表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/303

035話 総長、ガイア眷属神との戦闘開始

ゲートを2人でくぐると・・・今度は世界樹の麓、決戦場に到着した。


「・・・さくら、世界樹ってリニューアルしたの?でも、ちょっと趣味が悪いぞ、これ?」・・・さくら!分かってるよな?ノリツッコミだぞ〜

「??? 何を言ってる?馬鹿かお前は!それより戦闘が気になる」と走っていった・・・さくらよ!君にはがっかりだ!


そ・れ・に、だ!まずはシャルに周囲の探知と戦闘状況の確認をさせるのが正解なんだけど・・・何のための使徒だよ!探知特化なのに、使わずに無防備に突っ走ってどうするよ!

まあ、後で『落ち着いて状況確認も出来ないのきゃ!脳筋め!・・・ただでさえ少ない出番を削られたにゃ〜!』とシャルにキレられて反省するが良い!・・・さくらの脳筋具合が予想以上にひどいので、シャルに自分の意志で強制的に出てこれるように変更しよう!と決めた。


さて・・・状況は、神クラスの反応は無い、指揮官クラスの天使と立花達は一緒にいる。ある程度話が付いているようだね・・・これなら鬼熊部屋で鬼隠関の特訓を観察しながらのんびりお茶を飲みたかった!


戦場に戻ると、顔なし天使達との戦闘自体も停止していた。立花とはるかに戦況を確認する前に・・・

「初めまして、天界サターンの天使さん達。私は山本伊月、鑑定では一姫貴王神いっぴきおおかみ・・・一応神の端くれになっているわ」格はこちらの方が上なので、へりくだる必要はない。・・・相手が格上だとしても、へりくだるなんて面倒なことする気は一ミリたりとも存在しないが。


首魁の天使が前に出て、片膝を付き挨拶を行う「まずはこちらからご挨拶するべきところを・・・ご紹介痛み入ります。私は天界サターン所属、女神サターン様直下の10大天使の第10席、ファルエリオンと申します」6枚羽の天使、銀髪、銀瞳、背が低いため、外見は生意気そうなお子ちゃまに見えるが、なかなか丁寧な挨拶に感心する。

でも・・・「なあファルエリオン?あんたが第10席っての、うそでしょ?」と言うと、ファルエリオンは「その理由はいかに?」と泰然としたものだが、後ろの二人からはわずかに怒気が漏れてきた。へー、部下には慕われているようだ。

「私の見立てだと、あんたは10大天使の筆頭クラスだ・・・後の天使2名の力を見ても、あんたが10席はないだろう?」ファルエリオン以上の猛者が9名も居るなら、さっそく遊びに行きたくなる。

「いえ、私どもの天界には、私以上の強者がゴロゴロしており・・・」「はい、黙って!」というと、即口を閉ざす。まあ、だいたいこんな流れかな?と予想した内容を話す。


「かぐやちゃん・・・元はセラフィか。あんたの仕える主人セラフィが神レースで失格となった。すぐに主人を鞍替えすれば筆頭も狙えたが、あんたは主人に対する忠誠に変わりはなく誘いをすべて断った。その忠誠のせいで・・・・実力はあるけど、立場は悪く最下位の席になった・・・で、その後はコネや賄賂が横行し、神の眷属が腐敗して天界サターンはどんどん堕落中って訳か。あんた達がセラフィを探すわけは、セラフィを旗頭にした、その悪循環の一掃だろ?」


私の話に返答はしなかったが、ファルエリオンの実力うんぬんのくだりでは、高揚した気配を隠しきれない後ろの天使2名・・・その後の腐敗のくだりでは、怒りではなく僅かな動揺・・・やはり間違いなし。

まあ、すぐに天界がおかしくわけではないだろうが・・・ナチスタルタリアンもコソコソしているだろうしな〜・・・ああ!面倒だ!

元々は、道が通じている天界ヴィーナスと天界マルスを冒険者家業のついでに観光するつもりだったんだ!それが予定外の天界マーキュリーへの転移に加えて、訳の分からんナチスタルタリアンが現れて、今度は天界サターンが追加とは・・・あの爺さんのように諸天界を悪を懲らしめながら漫遊するの?私!?必殺の印籠もないのに!・・・まあ、天界は落ちても困るので暇なときにね。どこも楽しめればいいけどね〜


「まあ、セラフィは力を失ってるから、その辺のことは『セラフィの一人娘』であるさくらに相談しなさいな」と、使徒のシャルにキレられて、頭を下げっぱなし中のさくらを指差す。

「「「娘が!?」・・・えっ!?あ、あの方が・・・ですか?」」後ろの二人は、がっかり感がダダ漏れだ。でもファルエリオンは懐かしそうに微笑ましく見ているぞ・・・実力は一流だし、もしや!?かぐやちゃんの教育係!?・・・脳筋さくらの母親だし!かぐやちゃん昔はポンコツだった疑惑来た〜!!!

・・・後でカマかけて、からかってみよwww


「まだ、猪武者ってレベルだけど・・・後ろの二人とは互角くらいだぞ。一年もすればファルエリオンも追い越すよ!それは保証する」・・・ほら、期待値爆上げしといたよ!あとは自分で頑張れ!さくら〜!いよっ!天界サターン期待の新星!・・・面倒事を、ぽいっと丸投げしたよ。


「でさ、セラフィの捜索は終わった訳だ。なら、しばらくはさくら達の教育係として、天界ガイアに留まらないか?別にすぐ天界サターンがどうこうなるわけでもないでしょ?」

戦闘は教えられるのだが、天使特有のものは知らない。ついでに立花達の教育もファルエリオンに丸投げできるので、一石二鳥だ。私以外の戦闘巧者に鍛えられるのもいいだろう。

しばらく考えたファルエリオンだが「願ってもないことです、よろしくお願いします」と了承してくれた。ならば・・・褒美も与えないと。

「ありがと!それならば、あんたは私が鍛えてあげるよ。天使は「氣」を知らないようだし。それに、まだまだ伸び代がありそうだ」というと、ようやく白百合のような笑顔を向けてくれた。大天使!カワユス!と言いたいが、その笑顔に反した闘気がすごい。やっぱ戦闘民族だ、この子も・・・天使族脳筋説が浮上した瞬間だ。


なら、あれはいらないね〜 魔力をネリネリ圧縮圧縮して極寒の空間を用意します。

「絶対零度」を発動して、空に浮かんでいる顔なし天使たちを瞬時に凍結させて一掃する・・・周りの皆が驚愕している。きっと立花は「伊月がやれば・・・でも自身の成長が」とか頭の中がぐるぐるしているはずだ。

「ん?魔道具を持つ部隊が魔法を弾いた!?障壁?」槍、剣の部隊は一掃出来たが、既に周囲を取り囲んでいる魔道具を持つ魔法部隊?と思われる隊は魔法を弾いて難を逃れた。

そして、そのお返しとばかりに業火の火球を投下してくるのだが、私達に飛ばすでもなく、なぜか自身の直下に投下している。意味が分からないが「みんな!神意不明のため周囲警戒!皐月さつき!新月騎士団全員で消火にあたって!」「「「「「「「了解!」」」」」」」

「雑魚は、顔なし達が落とした武器を回収!」「・・・仕方がないな」


「ファルエリオン達は・・・その顔では何も知らないようだね」「申し訳有りません」・・・周囲を燃やして何の意味が?世界樹ユグドラシルが怒り狂って、神との不和を招くだけだよな?

「立花や他の皆に、何か考えはある?」「「「「・・・・」」」」「あれでは、世界樹との不和を招くだけだよ。私達がハイエルフの集団なら怒り狂って暴走するけど、今のメンツでは意味がないよね」はるかの考えも私と同様だ。

みなで考えをめぐらしていると・・・「む?どうやら主役?の登場のようだ!」


はるか上空から、神威の塊が降下してくる。・・・え?皆は神威の圧に恐れを抱いているようだけど?

私はなーんにも感じない。逆に、えっ!?こんだけ?って感じだ。私の業力50%使ったら、弱いものいじめになりそうなんだけど?剛力だけでもいじめになるかも?ってレベルだ。

だが、みんなの認識は異なるようで・・・

「伊月様、これは眷属神と思われますが・・・我が天界神サターン様に匹敵する神威です。私達が足止めしますので、どうかお逃げ下さい!」と決死隊みたいになっているが・・・ファルエリオ〜ン!?あんたのところの天界神、そんなに弱いの!?

「伊月!私がゲートを開くので、早く逃げて」・・・立花も!?私の力を把握出来てないのか?・・・ん〜?ある程度力の差が開くと、力の差異が認識出来ない?ってこと。


「な、なんとか・・・世界、世界樹と交渉・・・を」「さ、流石にこれは!?」「・・・・」みんなも同様か?ん?なんでジャンヌが剣化してるんだ?ジャンヌの神聖属性では効果ないのに?・・・このは、いよいよ、やるのかい?

神獣の娘たちも、ガタガタと震えて私に纏わりついている。久しぶりにアリスが私の頭の上に居る「アリス、久しぶりだね!私の頭の上に居るのって」「・・・い、伊月?そ、そ、そ」と歯の根があってないね。


「は〜っ、まったく・・・みんなさ〜、あんな弱っちょろい神威に何ビビってるの?」というが、みんなの目は『私が強がっている』と思っているようだ。

ならば・・・周りに障壁【イージス】を展開して、神威を遮断する。

「「「「「「「えっ!?」」」」」」」「神威が消えましたわ!」と驚いている。そりゃ障壁張ったからね。「ね?余裕でしょ!?」というが、みなボーゼンとしている。あのしょぼい波動が、そんなに恐ろしいのかな?

「大体、まだ業力ごうりきすら使ってないんだけど・・・剛力ごうりきだけで問題なさそうよ」上空からは「我はガイア様の眷属神『九十九神』なり!我が神威の結晶【神罰】を受けろ!外道共めがーーー!!!」とか騒いだあとに、光の柱が落ちてくるが・・・衝撃一切なし。私の体内への【エネルギー貯金】だけが、一方的に貯まっている。

ここに至って、ようやく強弱の判断が出来てきたようだ。「い、い、伊月!?あなた、いつ?そんなに強くなったの!?」「最近力の差を感じなくなって・・・てっきり実力が伊月に近づいたものと・・・」「私もだ」「・・・・」私の仮説が正解!?

「それって何時くらいから?」と確認すると、私が超能力を開発した辺りだそうだ・・・あ〜!超能力開発で認識できた力『エーテル』が、『気づいてくれ』『やったー!』とばかりに、私の体に移住し始めたからか。


「・・・残念なお知らせだけど、多分私の力が増えすぎて、認識出来る範囲をオーバーしたんだと思う。あの頃に認識出来たエーテルが、ここぞとばかりに体内に住み始めたからね・・・ちなみに今も移住バブルが続いてるし」

こんな事をいうと「伊月だけ!ずるい!」とか言われるのだが、今回は明らかに安堵している。それ程に神威が怖かったのだろう。ただ、このまま負け犬根性が育つのも困るな。


「だいたい、あんたたちも外のやつと同じ神の眷属なんだけど?なのに、この体たらくは・・・修行が全く足りてないんじゃないの〜!?これは後日、地獄の特訓が必要だね」とからかっておく。悔しそうにうつむいてるが、恐怖が勝って反論は難しそうだが、落ち着いたら反骨心を持って頑張ってくれるだろう。


「それじゃ!眷属神をしばいてきますか〜!」と障壁の外に出る。


みんなのためにも、早めに決着つけないと!・・・でも、未来視では相打ちだったのに?随分差異が出てきたな〜、と緊張感もなくのんびりと考える伊月であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ