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014話 総長、ついでに四天王を鍛えます<近藤はるか編>

・・・ようやく更新できました。

2022/9/25 内容を一部修正

金糸に絡め取られ、閉じ込められ、そこに金色の液体が満たされて、意識を失う。


気がつくと、伊月と向かい合っていた。

「・・・はるか、あなた人間じゃないよね?もしかしてエルフなの?」

いきなりの伊月の問いに動揺した。出生については立花には秘密にしろと言われているのだ。しかし、私は正直に答えることにした。高校三年間を共に過ごした伊月に偽りを言うわけにはいかない。


「・・・実は、私も分からないんだよね。世界樹の近くに捨てられてたようなので」

その事情を説明する。はるかの記憶の始まりは4〜5歳の頃。気がつけば鬱蒼とした森の中で一人で佇んでいた。その場所に3日程居たけど誰も訪れることがなく、諦めて移動する。

食べ物は適度に樹の実などが見つかる為、さほどお腹も空くこともなく彷徨うこと1週間。木々の道なりに移動していると、ようやく人に出会う。

その人達は冒険者で、はるかはその冒険者達に保護されたのだ。

どうやら世界樹の森を彷徨っていたようで、冒険者に連れて行かれた場所は、世界樹政府の統治拠点都市「ポホヨラ」。その時に後継者教育でたまたま訪問中の立花の目に止まり、六神財閥に引き取られる。

初めは立花個人の特殊部隊の候補であったが、力を伸ばせず執事候補に変更。

ただ、本人は冒険者を志望しており、立花に頼み込んで作戦担当として同行させて貰っている。


「ふーん、種族は不明か〜。で作戦担当?立花は荒唐無稽、はるかは逆にせこいって感じで、程よくバランスとれてるのかな?」

と痛恨の一撃。分かってはいるのだ!計画の準備や事務作業は完璧にこなす。ただ作戦立案になるとなぜか残念なものばかり。私を拾ってくれた冒険者に憧れているのに実力すらも全く伴わない自分に絶望している。それでも諦めたくないのだ!

「それでさ、なぜエルフと思ったかというと、はるかの纏う魔力が濃い緑。緑といえばエルフ!!!これで間違いないね?」

魔力?意味が分からん!そんな架空の力があるわけ・・・

「そうか、アリスがいないから馬鹿なんだね、今は。ラノベ脳の発動はこのはが居る時に、ね」


「違うわ!!!いいから!この種を発芽させてみてよ!エルフといえば風か植物魔法だからね」

伊月・・・ラノベ脳が暴走してる!?アリスと相談して、今度は純文学をしっかりと読み込ませよう!

まあ、何かしらしないと伊月は納得しないので、種を手に取り適当に

「成長しろ!・・・ほら、何も起きないでしょ」そりゃそうだ、そんな事出来るわけ無い。

・・・あったらいいな、とは少し思うけど。


「はぁ・・・はるか、魔力を込めないでどうするよ!手から緑の力を種に流し込みながら、だよ!魔力がそれだけ体に馴染んでいるなら、簡単に出来るはず!」

伊月もしつこいな。仕方がない諦めるまで付き合うか。手から緑色のなにかを種に流し込むイメージで・・・「成長しろ!」

すると、種から発芽。そのままどんどん蔦が伸びていき、腕に絡まりだしたところで、緑の何かを流すイメージを止めた。

「ほ、本当に!?」・・・なんだコレ?えっ!?魔力!?ホントに!?

驚き、思考停止をするはるかに

「ね!植物魔法を使える=エルフ!ってわけ。それにさ、魔法使ったら茶髪と黒瞳がどちらも緑に変質したよ。それが本来の姿なんだね・・・でも耳が尖らないのは納得できないな(よし改造しよう)」


イツキがなにか言っているが、全く耳に入らず、眼の前の・・私が起こした奇跡に感動していた。

「・・・これが魔力?今までこんな力感じなかったのに」

この力があれば、皆のお荷物にならなくても大丈夫かも!?大手を振って冒険者になれる!?

「ふふふ、私の汁に漬けているからね。それで進化をうながしてるんだよ(ついでに、とんがりお耳にも改造するよ)」

・・・汁、少しいやな例えだけど、ありがたい!!!さすが伊月だ!

その後、伊月に身体強化の魔法を教わったが、これも難なく出来た。

伊月いわく「簡単なのは、やはり魔力が体に馴染んでいるから」だそうだ。

しかし、そうなると疑問が湧く。


「でもさ、地球、いやガイアか、に居た時は全く感じたことのない力だよね、それがなぜ今なのか?」

そう、そんなに馴染んでいるのになぜ今まで気づかなかったのか?

「あー、それはアリスと考えた。私も魔力持ってたようだし。ガイアの神様が世界の理として魔力を認識出来ないようにしている、が有力だね。過去に魔法戦争とかあったんじゃない?で、禁止」

たしかに、その理由が一番分かりやすい。それならアリスも認識出来ない明確な理由になる。

他の世界に来て、理から外れてようやく認識できたわけだ。


「それだと、ガイアに戻ると、また使えなくなる?」

「一度認識したら大丈夫。でも後々神罰とかあるかもね・・・それはそれで楽しみだけどね」

ふふふ、神?それは楽しそうだ。それまでに更に強くならないと。

伊月の導きで、どんどん自信をつけるはるかだった。


「はるかの身体強化って、俊敏への割合か非常に高いね。いっそ、そこを重点に強化しよう。まずは身体強化+手足に風を纏って二重強化をしよう!」

・・・なんだろ?魔法を使ってから、伊月の言ってることに対して明確に【出来る】【出来ない】と判断出来る。魔法を使用した際のシュミレーションもおぼろげながら出来るぞ、知っていた事をようやく思い出したって感じかな?


早速、両手足に風を纏い移動すると・・・えっ!?これが私の動きなの!?しかも、しっかりとコントロール出来てる!すごい!!!

感動していると、左側面から、いきなり伊月の左ジャブ攻撃。おおっ!?動きがちゃんと視える!伊月の左ジャブに両手を添え、風の力でいなしながら、身体自体も移動させる・・・出来た!


「うんうん、いいね!あとはいろいろ応用を考えるんだよ」

これで私も強くなれる。ただ、私が戦術考えるとどうしてもみみっちいものになるんだよね。

「・私が考えるとどうしても姑息で小狡い感じになるから。伊月、少し指導してくれないかな?」


すると、伊月の笑顔が黒くなった!あれ?なんかいや〜な予感が!あっ!?これは罠だ!今までのは全部誘導だったんだ!まずいぞ危険だ、逃げないと。

私が危機感知で慄いていると「そうだね。なら【死ぬ手前まで】しっかりと教えてあげるよ!氣力も教えてあげるからね!2重で身体強化、必要だよね、きついけど」

「なに?いつも無関心な伊月さん!?何で急にそんなに張り切ってるの?」

まずい!まずい!とにかく回避しないと!!!

伊月の体が金色に輝き、両手足には濃密な魔力で作った白色の竜巻のような風を纏っている。更にその竜巻に白い雷?を纏っている。おいおい!あんなので殴られたら絶対死ぬぞ!?


「伊月!?伊月さん!?伊月様!?少しばかり力が過剰とお見受けいたしますが〜・・・それとその纏った雷は?」

「はるかの向上心には感動したわ!なら、覚えたての氣力と魔力を併せた【剛力】を初披露するわ。遠慮せずに私の【お礼参り】を受けてよね。

【ラブリーイツキ同盟】なんて、素晴らしい名前のお礼をさーーーー!!!!」


「ぎゃーーーーー!!!バレてた〜」

先ほど取得した全能力をフルに使い逃げるはるか、をすでに先回りして待機している伊月。むんずと両肩を掴まれ電流ビリビリ流され意識朦朧状態に。

「ち・な・み・に、この雷は覚醒したさくらが纏っていたものを、あなたのためにアレンジしたのよ・・・さくらの雷の10倍強化で。ふふふふ〜」

ひーーーーー!伊月の目がやばい、マジと書いて本気だ!!!


「最低でもさくらと対等に戦えるレベルまでは、鍛えてあげるからね〜 でも、アリスがいないから細かいコントロールは出来ないのよね〜(うそだけど) ・・・死なないように頑張ってね? は・る・か〜」


この修業の成果で、今までの数百倍強くなったはるか・・・・を見ることが出来るのだろうか?



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