ〜!いらないよ〜!)」
数年前まで、私は冴えない下級神だったんだ。その当時はとっても悩んでたんだけど・・・今は昇格など鬱陶しいだけだよ。ああ〜早く食べ歩きに行きたい!
あなた達、神の世界も人族と一緒だからね!いや、神同士の付き合いはもっと最悪だよ!・・・想像してみて?周りすべてが「俺が正義だ!」って思考の、カチコチ頭の老害共しか居ないところを。ね!?最悪でしょ!
しかも仕事しても、それはあくまでも修行なんだよ!報酬なんてないの!それなのに柔軟思考のかけらもない有象無象の部下なんかいらないよ〜!
いちのかみ様がいらした時は、こんな状況ではなかったらしいけど、私が神になったときにはもう居なかった・・・ここだけの話、天界太神達の謀反で消滅したなんて噂も有るくらいだよ。
そして、数年前まで下級神だった私が、なぜいきなり上級神になれたのか?
それは、数年前に天界ガイアに仕事に行ったときに、可愛らしい幻獣を連れていた娘を見つけて興味本位に近づいて友達になった。名前は伊月ちゃんって言うの。
その時、ついつい愚痴ったんだよね。冴えない下級神は辛いって。そしたら伊月ちゃん大爆笑。
「縮こまっていたら、それ以上伸びるわけ無いだろ!」と叱られちゃった。
そして、そういうときは甘いものだ!って、スイーツ2時間食べ放題の店に連れて行かれたんだ。で、そのスイーツのお美味しさにびっくり!神は食事をしないので、あれは衝撃だったわ!
「こんな美味しいもの初めて食べた!」と言って、伊月ちゃんと二人で全部平らげてしまったんだ、全部ね・・・お店には、お金返されて「二度と来ないでください」と懇願された。
その帰りに「気分上々だろ?だいたい仕事しても報酬もないブラックなんだろ?そんなの放り出して、自由気ままに食べ歩きでもしようぜ!」と言われ、その後連絡先を交換した。
流石にビビリの私は仕事は放棄出来なくて、天界ガイアに滞在している3ヶ月間、暇を見つけては伊月ちゃんと憂さ晴らしに食べ歩きをしたんだ・・・しかし、たらふく食べてお金が貰えるって、不思議だよね?
最終的に「金さん銀さんを見かけたら、暖簾をしまえ!」と、飲食業界では有名人になってたみたい。
すべての仕事が終わり、伊月ちゃんとお別れした際に「よし!いい顔になったな!」と言われて「仕事したら負けだ!」って確信したんだよ、私。そして上司には「仕事などするか!これが私の正義だ〜!」って言って出奔してやったよ。伊月ちゃんのおかげで目が覚めた!
その後は、色々な天界に立ち寄っては、観光や食べ歩きなんかを楽しんだ。伊月ちゃんと一緒に廻りたかったけど、彼女は人族だから神の移動には耐えられないんだよ、残念。
でさ、昨日「大事な要件がある」って上級神から連絡があって、仕方なくサンに戻ったら、これよ!
・・・知らない間に神格が上がっていたみたい。ならあの修行と称した仕事はなんだったのか?って言ってやりたいよ!
そのまま逃げるつもりだったんだけど「早速お前に仕事がある」って、言われてしまった。上級神達に囲まれているので仕方なく受託した・・・さくっと終わらせて、また出奔しよっと!
さて、仕事の内容は・・・ふむふむ、旧天界テラリウムに野良神が現れて傍若無人の行いをしている、その捕縛か〜。あそこは既に見放されたところだから、別にいいんじゃない?
<???サイド>
「行ったか」
「しかし、あやつは何故あれ程に急成長したのだ?」
「我々の手で改定した内容では、神格を上げることが出来るわけないのに」
「上級神の座は、我々が独占して維持するのだ、他はいらん」
「ふふふ、天界太神が関わりを禁じた、あの野良神の元に送るんだ。無事には帰ってこないだろうさ」
「「「「「ははははははは」」」」」
「そういえば、その天界太神はどうしている?」
「天界ガイアのゲームにどっぷり嵌っているよ。今はドラゴンなんちゃらシリーズに夢中さ」
「いや、2年ほど前から、ゲーム機器の販売待ちで、天界ガイアに行ったり来たりを繰り返している。なんでも、転売ヤーには屈しない!正規店でゲットするぞ!とか言っていたな。」
「やつも、ちょろいな。このまま百年も続ければ、やつの神格も劣化するはずだ」
「今のうちに誰が次期天界太神になるか、決めておかないとな?」
「「「「「ははははははは」」」」」




