04話 付与スキル
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グーロを倒した俺たちは村人に感謝され、宴会場に招待されていた。
お酒を飲んで楽しむもの。
大食い勝負をしているもの。
色んなやつらがいる。
「いやぁ助かったよあんちゃん達!」
そういうのは鍛冶屋のおっちゃんだ。
いかにも鍛冶屋というような肉体をしている。
「だが、あんなスキルは見たことがねぇな…
あんちゃん一体何を使ったんだ?」
「勇者様、私も知りたいです」
エルザもどうやら気になるらしい。
「あぁ、あれは…」
鍛冶屋のおっちゃんは俺が異世界人だと言うことをまだ知らなかったので、その説明と、
スキルについては、ただ元から持っていた
スキルを使用しただけだと説明した。
そうすると鍛冶屋のおっちゃんとエルザは目を合わせ、何かおかしなことでもあったのか
少し話し合った後、口を開いた。
「勇者様、この世界のスキルは火、水、雷、風の4つの属性が存在します。
ですが、勇者様のスキルはどの属性にも当てはまらないのです」
なるほど。それで悩んでいたのか。
確かにあのスキルはグーロを硬直させていた。
火や水といった属性という感じではなかった。
不思議なスキルだったな。
「まぁなんだ、とにあくあんちゃんにはお礼がしたい!是非うちの商品を使ってくれ!」
そういって差し出されたのは、全身を覆うローブだった。
見た目からして、結構高そうだ。
本当にいいのだろうか?
一度は遠慮したが、満面の笑みで
鍛冶屋のおっちゃんは
ローブを勧めてくるので、
とりあえず俺は装備してみることにした。
装備してみると、生地がしっかりしていて、
肌触りが良く、とても着心地が良い。
すると、白い文字で頭の中に何か浮かんでくる。
魔術師のローブにスキルザンギョウの効果を付与させますか?
なんかでてきたな。
とりあえず付与させとくか。
魔術師のローブは進化を遂げました。
精神力をさらに大幅上昇させます。
精神力が上限を突破しました。
余った精神力は防御面、攻撃面の強化に
使用されます。
それにより、ステータスに以下の補正が付きます。
物理ダメージを大幅軽減します。
火属性のダメージを大幅軽減します。
水属性のスキルツリーが解放されました。
水属性のスキルツリーが解放されたことにより
スキル 氷結を獲得しました。
…思ったよりもいっぱいついたな。
新しいスキルも使えるようになった?
みたいだし。
まぁ難しいことは置いといて
とりあえず、宴会を楽しむことにするか。
俺達は酒の入ったグラスを持ち、
一晩中楽しんだ。
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「ガルルルル」
一匹の鳴き声が、森の中で存在感を放っていた。