幕間022 やっぱりイツキちゃんは私達を導く女神様!(前編)
<リンダお祖母様サイド>
ようやくセレンと再開できた!・・・まあ、今まですっかり忘れていたんですけど。
「リンダは薄情だよね」ロベルタ!うるさいわよ!あまりのショックに精神崩壊しないように、心が強制的に忘れさせたのよ(イツキちゃん談)!そう、そうなのよ!
「セレン、かわいいわ」セレンが開放されてから、すっかりセレンにメロメロだ。当初は子犬の形をした青白い光のようだったセレンは、今では真っ黒なミニチュアダックスフンドになっている。
初めは「だらけてる」と不満にを口にしていたロベルタとカレンだが、一日も掛からずにセレンに陥落、今では3人一緒で目尻を下げてかわいがっている。
2日目には、男爵家のみんながすっかりセレンの虜になっていた、さすが私のセレン!・・・だけど、セレンに敵対するものが、まだ2人居るわ。
セレーナ「みんな!腑抜けてるわよ!・・・そんな犬ころの何が良いのか?イツキのほうが千倍かわいいわ!だいたい、こいつのせいでイツキが寝込んでるのに!さあ、訓練よ!」
セバス・チャン「領主様、あなたはユグドラシル男爵家の当主なのですよ?それなのに、こんな腑抜けに・・・やはり当主は早めにイツキ様に・・・」
・・・たしかにイツキちゃんには感謝しているけど、それとこれとは別。きっとセレンも本調子ではないの。十分英気を養って可愛がってあげないと。
セレンは、誰構わずに愛想を振りまいている。それはとてもカワイイのだけど。昨日は領民の子供達と一緒に遊びに行ってしまったそうだ。
その親達が平謝りでセレンを戻しに来た。私のセレンは皆に愛される太陽なのだ!きっと男爵領のアイドルになるだろう!私もとっても嬉しいわ。
今日も今日とてセレンを可愛がっていると、イツキちゃんが起きたようだ。セレンを救ってくれたお礼を・・・でも、セレンを可愛がった後でいいかしら。セレンは何十年も我慢してきたのだから。
私に飽きたセレンちゃんが、何処かに行ってしまう・・・寂しいけど、みなに可愛がってもらいたいものね。
セレンを見送っていると、突然こめかみに痛みが。イタタタ!?これはイツキちゃんの仕業だ!
「「「イツキちゃ〜ん!痛い痛い痛い!」」」・・・ロベルタとカレンも捕まったようだ。訓練をサボっていたのを怒っているのかしら?
その後、イザベルも追加されて、ウェンディと共に異空間に閉じ込められて・・・地獄の特訓が始まった。
「イツキ様のご要望は、デンジャラスコース1週間だ!・・・覚悟は良いな?」・・・ウェンディ、本気だわ。
それからは必死で何も覚えていない。余計な思考をしたらウェンディに吹き飛ばされてしまう。悲しいかな、思考しなくても吹き飛ばされるのだけど。イザベルが何か言っていたが、そんなスキも致命的なのだ。
さらにヴィマーナも追加されるが、状況は一ミリも改善されない。もうダメ!と思っても、怪我や疲労が回復してしまう!
・・・だけど、気づけばこんな絶望的な状況なのに、とてもワクワクしている。成長を確認するため拮抗した存在と戦いたくてウェンディ達との戦闘は避けてきたけど、たまにはいいかもね。
そして、セレンを可愛がるのも楽しいけど、それとは比べものにならないほどに充実して楽しいのだ!
戦闘狂の自分を改めて実感する。勝利の可能性0%なのに・・・もう最高!しかも、これだけの経験をしているのに命は保証されてるのだ。
確かに、力の差は歴然なこの状況、それでもやっぱり悔しい部分はある。どうしたら更に強くなれるの!?どうしたら劣勢を打破出来るの!?
そうだわ!・・・セレンは私の魔力なのだから、あの娘も私の戦力なのよね。それなら可愛いがるばかりではなく、共に戦う教育をするべきだったのだ。イツキちゃんもそれを望んで無理してセレンを解放してくれたのだ。と今更ながら気づく。
デンジャラスコース1週間が終わったら、イツキちゃんにお詫びして、セレンと二人で頑張ろう・・・でも、あの甘えきったセレンが戦いを了承してくれるだろうか?
そんな時に、イツキちゃんが現れた。『お〜!やってるね〜!』
「「「「「イツキちゃん(様)〜!」」」」」みんなは助けて!って感じだったけど、私は、今までの行動が恥ずかしくて謝りたくて声を上げた・・・まあ、イツキちゃんは簡単に許してくれないだろうけどね。可愛くも恐ろしい私の女神様だもの。
『あ、4日目からは、私も参加して神威マシマシで攻撃するから・・・私のレベルでのデンジャラスコースって意味だからね?』やっぱりね。
絶望した顔をした四人に「ほら!絶望してないで!ここ数日、腑抜けていたんだから。今出来ることを続けるわよ」私の言葉・表情にみなが驚いた。そして自分達もここ最近の腑抜けた状況を反省して戦闘を再開する。
「うむ、マシな顔になってきたな。本来は警戒するべきところなのだが、まだ、お前達は弱すぎる」
・・・アリがドラゴンに挑んでる状況ですからね。
「しかしだ!その表情が気に入ったので、もう少しレベルを上げてもいいだろう」
いえいえ、流石に其処までしていただいては、てか、もうお腹いっぱいですから!




