裏切り者への制裁
反乱軍との戦いから一週間後、カレリア大公国の首都ムルマンスカヤで反乱軍の幹部達の裁判が行われた。しかし、裏切り者ではあるが、一様貴族なので裁判長が軽い判決を下すと思ったのでこうしてイオが裁判長、そしてタナーシャを書記官、フォードや、公爵等の合計12名が裁判官を務め、検察官はアレクセイを始めとした諜報部の子達が、そして弁護士は一様適当な者を付け、被告人と裏切り者の家族達を付けた形になっている。さらに被告人の後ろには大人数の市民達が傍聴席にいた。
「ではこれより元子爵『アトーロフ·デリスキー』の裁判を始める!」
そして被告人は少し話しただけで、話はどんどん進んでいき、わずか五分で判決が決まった。
「判決する…被告人アトーロフ·デリスキーは国家反逆罪で死刑、そして第二親等の8歳以上の者は被告人を戸籍から外さない時に限り連帯責任無期懲役とする!」
イオが判決を下した時、被告人の後ろにいた市民達が大きな歓声を発した。市民達はこの裁判を娯楽として見ているため、席傍聴席では市民達が酒盛りをしたりしてドンチャン騒ぎである。
「そ、そんな裁判長、私達は何もしておりませんわ!」
「ならば被告人アトーロフ·デリスキーを戸籍から外したら第二親等までの8歳以上の者は刑を減らそう。さあ、どうなされますか?」
「!…ではアトーロフは破門差せます。」
「そんな!父上…」
「うるさい、黙れ小僧!貴様はもううちの一族ではない!さっさと消えろ!」
アトーロフの父上に怒鳴られ、黙った所でイオ達はそれぞれ裁判官と書記官と話し合い、再判決を下した。
「では再判決をする。被告人アトーロフ·デリスキーは死刑、そしてデリスキー一族の爵位の剥奪、その元第二親等までの8歳以上の者は罰金1人につき25万カペイカの罰金の刑とする!」
「なっ、それは酷すぎる!」
「うるさい。後がつっかえているのでご退場ください」
「ちょっ、おい!このワシに何をする!?はなせーーーー…」
側にいたイオの親衛隊を使って無理やり退場させてから、次から次へと判決を下していき、50名近くの裏切り者の貴族達は死刑や無期懲役、そしてその家族は爵位の剥奪の刑にしていき、全員を裁き終わるまで半日ほどしかかからないほどでおよそ1人につき10~15分程しかかからないほど早く刑を決めて行ったのだ。もはやここまで来ると粛正に見えるほどだ。
「はー!疲れたよタナーシャ」
「まだこれから通常の仕事と裁いた貴族の分の仕事もありますよ」
イオとタナーシャはイオの部屋に行き、誰もいなくなるとイオはタナーシャに甘えだした。そして満更ではないような顔で相手をしながらタナーシャは膝枕をした。
「ねえ、もっと首都にいる事務職の人間を増やさない?」
「…そうですね。確かに今までもギリギリでしたけど、地方をまとめていた貴族をかなり消しましたからね…流石にちょっとやりすぎなのでは?」
「いいんだよ。それにこの国は貴族の力が強すぎたから減らしてもっと国の権利を首都に集めないと俺のやりたかった改革が全然進まないからね。このぐらいでちょうどいいぐらいさ」
そう言いイオはタナーシャの膝から起き上がり、瓶を取り出してまだ存在しないはずの『蒸留酒』を取り出して2つのショットグラスに注いで片方を渡した。
「…この水の様なものは何?」
「『ウォッカ』っていう酒で蒸発させてから液体に戻した酒さ。一回飲んでみて」
イオに言われてショットグラスをゆっくり傾けて飲んだ。
「!?ゲホッ!何これキッツ!」
「ハハハ、これ一杯でワイン4杯分のアルコールがあるからね。でもスッキリして飲みやすいだろ?」
「まあ確かにそうですけど…」
そうして二人でウォッカを一瓶(750ml)ほど飲んだらタナーシャがフラフラし始めた。
「もっと~飲みたいれふ~」
「飲みすぎだよ。ほら、ここらでお開きににしよっか」
「イオくん~ベッドまで運んでよ~」
甘えてくるタナーシャを見て「しょうがないな」と思い、肩車をした。
「ほら、じゃあ一緒に行くよ」
「わ~い、イオくんやさし~♪」
(こりゃ明日は二日酔い確定だな)
廊下を二人で歩いていると使用人が換わろうとするが、イオはやんわり断ってタナーシャの部屋に運んだ。
「ありがとイオくん♪えい!」
ベッドの側まで運ぶとイオは酔ったタナーシャにベッドに倒され、そのままタナーシャはイオの上に抱きつきながら寝てしまった。
(…まあタナーシャもいろいろと疲れてたんだな)
「…お休み、タナーシャ」
そしてその次の日、目が覚めたタナーシャは顔を真っ赤にして跳ね起き、更にイオと一晩過ごした事が使用人の間で大きな話題となり、しばらくタナーシャはイオや知り合いに弄られたのはまた別の話─
あれ、これって大しゅくせ…
おや、誰か来たようだ、(ガチャ
うわ何をするやめ…