知らない世界
「ここはどこだ…」
青年だったはずの『青山 浩司』は自分のベッドで寝てたはずだ。しかし、今起きたら周りはコンクリートの壁ではなく、まるで時代劇の世界に入ったかの様なネズミ色の四角い石を積み上げた空間だった。
「失礼します」
浩司が考えているうちに、使用人の様な細い括れにそこから足にかけて二等辺三角形の形をし、黄緑色、スカートから下は白色のエプロンを使った全体的にシンプルな服装をしていた。
「イオ様、今日は早く起きられたのですか」
そう使用人に言われ『イオ』というのが自分の名前だと気付い
た。
「ああ、今日は目覚めが良くてね」
イオは自分が別人だと気付かれない様に演じる事にした。
「…イオ様、本日はいつもより口調が良くなりましたね」
「そ…そうか?私としてはいつもと変わらない様な気もするが…」
「いえ…イオ様も立派になられたと思いましてね…」
イオは内心焦ったが、使用人が気付かないのがわかり、ほっ、と息をはいた。
「それで何の要かい?」
「…失礼しました。イオ様の着替えと本日の予定を伝えにきました。」
「わかったよ、ありがとう。私が着替えながらで良いから予定を言ってくれないかい?」
「わ、わかりました。着替えです、どうぞ」
使用人に服を貰うとイオはその場で着替えはじめが、使用人は顔を真っ赤にしていた。
「…どうしたんだい?そんなに顔をリンゴの様にして」
「いえ、なんでもありません。本日の予定は午前中に…」
しかし、イオはこの世界の現実を知らずにこの後、自分の価値観を変えなければならないことを思い知る。
作品タイトルはヒトラーの東方生存圏を参考にしています。