幕間020 実は、少し嫉妬してました
<ウェンディサイド>
あの犬が来てからというもの、ユグドラシル男爵家の面々が緩み切っている。眠り続けているイツキ様が起床したらどうなることやら・・・
まあ、それはいい!すべて自業自得なのだから・・・ただな?私のパートナーたるイザベルのだらしない顔を見ると、イラッとする私がいるのだ。
永遠とも思える時間、すべて何かを滅ぼすために生きてきた私が、イツキ様とイザベルという初めて出来た守るべきもの(イツキ様には必要ないだろうが、主だからな)。最近は心が満たされた感じがしている。これは悪い気分ではない。
特にイザベルは私のパートナー。共に戦うもの、という認識なのだが・・・あのだらけきった顔は何なのだ!
ここ3日はそんな不快な気分で過ごしている・・・あの犬、また来たぞ!
イザベルが居ない時に脅してみたのだが『遊んでくれるの〜?』と逆にまとわりつかれた。この馬鹿犬が!思わず殺してしまうところだった。イツキ様が体調を崩してまで対応したものなのだ、我慢だ!と殺意を抑えた。
・・・また、イザベルはだらしない顔をしている、不快だ!
そんな時に、救世主が現れた!イツキ様だ!・・・だらけ切った面々を引き連れている。
『おい、ウェンディ!』「む・・・どうしたのだイツキ様」
『こいつらを鍛え直してくれ、デンジャラスコースで1週間!』
「やつが来てから腑抜けていたからな。うむ、ならうちのイザベルも追加で良いか?」と、イザベルに視線を送る。
これはチャンスだ!私を不快にさせているイザベルにはしっかりと罰を与えないとな!
あの、だらけ切った顔を見たイツキ様は・・・『許可する!みっちりとな』「了解した」
異空間に入り、元のサイズに戻る
「イツキ様のご要望は、デンジャラスコース1週間だ!・・・覚悟は良いな?」
イツキ様に教わった【剛力】を発動、小奴らには身体強化は不要なので、その力をすべて鱗に割り振る。自分の攻撃が全く効かない恐怖を味わうが良い!
「これは、やるしかないわね!」
「リンダ・・・終わったらイツキちゃんにも絞られるからね・・・神威で」
「えっ〜!?あれだけは駄目、恐怖で失禁しそうになるわ」
「リンダ!ロベルタ!・・・まずは目の前の一週間の過ごし方を考えなさい!」
ふむ、流石に切り替えが早いな、さてイザベルは・・・「ウェンディ!?なんでこんな!?この3人と違って、訓練はちゃんとしてたのに〜!」
確かにな、だがな・・・「嫉妬だよ」「へ!?」
「パートナーの前でだらしない顔をしているような輩を許すわけ無いだろう」
「えっ〜!?私、イツキちゃんにもだらしない顔をしている自覚あるけど?」
「イツキ様は別格だ、イツキ様はこの天界の光だ!すべてを照らす光だ!私もイツキ様を見る時は、だらしない顔をしている自覚はある
・・・でもあの犬は駄目だ!さて、二度と浮気をしないように、イザベルにはみっちりと教え込まないとな。」
「ごめんなさーーーーい!!!」「却下だ!」
リンダは氣を込めた打撃で、ロベルタは各種魔法で、カレンは瞬間移動を交えた打撃で、イザベルは氣功砲を中心に攻撃をするが、全く効果はない。
「ふははははは!痛くも痒くもないぞ!・・・打撃を与えられなければ、あと5分で4属性ブレスが発動するぞ〜!」
「「「「ひーーー!!!」」」」
すると、異空間が開き『お〜い、ウェンディ!腑抜け追加な〜』とヴィマーナが放り込まれてきた。
即座に状況を理解したヴィマーナが4人に近づき、黄金の盾で防御体勢をとる。うむ、中々いい動きをしている。
取り敢えず4属性ブレスをぶっ放す!ヴィマーナはなんとか受けきったが、盾はボロボロだ。
「ウェンディ!5分っていったのに!嘘つき!」
「何故なら、デンジャラスコースだからだ・・・敵の言うことなど、真に受けるものではないぞ!」
尻尾の横薙ぎで5名を吹き飛ばす。
「そうだ!良いことを教えてあげよう。ここはイツキ様が作った特別製の空間だ。当然ゲートなどでは逃げられん。下に埋め込まれている白い魔石で定期的に怪我も治る、体力も、魔力も、氣力も、回復するのだ・・・だから、体の欠損も問題なし!私が手加減する必要がないのだ!・・・まあ、塵にしたら復活は無理だろうけどな」
「「「「「ひーーー!!!」」」」」
「一週間、死の恐怖を感じ続けたら、お前達の腑抜けた心も、イツキ様が掲げる【常在戦場】にまで、研ぎ澄まされるだろう!」
そんな事を言っていると、イツキ様が現れた。『お〜!やってるね〜!』
「「「「「イツキちゃん(様)〜!」」」」」
『あ、4日目からは、私も参加して神威マシマシで攻撃するから・・・私のレベルでのデンジャラスコースって意味だからね?』にっこり笑って、イツキ様は戻っていった。
「相当お怒りだな・・・良かったな?神から直々に本気の訓練を受けるなんて、戦士の誉れだぞ」
「「「「「死んでしまう〜!!!」」」」」
「だから、中々死ねないのだ!ここは。さて、最近修行している魔法も試してみるか?」
数え切れないほどの火の玉が現れた。「ロベルタの障壁はどれほどのものかな?ほれ!」それが流星の如く降り注ぐ。
「「「「「ぎゃーーー!!!」」」」」
次にイツキ様が現れるまでに、意識を保っていられるのかな?・・・みんな頑張れ〜!




