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036話 総長、ガイア眷属神を火刑に処す

「それじゃ!眷属神をしばいてきますか〜!」と障壁の外に出る。


上空にいる眷属神を観察するが・・・何アレ?巨大な白い球体に何十人の人々が取り込まれている?それぞれの顔・手・足の一部だけ表面に出てる。神聖な気配はするが見た目の嫌悪感がすごい。こんなの眷属神にしているガイア神はゲテモノ趣味なのか?


「ガイア神の許可もなく神を名乗る外道!お前が山本・・・伊月???・・・なんだ?神だと言う割には力を全く感じんな・・・さては、最近九尾に昇華した六神立花の身代わりだな!?

くくく、ハハハハハ!上位存在のくせに愚かな。で、お前が私の人身御供に選ばれたか・・・つまらん!こんなゴミではなく、私の攻撃を防いだ六神立花を出せ!


ん???立花の身代わりではないですが・・・でも、この汚物スライム、なんか面白そうだな、ちょっとからかってみるか!


早速、片膝を付き

「おおっ!?流石は天界ガイアの名だたる神は何でもお見通しですね!すべてご明察通りですが・・・私ごとき一般人があなたにお会いできたこの僥倖!(両手を大げさに広げて)生涯一度の奇跡!

是非あなた様のご尊名お教え願いますでしょうか?」こいつ、さっき外で名乗っていたけど聞いてなかったので。

ぷぷぷ、ちょろいなこいつ。すごく嬉しい気配がしてきたぞ!笑いをこらえて頬がプルプルしてしまうのを我慢しながらへりくだる。


「ふふふ、貴様ごときゴミが神たる我が名を知りたいというのか!?ふふふふ・・・まあ、よい。今日は気分が良いので教えてしんぜよう!我が名は【九十九神つくもがみ】だ!」・・・へ?付喪神?何かに憑依している存在?

その後、自分の出自をペラペラと話しだした。情報あざっす!


「我は元々、歴史上に名を残すような偉人が長い時間を掛けて昇華した聖人という存在なのだ。そして女神ガイア様の眷属に選ばれた。」

「当時、眷属となった聖人は数千人おり、ある意味自由奔放な女神ガイアを支えていたのだが・・・1万2千年前のタルタリアン共の忌まわしき戦争が!いまいましい!

戦争で傷ついた世界の崩壊を防ぐため女神ガイアは世界との同化を選択されたのだ」

・・・おお〜っ!立花情報では、女神ガイアは神の成長の果てに世界と同化したって記述があったそうだけど、実際は世界の崩壊を防ぐためだったのか〜


「我らもお供しようと思ったのだが、何分未熟。ならば『聖人みなが一つになって神になる』と賛同者を募って、融合したのがこの体なのだ・・・まだ力及ばずだがな」まさか、イエスとか仏陀とか空海とかも同梱されてるのか!?・・・これ見たら信仰心消滅するよ。いやいや!きっと取り込まれずに、どこかの天界で無事に過しているはず!大丈夫!


しかし、呆れて言葉も出ないな。ガイア神はお前たちが後をついで世界を支えてくれると思って、安心して世界と同化したと思うぞ。聖人達がそのまま研鑽していたら、その中から神が生まれていたと思うし。それなのに後を追う?安易に力を求めて・・・こいつら馬鹿すぎるな。

「・・・え〜と。賛同されなかった聖人の方々はどうされたのですか?」と聞くと、複数の顔達がニヤリと笑い「みな我の糧にした」だって・・・もはや悪神にしか見えないな、これ。

神聖属性も突き詰めると思考は暗黒属性と大差ないのかも・・・これなら居なくなったとしても世界に影響はなさそう。それが一番の懸念事項だったんだよ・・・では抹殺一択で!


「は〜っ、歴史書の記述にあんたの名前がないわけだ・・・なんたって悪神?悪霊の類だったんだもん。あっ!?妖怪に分類されてるかも?」もう演技は終わりだ。面倒なので早めに決着をつけよう。

「なに?ゴミが神に対して無礼ぞ!」と神聖属性の雷を落としてきたが、氣を纏った手で振り払う。


「な!?」

「お前みたいなクズは、天界ガイアに居なくても問題なさそうなので、排除する!・・・いいよな、虎虎」と一応確認するが、いつの間にか側に漂っている虎虎は何も言わない。

「おおっ!?おおっ!!!ガイアさ」伊月の超能力【牢獄】で拘束する。あまり触りたくないので一気に勝負を決めるか〜!と、瞬時に九十九神に近づき、無意識で全力攻撃となる左の蹴りを入れると、その姿がかき消えた。

・・・が、霧散した九十九神が別の場所で再生した「・・・おぞましい力だな、力を隠しているのか?・・・たしかに危なかったが、ハハハハ!!!我は力の集合体である!貴様が消滅させた力は、たった1割に満たない、直に戻る程度だ」と、被害状況を正確に教えてくれる九十九神さん。情報あざっす!

それに減った力は、私のエネルギー貯金に入金されてるので、きっと戻らないよ〜


「と、いうことは、続ければ消滅するってことだよね〜?」と答えると、ぎくっと体をこわばらせて逃走をはかるが、もちろん【牢獄】で拘束だ。

数発蹴りを入れると、残り3割程度になった。もう作業のようなものだが、新しい発見もあった。私の足技は制御不能で全力攻撃になってしまうが、力の入れ具合で多少効果に差が出る事、右と左で威力に差があることが判明した。利き足の右足の威力が左足より倍強い。使うとみな消滅してしまうので、今までは分からなかったのだ。これは収穫だ。


さて、そろそろ終わりかな?あっけないものだ・・・そうだ!神にどんな魔法が効果あるか?試すのもありか!「まずは、教会定番の火炙りかな?冤罪の炎はついに神自身にまで!ジャンヌ見てる〜!お前も参加しろよ〜!」と、今度は各種魔法で実験を始める伊月であった。


<立花サイド>


結界内は静寂に包まれている。初めは伊月の実力の一端に恐れおののいていたが、魔法でいたぶり始めた辺りからは、別の感情に包まれている。


「まずは、教会定番の火炙りかな?冤罪の炎はついに神自身にまで!ジャンヌ見てる〜!お前も参加しろよ〜!」

「ぎゃーーー!!!貴様!神に火炙りとは不敬の極みだ!」「えっ!?・・・私も神ですが・・・なにか?」

「ああっ!神を語る不届き者め!(十字を切る)邪悪で醜悪な真の姿を現しなさい魔女め〜!・・・もちろん、あなたが魔女でなければ、審判の炎はあなたに癒やしをもたらします・・・なんちゃってwww」

「ははは!燃えろ燃えろ〜!ジャンヌ〜!お前も来いよ!」


あまりの光景に「あの、立花殿。さすがにあれはどうなのでしょうか?」とファルエリオン殿が話しかけてきた。まあ、神を頂きに据える天界サターンの思考ではそうですわね。絵面的に火炙りってのも・・・あっ!ジャンヌのためですわね。

「あれでも、伊月は思考は理知的です・・・非常に分かり辛いですが。なので相応の理由が無いと止められませんわよ。『あれは神だから』程度では無理ですわ」恨みに囚われて、神の仕事も放棄しているようだし。

話をしていると、ジャンヌが進み出てきて「ファルエリオン殿、私は前世で教会勢力に便利に利用されて、最後は魔女として火炙りで殺されました。そして今世でも怨念に凝り固まった私を救ってくれてたのが伊月殿です。さらに約束を守って頂き、神に罰をお与えに、しかも火炙りってwww・・・・ふふふ、グフフフ、ヒャッホーーー!!!伊月殿ありがとうございます!!!」と伊月の元に駆け寄っていった・・・話の途中なのに、我慢が出来なっかですわね〜・・・ファルエリオン殿がドン引きです。


「おっ!?ジャンヌ来たか!今こそ前世の恨みを晴らすとき!ほれほれ!一緒にやろうぜ!・・・このはの力を借りて暗黒属性寄りの炎に・・・よし!そうだ、いけ!」

「ぎゃーーーー!!!暗黒属性ダメーーーー!!!」

「はははははははははは!!!気持ちーーーーーーーーーい!!!なっさけなー!私を火炙りにした神が悲鳴を上げてる〜!ひゃははははははは〜」

「そうだ〜!心のうちに燻っているものを全部使い切るんだ〜!ファイヤー!ファイヤー!」

「は、体が・・・やめろーーーー!我は神ぞーーーー!!!」


・・・ジャンヌ、本当に大丈夫かしら?


「色々と言いたいことはあると思われますが、世界樹に害を為した時点で、あれは神失格です。私達は結果を最後まで見届けましょう」いずれ伊月が天界サターンに行ったら、また見る光景かもしれませんわね。とはさすがに言えません。

「・・・はい」ファルエリオン殿は渋々納得してくれたが・・・天界サターンの未来をまざまざと見ているようで辛いのかもしれませんわね。


しかし、伊月と一緒にいると、ほんとに飽きることないですわね。昔は六神財閥のために生涯尽くすと誓っていましたが・・・今では無価値、既にゴミ箱にポイしてしまいました。

この、なんとも言えない感覚は、もう手放せませんわ。生涯、伊月と一緒に進もうと心に誓った瞬間だ。


<はるかサイド>


顔なし天使が周囲を魔法攻撃した際、周りの木々からはもちろんだが、世界樹からも強い怒りの波動が伝わってきた。

私はハイエルフらしいが、ずっと日本で育ったのでその認識はない。覚醒後は木々と簡単な意思疎通できるし、手助けもしてくれるし、正直お友達感覚の認識だった。だが、世界樹達の怒りの波動を受けて、今まで感じたことのない憤怒が体中を駆け巡った。「ああ、私はハイエルフなんだな」と納得出来てしまう程の憤怒だ。

それでも、なんとか冷静を装ってみなと話をしていた。だが、その人生最高の憤怒も、神威を浴びて萎縮してしまった。正直情けなかった。(伊月に言わせると)しょぼい神威に萎縮してしまう、矮小な情けない自分にだ。

だが、伊月の叱咤で目が覚めた!そうだよな、私はあいつと同じ神の眷属なんだよね。流石に今は敵わないが、今後は心身ともに鍛え上げ、いつかきっと!みんなや世界樹を守れる存在に・・・出来ればハイエルフの力をもっとしっかりと認識したいな、とも思う。

ふふふ、色々と楽しいな〜 ここ最近の日々が人生で一番輝いている!まさに黄金の日々だ!


<さくらサイド>


神威に萎縮してしまい何も出来なかった私、その時、女神マーキュリー様と話をした出来事を思い出した。伊月の急激な成長を不思議に思い女神マーキュリー様にお話したのだが、その際に聞いた話に衝撃を受けた。

「伊月は、生まれたときから何者かに瘴気を当てられ続け、異世界転移でその瘴気が断ち切れたそうです。おそらくですが、それで抑えられていた力が一気に開放されたのでは?と思います」生まれた時点から今の私達のように威圧を受けながらも、それに一切屈すること無く成長し続けたのだ。

「『重力負荷状態での修行みたいなもんだよ』と伊月は言っていましたが、想像を絶する修羅の道を歩いていたのです・・・それなのに、善意に満ちて泰然としている。眷属や神獣たちもある程度主の心に近い存在が集まりますから、それを見ても分かります」と言っていた。その言葉を聞き、女神マーキュリーの眷属、ホモ剣の聖剣マキナを思い浮かべてしまったのは内緒だ。

私が尊敬する唯一の存在は、なかなか私が隣に行くことを許してくれない。これも糧にしていつかきっと!並び立つ存在になりたい!・・・まずはファルエリオン殿にしっかり指導して頂こう!


<神獣三姉妹サイド>


『ほへ〜、やっぱり母様はすごいのじゃ』『さすが母上!キューーー!』とタツキ達がのほほんと話しているが、これは大問題だ。

『二人共、関心している場合じゃないよ!』と言うと、『どういうことなのじゃ、アリス姉さま』と、きょとんとした顔をする、タツキとムース・・・かわいい!・・・って、シスコンにふけっているときではない!

『このままじゃ、伊月の役に立てなくなるよ。力の差がありすぎて、問題は伊月が即座にすべて解決!・・・私達いらなくない?』と言うと、『まずいのじゃ〜』『キュキューー!!!』と二人は恐慌状態に。

流石に追いつくのは難しそうだけど、これ以上引き離されるのはよろしくない!『この戦いが終わったら、特訓だよ!・・・まずは、伊月に安心して仕事を任せてもらえる存在に!』と宣言する。


『おーーーー!』『キューーーー!』


・・・やれやれ、とんでもない親を持ったものだよ。私達を生み出せる存在なのだ、当然と言えば当然なのだけど。

満面の笑顔で愚痴をこぼすアリスを不思議そうに見ているタツキとムースだった。



<???サイド>


・・・時は今!私の理想のために!すべてを捨てる!・・・楽しんできてね!伊月ちゃん!


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