059話 総長、駄犬に追い込みをかける(中編)
<イツキサイド>
『まあ、積もる話は後にして・・・おい駄犬!お前のご主人様が消し飛ぶところを、よ〜く見ておけよ!』
ウェンディが駄犬を、お祖母様の近くに放り投げた。私は瞬時に5歳児の姿に変異して、白の力を圧縮した巨大な球形を掲げる。
「駄犬!お祖母様達が散りゆく姿を、そこで眺めているといい」と言い、白い球体をお祖母様達に向けて投擲した。
<セレンサイド>
りんちゃんの、ちからから、かいほうされた!これで、りんちゃんと、あそべるの!ほかにも、ともだちいっしょ!うれしい!みんな、なかよしなの。
だけど、こわい人いるの。あそぼー!といっても、あそんでくれない!にらむの、ちょっとこわいの。
でも、わたしをたすけたこ、がきた!このこに、かわいがってもらえれば、だいじょうぶ、そんなき、するの。
だから、あそんでーって、したの。そしたら、こわいちからで、つかまった。まえの、きんいろ、やさしかったのに・・・しろは、こわいの!
りんちゃんと、かわいがってくれた、みなにあえた!でも、たすけたこが、あのこわい、しろいちから、すごいちから、なげたの。
するとね、みんなが、ふっとんだの!あかいえきたい、とびちらせて、あれ、わたしが、まもの、おそわれた、ときも、でたの、いたいの・・・だめ!りんちゃん!しんじゃう!ダメなの!
セレンが皆をかばおうと、行動を起こそうとした時「りんちゃんやお前にはがっかりだ、すぐに消し去ってやるよ」イツキの手から白い霧のようなものが漂っている。
「神聖魔法の究極が一【真白】!」
そのことばの、あとね、しろいかぜ、ふいて・・・りんちゃんたち、いなくなったの。けはいも、においもしないの。
「ほら、邪魔なゴミは皆消えたよ、お前が ”覚えている” りんちゃん達はこの世から、綺麗サッパリ消えたんだ!」
・・・りんちゃん・・・いないの?
「お前が使えないから、ご主人ごと消すことにしたんだよ。次は駄犬、お前の番だね」
りんちゃん・・・りんちゃん・・・りんちゃん・・・りんちゃん・・・いないの?
「早くお前も消さないとね」あの、たすけて、くれたこが、くろい、くらい、こわいかおをして、いったの・・・ほんとなんだ・・・りんちゃん、けしたって・・・りんちゃん・・・を・・・ゆるさない!
「ぐうううウゥゥ〜わぅおーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!」
ミニチュアダックスフンドの体から、眩い雷光が異空間に広がるが、この部屋に居る3名には微塵も影響がない。
「うぅワおーーーン」しんじゃえ!しんじゃえ!しんじゃえーーーーーーーーーー!!!!
雷光と化し、3名に打撃を与えるが、打撃を受けても3名は涼しい顔で微動だにしない・・・なら、りんちゃん、けした、くろいこ、だけでも!
その後はイツキにのみ攻撃を行うが、セレンを観察するように佇むだけで、攻撃の効果は一切感じられない。
このまま、だめ!・・・まわり、ちから、ある!とりこむの!とりこむの!
「わぅおーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」ある程度の力を取り込めたようで、2m程のサイズの狼に変貌した。
「エネルギーはさっきの3倍ほどか?瑠璃のフェンリル形態になったな」
「はい、この中では私の体が一番効率的に動けると判断したのでしょう」
「ふふふ、ここからの行動でデッドオアアライブが決まるな。イツキ様はどっちになると思う?」
「もう、いらないから、どっちでもいいよ」
・・・なんか、ばかにしてる!ぼくのこと、ばかにしてる!りんちゃんのことも!みんなのことも!ぜったい、ゆるさないんだから!!!
正面から噛みつきに行くが、軽く叩かれて、吹き飛ばされた「ぐるルルル!」諦めずに再度突撃を繰り返す・・・それもわずか3分で終わった。床にはボロボロになって転がるセレン。
「もう終わり?ならトドメをさすか?」イツキはゆっくりとセレンに近づく。
・・・もう、ちから、ない。りんちゃん、ごめんね。いつも、わたしが、そばに、いれば・・・・まもれた?・・・まもれたんだ!
ほかのひとも、かわいがってくれて、うれしかった・・・でも、りんちゃんが、いちばん!・・ちかく・・・いれば!・・・く、や、し、い・・・せめて!この、くろい、こを!
イツキがセレンをつかむ直前!残った最後の力を込めて、セレンの口から雷を纏った氣功砲が飛び出した!
「ぐ、ぐる(殺った?)」だが、そこには平然と佇むくろい、こわい、こがいた・・・やっぱり、だめ、だった、りんちゃん、こめんね。
力尽きて倒れる直前に、心地よいものに支えられた。いい匂い。優しい感触と光に包まれた、心地よいものに抱かれ、力がみるみる湧いてくる。
顔を上げて、優しいものを確認すると、そこには、くろい、こわい、娘が、今は、白く、透き通る、まばゆい笑顔で迎えてくれたの・・・えっ!?あれ?
「セレン、よくやった!お前のりんちゃんを大事に思う心が伝わった。よくやったね、えらいぞ!」と、今度は顔や頭を撫でられた。とても心地いい、ちからわくの・・ほわあ・・きれい・・・このこ、めかみさま、だったの?・・・わたしが、わるいこ?だったから、おこられたの?
「さて、ご褒美をあげよう」めかみさま?が右手を上げると、あの、こわい、しろい、かぜふいたの。こわくて、みを、すくませたの。だけど・・・この、におい!?
「ほら見て、あなたの大事な人が戻ってきましたよ」めかみさま?が指し示した方を見ると・・・えっ!?りんちゃん!?ほかのひとも!?いなくなって、ないの?
「セレンの頑張りに感銘を受けて、ご褒美に生き返らせたよ。さあ、二度と失ってはいけないご主人さまの元へ!」わたし、いきおいよく、りんちゃんにかけよったの。うれしい!めかみさま?ありがとう!
りんちゃんのもとに、むかうと、よろこんで、ないて、だきしめてくれたの!・・・ここが、わたしの居場所!なの!絶対、守るよ!めかみさま!
「・・・主は悪よの〜!」
「まあね、【ダウン!アップ!作戦】大成功!駄犬は単純で助かるね。でも中々の演技だったでしょ!?」「上手く行ったようですが、今後駄犬は改心するでしょうか?」
「まあ、しばくは様子見だね。でもさ、主以外はしばらくは近づけなくなるから、必然的にそうなるんじゃない?」
「「???」」
りんちゃん・・・・大好き!なの!




