表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/303

幕間005 天界マーキュリーの女神

2022/9/25 内容を一部修正

「神勅である!神獣たちよ目覚めなさい」


この声を聞き、長らく眠りについていた神獣フェンリルであるララムは目覚めた。

久方ぶりに主の声を聞き、感動に打ち震えている。ようやく御力が回復なされたのかと。


天界マーキュリーに起こった未曾有の天変地異。侵略者による世界の崩壊を食い止めるべくあらん限りの力を我が主と共に振るった。

その結果、世界の崩壊は免れたが、世界は縮小してしまい、限界以上の力を振るった主は大幅に力を失い眠りについたのだ。

すべてあのやろーのせいだが、やつには勝てる気が今でもしない。くそ金竜が!


一刻も早く御力を回復された主に会いたいと、世界樹の中心にある神の座に向かう。

神の座は、世界樹の直上にある約1キロ程度の円形の空間だ。

そこに降り立つと、馴染みの顔が揃っていた。

「遅いぞ、ララム」

声を掛けてきたのは神獣白虎のグリード。それを神獣黒鷲ジェルエと神獣蛇グルジが同意している。

いや、私も起きてすぐに馳せ参じたんだぞ!人のことは言えないが、どんだけ主ラブなんだお前たち!

「ようやく揃ったか・・・遅れたララム、お前死にたいのか?」

・・・これは神獣猿公ムンバだ。主ラブ度が限界突破しており、昔から危険な存在だ。

「すまなかった。これでもお声を聞いてすぐに馳せ参じたのだ。許して欲しい」

こういう話を聞かない手合には、言い訳を混ぜた謝罪をするのが鉄則だ。

「・・・まあ、仕方がない。お前のいた地域はおかしな事になっているからな」

「????」「感知能力を磨きなさい」「よく分からん」


全員揃ったところで、この空間の中心にある神の座に向かう。

ローマ風の柱が円形状に立ち並ぶ中心に、神がおわす神の座が鎮座する

・・・以前は立派な建築物が立ち並んでいたのだが、今は寂しいものだ。人間たちの言葉で言えば、野ざらしの状態だ。

その神の座には、主が座られているのだが・・・猿公ムンバ以外のみなが息を飲む。そこには5歳ほどの幼女の姿の主がいたのだから、力の枯渇は深刻なようだ。


「みな、集ったか、大義」

「・・・なあ、マーキュリー。言葉を大人ぶっても体は幼女なんだから。背伸びした幼女って違和感満載だぞ」

「・・・・ぐす」余計な発言したララムはみなにボコられた。


「ぐす・・・分かった、普通に話すよ」

「まだ力は戻って無くて、ホントは寝てないと駄目なんだけど・・・あれのせいで起きた。みなも気付いてるよね」

ララム以外はうなずく。

「俺はそういうの苦手って知ってるだろ。詳細教えてくれ」


女神マーキュリーの説明はこうだ。

・唯一人族(魔族も獣人も含む)が大量に生き残っている遠方の島に、正体不明の高エネルギー体が現れた。

・夢の中で、驚異ではないと判断したが、一応監視は継続していた。

・その存在は、わずかな時間で存在がドンドン大きくなり、人から神に昇格。

・先程、異空間にいるので分かりづらいが、私を凌駕する高エネルギーを検出したので目覚めた。

・能力をフルにして監視をすると相手にも気づかれ、逆にこちらも把握された。以降も監視されている状態。

とのことだ・・・主と同等以上!?これは面白い!!!

舌なめずりする私を白虎がドン引きして見ていた。お前はそんな強くないだろう、と。


「有事の際は俺が出るからな!」と言い、皆了承。

「ガイアだったか?その格言で、こういう時は最弱のものから出すらしいからな。なんでも破れた時に『俺は四天王最弱〜!更なる強者の出現に怯えろ!』だったか?そう言うそうだ」

・・・おい!猿公!

「ララム、相手は得体がしれないので気をつけてね。名前はイツキ、あと幻獣が3体いるから」

「・・・幻獣だと!?この世界ではもう1000年以上いないはずだよな?」

「うん、おそらく異世界から来た存在じゃないかと思っている」

「ほう、渡り者か?天界ガイアか天界ヴィーナス辺りか。ガイアならメシアかもしれないな。これは腕がなるぜ」


基本戦闘は神獣フェンリルのララムの担当になっている、俺に俺にとうるさいからだ。

それに、他の神獣は女神べったりでよほどのことがないとそばを離れない。ましては敵か味方かも分からない状態では絶対に動かない。

そういう意味では、戦闘狂のララムは重宝されている存在ではある。

「それと・・・・」と何か言いよどむマーキュリーに「「「「「???」」」」」と疑問を抱く神獣達。

女神が言いよどむようなことは、今まで皆無だったからだ。これも幼児化の影響か?


「女神様、何か懸念がおありでしたら、包み隠さずお話ください。私達が解決致しますので」

とムンバが先を促す。

「あの高エネルギー体は、確実にこちらに来るよ」確信している女神の言動にさらに先を促す。

「理由はよく分からないけど、私を【ぶっ飛ばす】という念だけはビシビシ伝わってくるの」

その瞬間4体の神獣から猛烈な殺気がダダ漏れる。

「・・・だから言いたくなかったのに」と困ったような女神。


いまさら「殲滅は私に!」とか騒ぎ出したけど、どうなろうと私が先陣なのは確定事項だ。

・・・女神にケンカを売る存在か、楽しみでしかたがないな。


おい、お前ら!早く負けて来いとはどういうことだ!?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ