表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/303

018話 総長、過去の亡霊と出会う

『円盤から出てきたら、どうする・・・って、聞くまでもないか』と、諦め顔のアリスさん。

「えっ!?ストーカーなんて抹殺の一択だよ!あんたも中学の時に頭の沸いた輩を散々見てきたでしょ!?」当時はそれはもうんざりしたよ。


なぜ「美人」ってだけで盛るのか?なぜあのゴキ共は「自分に好意を持ってくれる」と盲信出来るのか?意味不明だった。

まあ、相手の戦意を刈り取るのが一番と判明した後は楽だったけど。最も効果的だったのは他国の軍事施設への置き去り。施設の破壊とセットだと、以降二度と対象と会うことがなくなる。

出来れば大陸のあの国に放置したかったけど、ちょっと遠いから国内で済ませた。


着陸した円盤の下部がゆっくりと下降してきて、相手達の足が見えてきたところで、圧縮していない魔力で雷玉を作成して、隙間に放り込む。


「「「ギャビビビビいびビヤーーーーー!!!!」」」

おおっ!なんと心地よい響きでしょう!ストーカーは早めに全滅させないとね!

『ああ〜 本当にストーカーか分からないでしょ!?せめて話だけでも聞かないと、駄目だよ〜』

という言葉を聞き流しながら、円盤下部が完全に下降するまで待つ。


金糸を生成して、気絶している3人を縛り付けるが・・・なにこいつら?身長が4m位あるよ?米国にいた小巨人と同じ種族かな?

3人の容姿はいずれも金髪・碧眼の美丈夫。不思議なのが顔立ちが似ているので、3兄弟かも?

着ているものは軍服だが、第二次世界大戦時の映画に出てくる様な古臭いデザイン。左手の腕章には赤の生地に白丸&鉤十字のマークが。これって、ナチス・ドイツのハーケンクロイツ!?なんで別世界でこんなのにお目にかかるの!?


とりあえず、金の十字勲章を付けているやつを叩き起こそう。さて、こういうときは「虎虎ことら出番だよ!」と金属バットの虎虎ことらを呼び、右手で掴む。

『いまさらだけどさ、なんでここに虎虎ことらが居るの?地球・・・いや天界ガイアから持ってきてないよね?』そうだ!色々あってすっかり忘れてたよ〜

「そういえば、このはをしばく時に『細かな加減が出来る虎虎ことらがあったら・・・』って考えたら、現れたんで私もびっくりしたよ。まあ、虎虎ことらは寡黙だから聞いても話さないだろうし、それならそれでいいかな、と」


<アリスサイド>


伊月の話を聞き、通常ではありえないことなんだけど・・・伊月のもっとも古く信頼している相棒だから、そんなこともあるのかな?と納得してしまう。


伊月が虎虎ことらが出会ったのは、伊月が力を発現してから1ヶ月程だったそうだ。元々実の父母から嫌われおり、軽い体罰や育児放棄をされていた。だが力の発現以降は本格的な幼児虐待に移行したそうだ。

そして殴る蹴るの暴行におよぶも、氣の力に守られた伊月には効果が薄く、ついには金属バット(今の虎虎)での暴行を始める。まあ、その攻撃で伊月の能力がさらに研ぎ澄まされて、暴力の効果が全く無くなるという、笑うに笑えない状況になるのだが。

そのような状態が1年ほどつづき、すっかり暗黒面(伊月談)に埋没して殺意を漲らせていた伊月に対し『悪意を飲まれず使いこなして』『私と一緒に戦おう』『きちんと加減出来るから』と懇願したのが虎虎ことらなんだそうだ。

この件に関しては、嘘や幻聴などでは?とは、かけらも思うことは無く、私もタツキも初めて出会ったときから虎虎ことらに対しては尊敬の念を抱いている。きっとムースもそうなるだろうと確信している。


話はそれるが、その頃の伊月邸は伊月の暗黒面発動の影響で、近くを通るだけで怖気が走る程悪化、一時期は霊能者が「最恐」と恐れる有名な心霊スポットになっていたそうだ。今でもネットで検索するとヒットする。さくらの相撲部屋の力士達も噂を聞き訪れたことがあるそうで、幼体の悪霊(たぶん伊月の事)を見た!と逃げ帰り、その後1ヶ月ほど使い物にならなかったそうだ。


そして伊月は虎虎ことらを信頼、そして手に取り立ち上がり、フルパワーで父母を打ちのめしたそうだ。当時4歳児ではあったが、氣の身体強化を既に会得していた伊月。普通なら天国に召されていたはずだが、全力攻撃したにも関わらず、生かさず殺さずの丁度いい具合に〆られたそうだ。

まあ、当然ながら4歳時が起こしたものとは警察には認識されずに、犯人は不明のまま。両親は長期入院後、精神に異常(夜な夜な金属バットに説教されるwww)をきたして別の病院に隔離。後年、その事実を知った立花が手をまわしたようで、その後の生死は不明だ。

その後、伊月5歳の時に私が生まれるのだが、伊月が毎回嬉しそうに虎虎ことらの話をするので、当時は尊敬とは別に虎虎ことらに嫉妬したものだ・・・これはイツキには絶対話さないけどね!


<伊月サイド>


『マム!わたすというものげあるながらを!浮気するのけ〜』

と、絆が私に迫るが、虎虎ことらのそばに来ると、ピタリ!と静まった。そしてガタガタと震えだす。

「えっ!?絆!大丈夫?」と声をかけると

「先達ですたけー!ご教授よろぴーー!!」と虎虎ことらに纏わり付き出す・・・迷惑そうな虎虎ことらを初めて見た、いや感じた、が正解か。別の意味で絆が恐ろしいよwww

とりあえず絆は放置して、偉そうな男の顔に虎虎ことらで殴りつける。さすがだね!すぐに男が起たよ・・・まあ、鼻血が酷いが、おK!


「なにをするか!無礼者!!!我は、ナチス・タルタリアンの1等国民であり、超獣捕獲機関【ゲシュルト】第三部隊の隊長であるゴドノフ・ファンベルク・ユーグストチャンベルゲットカイザーであるぞ!今すぐ捕縛を解け!そしてお前とその醜い幻獣を差し出すのだ!」

「・・・・」無言のままボコボコに〆る伊月。他2名も目覚めたが、一言も発すること無く息を呑む。

伊月は、ゴド某に向けて黒い靄を出しながら

「・・・ゴ?だったか?・・・アリスを差し出せ?・・・却下!だ、しばらく苦しめ!」

悲鳴も出すことが出来ずゴド某は黒い靄に覆われていく。

『もっと情報を聞いてからにしたほうが』

とアリスはたしなめるが「ストーカーの話なんて聞くだけ無駄」と一蹴。

中学時、初めは理由等聞き出していたが「俺の女になる、それがあなたの運命だ」とか意味不明で、以後事情はストーカー本人以外に聞くようにしている。

「さて、残り2人か。どちらが情報を持っているのかな?持ってない方は・・・・分かるよね」

黒い圧を放ちながら、ニッコリと微笑みかけると・・・


「「すべてお話します!!!」」


この二人は、ナチス・タルタリアンの3等国民で、現在〆られているゴド某のクローンの様なものらしく、召使いの役割で生産された劣化個体だそうで、名前は2号と3号・・・初手から反吐が出る。

ご主人の許可がないと話せない、許可なく情報漏洩すると死ぬシステム、というので、二人の頭を神聖魔法で覆った虎虎ことらで殴打。それほど痛みはなく(涙目になる程度)、その際に不条理を取払うように魔法を行使した・・・アリスは思う『当たり前のように・・・イツキ神様みたいだ』


「ほら!これで呪縛は解かれたよ!・・・知ってることを話そうか」

と凄むものの、開放された事を実感出来た2人に一方的に感謝されまくり一向に話が進まない。いつもなら余裕のある伊月ではあるが、今回はアリスが絡む案件なので、親バカ伊月は既に暴発している!

「・・・・」とりあえず大人しくなるまで無言でボコる。

私とアリスの案件なので虎虎ことらも気合が入っているようだ。

ゴ?の時も、いつもより過激でギリギリを攻めていた、おかげで神聖魔法で治療しながら〆る、という高等技術を習得したよwww

一人は怯えきって話もできそうにないので、〆られたのに高揚して嬉しそうな気配を醸し出している変態の方を尋問する。

「しっかり話したらフルコースで〆る」と話すと「なんでも話します」との事だ。

・・・ちなみに先に書いた『他国の軍事施設に捨てた』のは、主にこういう輩だ。きっと軍の尋問で喜んでいることでしょう、相手は男だけどね。


こいつらは奴隷のようなものなので、ざっくりとした内容の話だが、世界樹のある大陸の(現在地から)西の端に、ナチス・タルタリアンの国があるそうだ。

はるか昔に天界ガイヤ(地球)に一大勢力を築いていた神人族で構成された『タルタリアン』という国が存在していた。この住人は強力な力と高度な文明を持つも平和主義で穏やかな生活を送っていた。しかし、他の天界より移住してくる他種族(今の人類は天界マルスの種族らしい)が増えるに伴い、他種族排他主義が蔓延。その後『他種族皆殺し』の強硬派・『皆んな仲良く混血もOK』の迎合派・関わらず研究一筋『孤立派』に分裂。そして他種族も含めた全世界での大戦争に発展したそうだ。その大戦争で、元は一つの巨大大陸であった大地が、現在の地図の地形に変貌した。最終的に神の介入で大戦争は3年で収束したそうだ。


「こいつらは強硬派ってところか」『この態度だもんね』


大戦争終結後『強硬派』は他の天界に散り散りに逃げ、戦争不参加の『孤立派』は行方不明だそうだ。『迎合派』は開戦当初に『強硬派』からの不意打ちで大打撃を受ける。その後他種族と多国籍軍を組織して対抗したそうで、混血が進み純血種はいないのでは?との事だ。

各天界にちらばった『強硬派』の神人族は、大戦争時の「ナチス・タルタリアン」を名乗りつつ、かつての戦争を一方的に集結させた神を恨み、『神への神罰』を目的に各天界で研究やテロリスト活動を行っているそうだ。

「こいつらに神罰を受ける程度の力しかない神なら滅んでも仕方がないけど・・・代わりにこいつらに管理されるって、虫唾が走りそうだね」

『それで何で私達を攫うの?』

「そんなのアリスがかわいいからに決まってるんじゃない!」

『伊月は黙って!』・・・怒られた。


「神の力の根源を調査するためです。幻獣や神獣、または神の眷属等、神と同様の根源を持つと思われる種族を片っ端からさらって、実験体にしています」

「・・・・宣戦布告だ」

『イツキ〜 あちこち噛みつきすぎだよ、もっと冷静に!』

「何を行っているの?タツキやムースも実験体に『宣戦布告だ!!!!妹達を汚す可能性がミリでもあるやつは皆殺しだ〜!!!』・・・だよね」

『まむ〜わきちも刀にもどって、怨敵をきったはったするベヨ!だから使って〜』


早速、偵察隊を組織しだしたアリスを放置して考える。そういう事ならこの世界の神にご挨拶をしないとダメだね。手土産持参で会いに行きますか!


「あの〜 フルコースはまだでしょうか?」と、頬を紅潮させソワソワしているこの変態は放置だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ