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東方開拓圏  作者: Minsk
国内騒動編
5/11

反乱軍との戦い

 ーカレリア大公国西部の露営地ー

「敵の数はわかったか?」

「はい。およそ歩兵3000、騎兵2000の計5000です。」


(5000か…)


偵察兵の報告からイオはこの戦いの勝率を考えた。こちらの数は急な動員なので歩兵2500、騎兵1000の計3500しか集まらなかった。しかも向こうは戦闘経験が豊富な辺境伯もいるので戦術的にも不利な状態だ。


「イオはどういたしますの?」

「どうするもやるしかないだろう。向こうはおそらくどんどん傭兵を雇うだろうから今のうちに芽を摘まないといけない」


 イオの話しているのは秘書の『タナーシャ』だ。彼女はイオとは仲の良い幼なじみだが、タナーシャは元子爵令嬢だったのでイオの秘書として側にいたいと言われたので雇ったのだ。タナーシャは元々この時代では珍しく戦術家を勉強していたのでこうした所にもついてきてもらっている。


「まあ数的不利な状況だから短期決戦で行くしかないな」


しかし、敵はこちらの騎兵の倍を動員しているのでかなり厳しい。


だが、こちらには敵にはない大きな強みを持っている。この部隊を有効に使えば十分に勝てる見込みはある。


イオは机にある地図をじっと見つめ、その時を待った。




ー戦場にてー


「敵を補足しました!」

「では全軍前進せよ」


 タナーシャの指示で各軍がゆっくりと前進する。周りを見ると殆どがパイクと呼ばれる大公国では5mほどの長い槍を持っている部隊と、弓を持つ部隊が連隊を組んで前進している。対する反乱軍側も全く同じ様な陣形をしていた。


しかし、イオはこの場にいなかった。なぜならここにいる3000の部隊達とは別で行動していたからだ。


その代わりに秘書のタナーシャが全体の指揮をしていた。


 ワアアアアアアアアアアアアアア!


と雄叫びを上げて敵が騎兵が戦闘に立って突撃してきた。敵は物量で倒そうと考えているのは想像できていたので、それぞれの各部隊はパイクを前に突きだしている時、ドーン!と大地が震える様な音と地響きが敵の真ん中で起きた。


後方にイオの直轄部隊の一つである『砲兵』の起こしたものだった。


「敵陣に命中!一部の敵部隊が後退して行きます!」


これがイオが戦闘で勝てる見込みの一つであった。


まだこの大砲はこのイオの直轄部隊にしか配備されていないため、辺境伯や公爵の直轄部隊も持っていないし、特に反乱軍は後方支援に魔法使いしか運用していない。


そしてそれを好機と見たタナーシャは後方にいる予備戦力以外の騎兵と前線の歩兵に命令した。


「敵の崩れた今が好機だ。前線にいる歩兵と騎兵の突撃で敵のど真ん中を食い破れ!」


タナーシャの命令で約2500の兵士が雄叫びを上げて突撃しに行った。




ーイオサイドー


 タナーシャが正面で兵を動かしている間、イオは500の兵士をにも引き連れて森の中を駆け足で走っていた。彼らはイオの親衛隊で、2500の軍は傭兵の様にバラバラな服に鎧を着ていたが、この部隊は全ての兵士が近代的な軍服を揃えていた。そしてまだこの世界ではあまり見かけない『銃』を持っていたのだ。


しかし銃と言ってもまだ現代の様なフルオートの銃とは違い、銃口から火薬と弾丸を込め、火を付けた縄を発射薬に接して点火させ、発射した後は銃口内部を掃除しないといけないいわゆる『マッチロック式』もしくは『火縄銃』と呼ばれるものだった。


「敵軍を発見しました!」

「では森から出たら横列の陣形に!後今のうちに火縄もつけろ!」

「了解!」


イオ達が森の中から出ると流れるように3列の横陣を作った。そして50m以下の距離にいる騎兵を腰に付けているサーベルで指した。


「あそこにいる敵騎兵に構えろ!」


イオの掛け声に答える様に一斉に銃口をむけた。


「第1列撃てぇ!」


 パパァン!


1列目が一斉に射撃した後、1列目がしゃがんだ後ろの2列目が構えていた。


「1列目次弾装填、2列目撃てぇ!」


 パパァン!


「2列目次弾装填、3列目撃てぇ!」


 パパァン!


打たれた敵騎兵の音で驚き馬が暴れだし、その後騎乗者達の叫び声が聞こえた。反乱軍の軍馬は騎乗者を振り落とし、振り落とされた兵士を踏み潰しながら銃から逃げるように散り散りに走っていった。


そして騎兵が撤退した後ろには銃声と騎兵が敗走していることに困惑しているきらびやかな装飾をしている服を着た魔法使いの部隊がいた。


「各員着剣し突撃!」


 ワアアアアアアアァ!


500の兵士が雄叫びを上げて銃剣突撃を敢行し、パイク兵の1.5倍位のスピードで突撃したため、物凄い速さで接近してきた為、魔法使い達は魔法を詠唱する時間もなく、イオ達の銃剣突撃をもろにくらった。


「だ、誰か助けてくれ!」

「死ね!この裏切りものが!」


 ザシュ!グサッ!


そうした状況の中、イオは敵将軍『バラード』の首を跳ねた後、髪の毛の掴んで掲げ上げた。


「敵将軍撃ち取ったり!」


その言葉が味方と敵に伝わり、魔法使い達は武器を捨てて投降してきた。


「その者共を見張る百人以外の兵士は我に続け!」

「「「了解!」」」


そしてイオ達約400の兵士は陣形を組み直し、バラードの首を掲げたまま後方から敵のパイク兵を奇襲するために向かっていき、その後味方騎兵と合流したイオ達の軍とタナーシャの率いる軍で敵軍を包囲し、見事敵の反乱軍の中枢を捕らえる事が出来たのだった。

 戦闘シーン書くの難しい…後、本来は火縄銃は銃剣はついていないのですが、本来みたいに撃って敵が接近してきたら逃げる戦法は作品的に全然面白くなかったので銃剣をオリジナルで付けました。それと作中の銃剣は時代的に近い(?)銃口に銃剣を差し込んで使うタイプです。あくまでこの作品はフィクションとして優しい目で見てくれたら嬉しいです。

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