『自己小説の、派生原理の思想』
『自己小説の、派生原理の思想』
㈠
我々には、多くの自由が与えられている。例えば、自己小説という、自己の自由自在な執筆体系である。この、自己小説というものは、しかし、或る一面は、先人の知恵を借りている側面がある。表現方法によっては、借りているというよりは、影響を受けて居る、と言う方が適格だろうか。
㈡
この様に、先人に影響を受けるように、今度は、自己小説も、時代が経てば、後人に影響を与える側に周る。派生原理の誕生である。この様に、脈々と小説が継承されていくことを、文学史、と呼ぶ訳である。単なる単語を覚えるだけでなく、継承の流れを知ることが、本質的な文学史であろう。
㈢
こういう、一種の文学史の流れを見ると、其処に、派生原理が見て取れる。世界単位、国家単位、個人単位、この流れの中で、脈々と継承される様に、一つの思想が誕生している様に思われる。つまり、自己小説の、派生原理の思想が、感得出来る訳である。