017話 総長、未知との遭遇する
アリスと、やいのやいの言い合いながら飛行していると・・・ん?そういえば。
「ねえ、アリス?このプリッとプリッとな杖は何?」
そう、さっきから金属バットの虎虎と一緒に私の周りを飛び回っている杖。
『ああ、それは『ママー!わたすのこつがわけれんのけーーー』』・・・ああ、絆か。
・・・・えっ!?
「絆ーーーーーー!!!あんた、刀の形状はどうしたのーーーーー!!!!!!」
『『あ!』』と、ようやく気づく二人「おい!!!3女誕生記念の大事な刀だぞ!」
どす黒〜い靄(このは直伝、靄が対象者をじわじわと食べていくので尋問にはとっても便利、もちろん〆た後は治療します)を出して二人を捕縛して、しっかり〆て白状させたところ、みなで相談して
①服に合わせるため(アリス:むふふ、プリッとプリッとフルセットでイツキを羞恥させる)
②魔法を飛ばせるよう(タツキ、ムース:母さんが心配だから)
という理由で容姿を改造したとのこと。もちろんアリスは念入りに〆ましたwww
「まあ、元の形状に戻れて、娘達3人も納得しているなら、それでいいけど」ほっとする二人
「でも、魔法と氣力を放出することって、既に解決してるんだよね。タツキとムースがヒントくれたんだよ」
『『え?』』と驚く二人
「今まで一緒に居たはずの絆はなんで知らないの?」
と聞くと、どうやらずっと気絶していて、気がついたら繭の外にいたとの事だ。その後繭から出てきた3姉妹と相談の上、自身の形状変更をしたらしい。とりあえず2人には原因と対策を教える。
「これ、タツキとムースに聞いたんだけど、氣力と魔力にとって、私ってものすごく居心地がいい優良物件なんだって。それで、魔力・氣力を放出出来ない理由は『安住の地(私)から離れたくないから?』と考えたんだ」
二人が何言ってるのこいつ?って感じで見てる。まあ、そうだよね〜
「うん、胡散臭い気持ち分かるよ。で、それならば、私への帰宅保証をしてあげればいい!と思ったんだよね」
・・・アリス、まだ話の途中だから、そんなかわいそうな人を見るような目で見ないで!
「そこでだ!魔法を発動時に吸収リングをセットにして魔法を射出、魔法発動後は吸収リングで最優先で回収します!と魔法と氣力に宣言したんだよ」
・・・おっ、アリスはようやく理解出来てきた模様。
「それで、完成したのがこれだ」と、魔力を軽く練って、手のひらに火球を出す。火球の上部には吸収リングが光輝いている。
「実際にはこのリングは隠蔽するけどね」
準備が出来たので、手のひらの火球を遠方に放り投げる。そして30m程先で爆発!その数秒後に吸収リングに力が吸収され、その後リング自体も消失する。
「ね?」・・・ふふふ、不憫な人を見る目から一転した、二人の称賛の視線が痛いぜwww
『イツキすげ〜!!!』
『ママすごよろp−』・・・ぬふふふ!そうだろ!そうだろ!
「しかもさ、あのエネルギーに漬かってから私のエネルギー保有可能量が半端なくて、頭と両手両足の吸収輪っかを使って常時補充していても、まったく貯まる感じがしないんだ。感覚では相当量あるのにだよ?それで魔力と氣力に『帰宅時に、良さそうなエネルギーがあったらついでに勧誘してくれる?』ってお願いしたの」
『えっ!?そんなお願いを聞いてくれるの?』
アリスは驚いている。そうだよね、そう思うよね。
「それが出来たのよ!私もダメ元だったんだけどね。で、そうなるとさ、攻撃すればするほどにエネルギーがドンドン集まるのよ!伊月邸はとっても評判良いようでねwww 凄いでしょ〜!?」
『なにそれ!?・・・イツキは24時間年中無休でオカシイよね?』
そんな四六時中問題を吐き出してる化け物みたいに!そこまでじゃないと思うよ!?・・・たぶん。
「ん?」感知にはなにも該当しないけど、上空になにか違和感が・・・
『どうしたの、イツキ?』・・・なんだろ?空からなにか迫ってくる!?
・・・ん〜?違和感があるけど、うまく認識出来ない。
伊月達は飛行をやめ、森の中に着陸しながら小声で「なにか接近してくる!左後方上空!わずかなゆらぎを感じる。アリスは分かる?」と聞くが、アリスには感知出来ないらしい。
「念の為、配下の神域調査大隊から数名準備しておいて」
『了解、すぐに準備する』
なんか、謎物体が辺りを観察している感じがするんだよね。それも私とアリスを中心に観察している。
中学時にはストーカー三昧だったから、この手の視点には敏感なのだ!
・・・なら、取る手は一つだ!!!
「よし!撃墜しよう!」
『え〜!?もうちょっと確認したら』『そうよマムさ〜』
「却下!アリスを狙うストーカーなど抹殺一択のみ!」
電撃でも?と思ったが、隠蔽の精度を考えると魔法対策はしていそうだ。
よし!牽制として衝撃波を浴びせよう。氣力で手の平サイズの弾丸を形成、その中に魔力込み込みの風魔法を思いっきり圧縮して封入。命中した際に圧縮した風魔法を対象に向け放出し、その際に起こるソニックブームで衝撃波を食らわす。
とりあえず隠蔽しながら30発。生成・・・・からの・・・発射!!!
無音の銃弾が謎の物体に襲いかかる。謎の物体は回避の気配を見せるが、時すでに遅し。時間差で3度に分けて30発すべて着弾「ドドン!」「ドドン!」「ドドン!」と大気を切り裂く大音量を発し衝撃波が襲い掛かる。
『イツキ、あの風魔法なに?相手の障壁を易易とぶち壊してたけど?』
「えっ!?風を圧縮しただけだよ?」アリスがため息ついてる。どうやら衝撃波はあまり意味がなく、風魔法のみで撃退したようだ。なら今後は初手の攻撃はしっかり圧縮した魔法で行おう!
・・・って、何?それだと相手が微塵になる?もっと手加減して?ふふふ、ストーカーに対してもアリスはやさしいね〜 でも駄目絶対!
魔法を浴びて撤退したと思った謎物体は、はるか上空に打ち上げられていたようで、重力に逆らえずに落下してきた。
「あれって・・・円盤型?まさか未確認飛行物体UFO!?じゃ宇宙人が乗って・・・あ!宇宙はなかったよね。ならあれは?」
UFO?は隠蔽魔法が切れたようで、その姿を顕にして落下している。全長は15m、体高は10m程。形はヨーヨーを横置きした形状そのままだ。感知すると中には3体の生命体がいるようだ。
UFO?は姿勢制御に四苦八苦しながらも、着陸用の脚を出し、木々をなぎ倒しながら無事着地した。さて、何が出てくるか?楽しみで仕方がないぞ!
<アリスサイド>
ちなみにイツキが言っていたエネルギーのお引っ越しの件、先程の攻撃時に調べてみたら、使用した力の10倍ほどのエネルギーが伊月邸へ引っ越してきました。
障壁が脆かったのはこれが原因、エネルギーの衝突中に『パラダイスにひと働きしたら戻るけど、一緒に行く?いいところだぞ!』って、交渉していると思うと乾いた笑いが出てしまいます。
でもこれ、もう力の強奪!ラノベ言語だとエネルギードレインってレベルだよね!?なんかイツキの対抗勢力が可哀想になってきたよ。
体調崩したり、設定再チェックなどなどで、ご無沙汰してました。