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015話 総長、ついでに四天王を鍛えます<六神立花編>

2022/9/25 内容を一部修正

金糸に絡め取られ、閉じ込められ、そこに金色の液体が満たされて、意識を失う。


気がつくと、伊月と向かい合っていた。「さあ、立花!正体を現そうか!」

「??? 正体?」

伊月にようやく会えた喜びも一瞬でふっとんでしまった。この娘はなにをいっているのか。

「行方不明のあなたをようやく探し出したと思えば、あなたは何をいってますの?・・・そうですか、アリスが居ないので馬鹿に戻ったのね」

「アリスは関係ないし、馬鹿ではない!なんでみんな・・・って、おまえも自身の正体わからないのか〜 そりゃ全然成長しないわけだよな」


この言葉に怒りを覚える。六神ろくしん家の筆頭後継者が成長しない?私がどれだけ努力をしているのか知りもしないで。

「成長しないですって?そりゃ背丈は伸びませんが、知力・体力を鍛える事を怠ったことはありませんわよ」

「あ〜 そういう意味ではなくて【妖狐】としての成長を聞きたかったのよ。さくらは知らないの分かってたけど、まさか、はるかも立花も自身の力を知らなかったとは。てっきり上手く隠してるのかと」

わたくしが・・・妖狐?まさかの化け物扱い?・・・それに、さくらとはるかも?

たしかにはるかの出自は特殊だけど、検査もして確認済みの普通の人間である。


「じゃあさ、なぜ私が立花提案のレディースに参加したか、その理由を教えるよ」

伊月の話によると、力を持て余し気味の伊月は同等(本気で殴っても死ななそうな)の力を持つ、あるいは将来有望な存在を探していたそうだ。そして中学の闘争時期に5名の将来有望な面子に目をつけてた。

高校に入学したら、それとなくコナを掛けておこうとしていたら、わたくしが候補者3名(わたくしも候補者だった、結構うれしい)を纏めて連れてきたので即OKしたそうだ。

その後すぐに候補者のこのはも参加してくれ、心のうちでは狂喜乱舞だったそうだ。

ちなみに最後の一人は斎宮内親王。皇居に幻獣がいるとタツキに聞いて忍び込んだ時に出会ったそうだ・・・頭が痛い。当時の警備隊長はこの失態に責任を感じて切腹未遂の騒動を起こしたそうだ。

だが「負けたままでいいの?それが天皇に対する忠義?自分は恥ずかしくて死にたいだけじゃないの〜?」と伊月に鼓舞?されて、今では『どうすれば伊月さんの侵入を防げるか』と隊全体でやる気をみなぎらせているようで、時折来訪(侵入)しないと逆に怒られるらしい。

ちなみに、警備隊すべてに発氣は伝授済みだ。


「そうやって、期待してたのに誰も成長しないんだ。それが不思議だったんだよね。・・・私は3年間で10倍は力つけたのに。」

・・・3年間は仲間だったので対戦はしてなかったけど、10倍!?うそでしょ!?

ちなみに、【このは(おそらく)神人っぽい感じ】【わたくし 妖狐】【はるか エルフ(改造中)】【さくら 鬼?】だそうだ。

たしかに普通の人間は一人もいないわね。まあ、他の方は後ほど確認するとして、私が妖狐って。


「わたくしが妖狐と証明するものはあるのですか?流石に信じられませんので」

いきなりお前は妖怪だ!と言われましても・・・父、母も普通に人ですし。

「あんたの親父に聞くのが一番早いけど、ここじゃ無理か。ちなみに立花が財閥の筆頭候補である理由は一番力のある妖狐だからだよ。唯一あんたの親父と同等だったし。他の候補者を何人か見たから間違いないよ」

・・・わたくしは努力で筆頭候補を掴んだものと思っていましたが、これは聞きたくありませんでしたね。そいえば幼少の頃から門外不出の書物を読ませて貰っていました。あれもそれが理由だと思うと納得できますわね。

「あとは、立花の下着って形状変だよね。妙にお尻の上部分の布地面積少なくて、六神家の伝統衣装とかいってたけど・・・尻尾があっても履けるようにだよね、あれ」

・・・まさか、まさか、まさか!?あの意味不明な伝統衣装の真実が今!?

「た、たしかに、あの意味不明の形にも尻尾が加味されると意味が出ますわね。でも、それだけでは・・・」

「すぐに証明は出来るけど。私がやると、その場合ケモミミケ&ケモシッポになるけど大丈夫?まあ、だめと言ってもやっちゃうけど」

な!?ちょっ!?「パチーーン」と額を叩かれた衝撃で意識を失ってしまった。

・・・こんなことで意識を、情けなさすぎだわ。


さくらと違ってうるさそうだから眠ってもらった。さーて、立花はどんな属性かな?妖狐だと炎属性かな?

まずは丹田に氣を流してみると

「私と同じで丹田に力の源があるね、人族はみな一緒みたいだ。へ〜立花は薄い金色か」

私の氣を最適に変換してドンドン流し込んで活性化させる。


「ケモ・ミミ、ケモ・シッポ〜、もふもふ〜 もふもふ〜」

氣力を流し続けると、幻影のように見えていた6本の尻尾が実体化した。が、獣耳はないようだ。既に人の耳が有るので増えることはないのだろう。純粋な妖狐ではないだろうし。

「獣耳がないなんて・・・はるかもだけど、このコンビはなんで大事なものがないのかな?・・・もう付けるしか無いよね、耳が4つあっても問題なし!改造しよう」

・・・やりたい放題の伊月である。


「どれどれ、魔力量もすごく多いね、意外に立花はバランスタイプかな?おお〜っ、氣に反応して魔力が表に出てきた。色は私の好きなワインレッドですか〜 この色なら炎と闇、いや暗黒属性混合かな?」

「しかし、はるかも立花もすんなりだね。さくらが苦しんだのは先祖返りだったから?・・・ちょっと簡単すぎだから、おまけに獣化も付けてみよう」

もう一度言おう!・・・やりたい放題の伊月である。


・・・気がつくと、どうやら伊月に抱かれているようだ。伊月がもふもふいっているが、何かあったのだろうか。ん?何やらお尻がムズムズするのだけど?

「キュ〜?(伊月?)」

「お、気付いた?お狐様になった感想は?」・・・お狐様とは?

すかさず伊月が鏡を見せる「キュ!キュキュ!?(なにコレ!私なの!?)」

鏡の中にはワインレッド色の毛に覆われた狐の姿が、しかも尻尾が6本。

・・・六神・・・あっ!これが筆頭候補の証!?


「これで証明になったかな?いや〜、すっかりもふもふを堪能させて頂きましたよ、立花」

そう言いながら頬ずりしてくる伊月。いや、それよりこの姿を早くなんとかして〜

「・・・あれ?立花元に戻れないの?」

「キューーーン(そうよ!早く戻して)」

伊月は困った様な顔をして「力が安定してないのかな?これは力を操る修行をしないと駄目かな〜 どうする修行する?」

・・・早く修行して元に戻りたいが、何か嫌な予感がする。はい、といった瞬間に悪夢が舞い降りるような?と、返事を逡巡していると。


「私は別にいいけど、しばらくは愛玩動物扱いだよ。みんなにもふもふされる毎日だよ〜 私はいいけど」

・・・伊月がこんなに推してくるのは非常にあやしい、でも、このままでは不味いのは間違いない。


「キュ!!(お願い)」


すると、伊月の笑顔が黒くなった?・・・ああ、やっぱり罠でしたわ。

「ふふふ、諦めが早くて助かるよ」

「手っ取り早く鍛えましょうね、はるかとの修行で安定してきた氣力と魔力を併せた【剛力】を披露するので参考にしてね。念入りに私の【お礼参り】を実行するわ。【ラブリーイツキ同盟】なんて、素晴らしい名前の、ね!」

「キューーーーキュ(ついにバレましたか)」

先程から力の根源を探っていた立花は、氣を練り金色に発光した体の上に、黒炎を纏い伊月の手から脱出する。

「キュ!キュキュキューー!キュ!(ボロ負け確定だけど、成果は出しますわよ)」

すると、伊月の体が金色に輝き、両手足には濃密な魔力で作った白色の炎を纏っている。更にその炎の周りにまばゆい光の粒が大量に漂っている。うわ!?白炎!?私の炎の上位。ついでに闇属性に対抗するための神聖属性の粒か?


「へー、立花は魔力に驚かないんだね。氣も上手く使ってるし。力の使い方は知ってたんだね?・・・これはお礼参りの方針を変更しないと」

「キュキュキュ(勉強はしてたのよ)」

そう、六神財閥には魔力や氣力の操作についての秘蔵の書物があり、幼少の頃から色々と読まされていたのだ、使えるかは別として。まさか、自分が使うとは思ってなかったけど。

「キューーーン(幻妖炎)」30個の赤黒炎のヒトダマが現れて、それぞれ縦横無尽に動き出す。半分は幻影で相手を惑わして攻撃を当てるのだが・・・伊月は手で払うこともせず、そのまますべて受ける。ダメージは全くない模様・・・ほんと、化け物ね。

「失格!小手先より、まずは威力を上げないと!・・・もふもふの刑、執行!!!」

気がつけば、伊月にもふもふされまくっていた。いつの間に気絶?

「お、気付いた?神聖魔法の粒、効くでしょ! 早く私を満足させる攻撃しないと、あんなとこやこんなとこまで、もふもふされ尽くすよ〜 ぐふふふふ、次はお尻のもこもこをもふもふするかな?」


「キュ、キュ〜(そ、そんな〜)」


この修業の成果で、今までの数百倍強くなる・・・・までに、立花はどれほどもふもふ蹂躙されるのだろうか?



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