004話 総長、王城から追放され宣戦布告をする
「では、ステータスの開示をお願いします」
エ○ゴリ君が台車を押して、ステータス鑑定道具を私の手前まで移動してきた。
さて、手に纏う「氣」の濃度を調整して、黒い円柱の石の上に手を置くと・・・ステータス(改ざん版)が表示された。
<ステータス>
名前:サマンサ・ルージュ
年齢:18歳
性別:女
種族:人???らしい
存在値:レベル2
<マスタースキル>
◎男の天敵:金的への精密攻撃
(異世界転生時取得、オリジナルレアスキル)
「「「「「・・・・・・・」」」」」
「みなさん、見てください!レアスキルがありますよ!これで、皆様のお役に立てそうです〜♡」
ダメ押しでボケてみた。みんな、いい顔で沈黙してますね〜www
さてさて、あてが外れたクズどもが、どんな罵声を浴びせてくるか・・・
「何だこれは!!!スキルが金的のみだと!異世界転移者はスキルが強力と言っていたではないか!あれは嘘か!!!」
人???らしい、はスルーしてくれてほっとしました、下品な王?がブチギレしてますよ、ざまあ!
「これでは・・・顔は美形なので愛玩用には使えますが、戦闘は無理でしょう」
王?の隣の髭達磨、こいつは宰相か大臣辺りかな?類友だね・・・ふふふ、こいつも〆る候補に決定!
「腹立たしくて、そんな気も起きんわ!!!胸も貧相だし、起伏もない・・・萌えん!追放だ!つまみ出せーーーー!!!」
おい!・・・おまえは念入りに、念入りに〆てあげますよ〜?
騎士二人が両サイドについて、部屋から追い出されましたが・・・コンの目がキモい。
「・・・騎士の皆さん、ステータス見ましたよね。私にちょっかい出すとレアスキルが火を吹きますよ?」
忠告しましたが、コンは私のお尻に手を伸ばし・・・
「やれるものな、ハグッあ〜!!!!」
「あら?どうやらオートスキルのようで(うそ)、ほほほ!」
逆タマの刑に処しました・・・両のタマタマを体内へ没入。足さばきで ちょん、ちょん で完了!・・・すごいな精密操作、初めて得たスキルの有用性を実感した。
えっ?鎧を着ている騎士だから無理だろ?そんなの下から小突けばいいじゃん!
あなたは私の発氣を忘れてますよ〜?
金的への精密攻撃+氣功波動の合せ技、あなたもお試しで受けてみます?
もう片方のエネゴ○騎士は無表情で沈黙を続けます、こちらの方は常識人?のようだ。崩れ落ちているコンは放置。
その後は何もされること無く、情報もお金すらも貰えず下働きの通用門から追い出された。
さあ!異世界を満喫しようではありませんか!・・・でも、先立つものが必要だよね。
門を守る兵士に
「あの〜、せめて迷惑料として当面の生活費を頂けないでしょうか?」
と、ダメ元で聞いてみると
「お前のような無能に、渡せる金などない!!!消えろ!!!」
「王都の外周部に緑色の建物がある。召喚されて娼館へ往く、ぶはははは。良かったな〜!気持ちよくなってお金までもらえるぞ!!!」
・・・クズどもが、この国の死刑確定!
はい!まずは宣戦布告を・・・って、この国の名前すら聞いてないな。まあ適当でいいか。
うちらのレディースをバカにした奴らが、今までに無事で居たことはないのだ!
そう!それが国家権力であっても関係ない!外国や日本との軍事戦闘、暗殺部隊との戦闘実績もあるのがうちのレディースだ!
城の正門に移動すると、その前に大広場があったので、そちらに向かうことにする。
王城の周りは貴族の住む邸宅、広場はお店がメインのようなので、派手にやっても問題ないだろう。
そして隠蔽していた氣力・魔力?を解放!おお〜!開放感最高!しかも、氣力がめっちゃ増えてるし、コントロールも今までとは比べ物にならない程だ。正直・・・神にでもなった気分だね!
魔力もどう使っていいか瞬時に分かる。これは創造の力だ。
戦闘時に活躍してもらいましょう。
声帯に氣力をまとって広範囲に伝達出来るようにして
「みなさん!!!聞いてください!!!」
イツキの心地よい声が王都中に響き渡る。
ん?意図してないけど、声に魅力が付与されてる?まあ、視聴割合が高まるので丁度いい。
「私はこの国に無理矢理異世界より転移させられた、サマンサ(偽名)と申します」
正門から、慌てて私を取り押さえに来た兵士5名、それぞれ腹・顔に高速連打2発ずつ浴びせ沈黙させます。
・・・弱ッ、兵士なのに動き遅すぎ、弱すぎて殺す気にもならない。
もちろん、金的以外の格闘も出来ますよ!ってか、宣戦布告する国にもう加減の必要ないから。
改めて・・・
「私はこの国に異世界より転移させられてきました、もちろん無理矢理です」
周囲の民衆たちが集まって来た。嘘つき!って感じの視線は感じないので、異世界転移は前例があるのだろうか。
「そして、言葉も分からず動揺する私に、いきなり隷属の腕輪を付けようとしました」
ここは創作ですが、アイツラの事だ、概ね間違いではないだろう。
「身の危険を感じた私が拒否すると、今度は言語習得の水晶を渡してきました」
「言語習得の魔道具は、脳を破壊される可能性が高いようですが、それを説明もなく使用させられました」
「しかも、こちらも習得する際に、王への絶対服従の思考を植え付けられる悪質な罠がありました」
「幸い、私は異世界転移時に、特殊な力を授かったために事前に察知、回避しましたが・・・これがこの国のやり方かと怒り心頭でした!」
「そんなやり取りの中、この国の王は私の体を舐め回すように見る下劣な存在でした」
城の正門前で王を批判しているので、みんな驚愕してます。
ただ、憤っている忠義厚い国民は皆無なので、あいつ・・・やはり無能なのかな?
「罠は回避出来ましたが、今後どんな仕打ちを受けるか・・・私は隠蔽魔法を使い、ステータスチェックで最低値が表示されるようにしました」
魔法はまだ使えないけどね。隠蔽したので嘘ではない。
「そして、その低ステータスを見た王は烈火のごとく怒り『こいつを追放しろ』と言い放ちました!」
「王の横にいた髭達磨は、能力ないなら愛玩用に、と、こいつも下劣でした、類友と言うやつですね」
「さらには追放のため城を追い出す途中にも、狐目の騎士が私を手籠めにしようと襲って来て・・・もちろんレアスキルであいつのタマを蹴り飛ばしてやりました!」
周りからは失笑が聞こえてきますが、あなたたちの妻や娘もそんな扱い受ける可能性あるんだぞ〜?
「そして、下働きの通用門からこの国の説明もなく無一文で追い出されたところです」
「ちなみに、先程兵士を倒したことで分かると思いますが、実際の存在値はレベル127です」
すると周りからどよめきが。周囲のつぶやきを拾うと人族はレベル50が最高らしい、本当かな?
追い出されるときに聞いたら、城の騎士団長でレベル20位だと自慢されたから、ただ弱いだけだろう。
私でも127だぞ。この国の騎士のあまりの低レベルに笑ってしまった。
「私はここの国民ではないので、私の実力も測れない無能で下劣な王のもとで働くつもりは毛頭ありません」
「そして我が祖国では、国民が順守するこんな決まりがあります。それは【非礼には10倍返し】です」
・・・うちのレディースの教訓だけどね。
「その言葉を順守するため、私はこの国に対し宣戦布告致します!!!」
広場の皆さん、ポカーンです。まあ個人の宣戦布告だから当然だろうね。
「お前ら!!!レディース【同盟】総長、サマンサ様に手を出して、この国が無事で済むと思うなよ!!!こちとら、元の世界でも世界最強だったんだ!」
広場の皆さん、ポカーンとした後に「こいつ馬鹿か」と失笑が入り混じってますが・・・危機感ないね。
私が侵略を成し遂げたら、この機会を逃さずに他国が侵攻してくるだろう事も。お前ら最低でも奴隷だぞ。
まあ、私の知ったことではないな。
挨拶代わりに、公園の中央部にある10m程の人型彫像を上段蹴りぶち壊し・・・うわっ!?相変わらず蹴りは氣力操作出来ないんだよな〜?
彫像は芥子粒になってしまった・・・・こちらでも蹴りは封印かな?まあ、最後にもう一回!
30m程飛び上がり、跳び蹴りの態勢で広場の石畳をぶち抜くと、石畳は飛び散り、クレーターが出来た。周囲では地面が液状化までしている。
周囲の建物はガタガタになってる・・・失笑してたゴミも大分片付いたな(物理的な意味で)。
慌てて逃げ回る人々、死者、怪我人も大勢出てるけど宣戦布告はしている。恨むなら私と危機感皆無の自分、そして無能な王を恨むんだな。
伊月は基本的に氣力の操作は得意なのだが、蹴りについては例外で、蹴りの際に足に氣力が無意識に充当されてしまい常時フルパワーの攻撃になる。
それでは、みなミンチ(正当防衛で体験)になるため、今までは極力使用を禁じていた。
だけど、ここは私に関係ない世界。しかも無礼に無礼を重ねまくった国だ。
誰が死のうが正直どうでもいい。どうせこの国は滅ぶのだから。
「他者をいたずらに弄ぶな!」
これが伊月率いるレディースの唯一の理なのだが、相手の行動次第で簡単に破棄される。
今回は、無許可での異世界転移、横暴な扱いで弄ばれた結果の宣戦布告なのだ。すでにブレーキは存在していないし、ブレーキ役の四天王も居ない。
そして、ここは異世界。四天王以外で唯一、伊月を縛れる日本国の法律など一切関係がない。
よし!戦闘開始だ〜!!!
この国は、残忍な悪魔といえる存在を起動させたのだ。
「アリス、サポートお願い」『了〜!』
「タツキ!おまたせ!いよいよ出番だ!!!」
『まかせるのじゃ!!!』
やっと紹介出来ます!私の氣力から生まれた、次女の幻獣タツキちゃんで〜す!パチパチパチ!
容姿は銀色の東洋龍さんです。
タツキちゃんは、しっかり「氣」のコントロールが出来るようになった7歳頃に発現しました。
アリスが【知(意識)】で、タツキが【発氣】を司ります。
でも、私の体に「氣」が完全に馴染んでいないようで、幻獣としてはまだ成体ではないんだって。そのためなのかアリスと違い容姿は銀色のままだ。
さて、道程を阻むものすべてを破壊しながら正門前に移動して・・・氣を両手に集中させ、腕の周囲に纏い、巨人の腕の出来上がり!!!
ゴ◯ゴ◯ムの漫画見てやってみたら、使い勝手最高だったんだ!強度調整も可能で、5〜6人まとめて〆れるからね!
私の攻撃を見て、慌てて閉めた正門に正拳突を3発、あっさり粉砕だ!!!
怯えた様子で遠巻きから見ている周りの野次馬共からは一言も音が聞こえませんね、まだ驚くのは早いけど。
「タツキ、嫌がらせに城壁すべて壊してきて!」
「いやっほーーー!!!異世界最高なのじゃーーー!!!」
「タツキ!!!油断せずに氣の障壁はキッチリ張りなさいね〜」
さすがにタツキは学校では過剰戦力のため、ほとんど裏方。ようやく活躍の場が出来てとっても嬉しそうだ。娘のはしゃぎように、私も嬉しくなる。
そう考えると、前の世界は皆にとっても窮屈だったのだろう。突然の異世界転移だったが、いいことも多そうだ。
むやみに殺しはしないけど、近づく有象無象には保証はなし・・・だけど、この無礼な国の象徴であるお城はもちろん全壊させますよ〜
そして、それを見て絶望してくれよ、ふふふ。