公開処刑
反乱軍の判決を下してから一週間後、ついにその受刑者の死刑の執行が行われた。そこには5人ほどの死刑執行人と親衛隊が民衆の前に立っており、その後ろには3階建て程の大きなギロチンが存在感を強めていた。そしてその後ろにある大きな建物の窓ベランダからイオとタナーシャ達が見ていた。
元々、この国では執行人がサーベルや斧などで首を切っていたが、それでは執行人に負担が大きかったので、イオが工場の人に図面を渡してこのギロチンを作る様に命令して作ったのだ。
「受刑者は前に出ろ!」
執行人が言うと親衛隊達が1人の受刑者を引っ張ってギロチンの後ろに立った。そして周りにいる民衆はオオッと声を漏らした。
そして受刑者の首をギロチンの一番下にある皮ベルトで固定すると、執行人が動き、ギロチンの隣に移動し、そこに強く引っ張られている縄の前に立ち、腰にあるサーベルを抜き取り、受刑者に聞いた。
「最後に話す言葉はあるか」
静かだった受刑者がポツポツと言葉を口にした。
「死にたくない…死にたくない…」
そう言ったのを確認して、執行人はサーベルを振り、引っ張られていた縄を切った。
ガァン!
縄で釣り上げられていたギロチンの刃が落ちて、大きな音が鳴り響き受刑者の首を切断した。
「「「オオオオオオオオオオオオオッ!」」」
周りにいた民衆が興奮の余り、歓声を挙げた。
受刑者の首が切断出来たのを確認すると、再び刃を縄で引っ張り上げて縄を固定し、再び切って受刑者の首を切断するのを繰り返して四時間経った。
「最後の1人、前に出ろ!」
執行人に言われて前に出されるとその受刑者の前にイオが立っていた。
「久しぶりだね姉さん」
彼女はイオの姉『カミューラ』であった。そしてその前に処刑したのはイオの腹違いの兄弟達もいた。彼等こそが反乱軍の中枢部だったのだ。
「…この大公爵の面汚し、よくも兄さんを殺したわねこの愚弟め」
「相変わらず口が悪いなぁ姉さんは、そんなんだからまともな男が寄ってこないんだよ」
「そうそう、姉さんには特別な方法で死んでもらうから」
そう言い、イオは親衛隊の1人からイオ専用のマスケット銃を貰うと命令した。
「カミューラをそこに用意された十字架の丸太に縛り付けてから目隠しを着けろ」
「ちょっとやめなさいよ!放しなさいよ!」
カミューラが騒ぎ、抵抗するが民衆に良く見えるような位置に縛り付けられ、目隠しを着けさせられた。
カミューラが縛られたのを確認すると、縄に火をつけ、マスケット銃を構えた。
「何か最後に言う事は?」
「─アンタには地獄がお似合いよ!」
パァン!
銃弾がカミューラの心臓に風穴を開け、暫く痙攣した後にぐったりとして動かなくなった。
今回はだいぶ短かったので、なんとか1500以上は書きたいですね…