002話 総長、相手に都合のいい話を聞く
言語のインストールが完了したので、狐目の騎士?に水晶を返す。
「ຂອບໃຈ, ຂ້ອຍເຂົ້າໃຈພາສາ.(ありがとうございます、言語理解出来ました)」
「無事に完了したようですね、どこか体の不調はないですか(こいつ、これで脳に異常がないのか?うむ、これは期待できそうだ)」
『伊月!!!こいつ早く〇そう!!!』
『なんじゃ、こいつは!!!』
『(燃やすでござる!!!)』
『情報収集してからね、出来れば明確な敵対行為をしてくれるとやりやすいけど』
あれ?声が3人分聞こえたけど!? アリス、タツキと・・・これは3女誕生!?楽しみだ。
会話も出来るようになったので、本格的に情報収集を開始する。
「騎士様、色々と考えましたけど、私は異世界に転移してきたのでしょうか?・・・詳細を説明頂けますか?」
こいつら、何が目的か不明だけど、私を配下にしようとしてるのは間違いなさそうだ。
概ね、異世界転移定番の勇者とかおだてて戦闘面でこき使う、ということだろう。
なら、名乗るときは偽名使ったほうがいいね。真名で縛る、とか聞いたことある・・・主にラノベで。
ラノベは結構読んでいるので、対策はバッチリ!・・・アリスため息つかない!
あれは聖書・バイブルであり行動指針なのだから!ドヤるが娘達の視線が冷たく感じる。
「分かりました、いきなり異世界に来て混乱されていると思いますので、おおまかに説明致します。不明な点があれば後ほど質問をお願いします」
さて、狐目の騎士?もうコンでいいや!コンの説明によると・・・
・この世界は、陸地・海のほぼすべてを魔物が専有しており、離島のわずかな土地を魔族と人族が専有している。
過去に天界神を含めた大戦争?があったらしく、以降衰退している。
・人族の敵は魔族と魔物。魔族の国は7つ。魔族は人族より魔力量が多く異形のものも多い。魔族の国々への侵攻は1国では難しい。
・人族の国は4つ。人族が共闘して魔族と対時したいが、人族の国同士で小競り合いが絶えない状態。
・先日、魔族のある国で最後の魔王が選出、魔族7ヵ国それぞれの魔王 (セブンズというらしい)が揃ったため。今後魔族の人族支配地域への大侵攻が予想される。
・この国は複数の魔王国に隣接しているため、侵攻に備えて強い戦士を集めている。今回の異世界転移もその一環、転移者は必ずレアスキルを得るらしい。
・この世界のか弱い民草の幸せのために、あなたの力を振るって欲しい。
民草のためって言うなら、まずは人族の国同士で争うなよ!馬鹿なの?協力する気はゼロだね。
おそらくは、強スキルの異世界人達を配下にして、手始めに人族の国を統一、次に魔族の国への大侵攻、ってところかな?
そして、それを先導した王は人族の英雄に、くだらない。
でも、いずれは魔王国に遊びに行くのもありか、冒険者ギルドとかあるのかな?
ふふふ、自由に各地を漫遊したほうが絶対楽しいだろう。冒険者制度があるならそこで登録して・・・おおっ!よくよく考えたら、異世界転生ってのも、面白そうじゃないか!?
・・・好色の目で私を舐め回すように見てる、キンキラな品のない服・ごてごてした装飾をつけてるのが王かな?
こいつは初めから初手で〆る対象として認識している、初めから目がキモいのだ。
『伊月を変な目で見るな!!!ゴキブリが!!!』
『イツキ!早く解放するのじゃ!!!』
『(切り刻むでござる)』
やっぱり3人分の声聞こえる!この状況さっさと終わらせて、3女と初対面したい!
しかし、他の二人は3女の存在に気づいてないみたいだね・・・さて、協力する気はさらさらないので、私を過小評価、無能認定させて、とっとと解放されるとしようか。
・・・もし拘束されるようなら、私の発氣の力を披露してやろう。
「転移してきたときに、”微量”ですが体の中に力を感じたのですが、これは・・・」
「それが魔力です。そちらの世界には魔力は存在しないのですよね(微量か、スキルもクズなら王の愛人確定だな)」
「(本性ダダ漏れ、やはりクズ!)これが魔力・・・でも微かにしか感じられないので、残念ですが戦争には参加出来そうにありません。申し訳ありません。」
「魔力は追々確認するとして、取得したスキルを見るため、まずはステータスを見ていただけますか?」
「ステータスですか?」
あれかな?ゲームで筋力〇〇、魔力〇〇って数値化するやつ。
でも、そんなのその日の体調で上下するよね、数値化するの無理でしょ!
「あなたのレベルやスキルなどを確認出来ます。そしてスキルを所持するとその力が使えるようになります」
ほうほう、取得したスキル確認出来るんだ〜 それは楽しみだね。
「ステータスが見れたら、今度はあちらの魔道具で確認させて頂きます。ステータスは基本他人には見えませんので。なお【ステータスオープン】で、自分のステータスを見ることが出来ます」
あの、ひげもじゃ、毛むくじゃらのごっつい体型の騎士?獣人?エ○ゴリ君みたいのが、台車に載せてるのがステータス確認の魔道具ね。
真っ黒い石で作った、ただの円柱に見えるけど・・・あれは、いやな感じはしない。
「分かりました・・・【ステータスオープン】」
瞳に直接情報が表示されるんだ、これでは他の人は見れないね。
『みんな見える!?』
『見える〜』『見えるのじゃ』『・・・』
3女はまだ顕現してないので無理か。3女の感情が高ぶったとき限定で声が聞こえるのかも?
<ステータス>
名前:山本 伊月
年齢:18歳
性別:女
種族:人???らしい
存在値:レベル127
<マスタースキル>
◎氣力操作:氣力の精密操作
◎スライム:スライムのごとき柔軟な身体(形状・体積、変更不可)
(異世界転移時取得、強奪したスキル)
◎男の天敵:金的への精密攻撃
(異世界転生時取得、オリジナルレアスキル)
<存在力>
◎氣王:天界最上位の「氣力」所持
◎魔王:天界最上位の「魔力」所持
◎幻獣の母:幻獣の創造
<レディースチーム:ラブリーイツキ同盟>
幹部メンバー(参加順:天界在籍メンバーのみ表示)
①アリス(アリ型幻獣)
②タツキ(龍型幻獣)
③ーーーーーーーー
なにこれ!?・・・・・・・・ツッコミどころが多すぎだよ〜